Côteaux Sud d'Epernay / コトー・シュッド・デペルネ

コトー・シュッド・デペルネは、アヴニュ・ド・シャンパーニュに大手メゾンが並ぶエペルネの市街と、その南の白亜の丘陵の村々をまとめた地区です。グラン・クリュの村はなく、プルミエ・クリュはピエリーだけ。畑ではシャルドネとピノ・ムニエがほぼ同じ面積を分け合い、ピノ・ノワールは1割ほどにとどまります。

「Côteaux Sud d'Epernay」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Côteaux Sud d'Epernay
栽培面積1,266.8 ha
- Chardonnay549.8 ha (43.4%)
- Pinot Noir158.7 ha (12.5%)
- Pinot Meunier556.4 ha (43.9%)
- その他1.9 ha (0.1%)

特徴

コトー・シュッド・デペルネのシャンパンは、ほぼ同じ面積を占めるシャルドネとピノ・ムニエの組み合わせが基本になります。シャルドネは柑橘を思わせる明るい酸を、ピノ・ムニエは熟したリンゴのような柔らかな果実味をもたらす品種で、エペルネやマンシーではシャルドネが、ヴィネやムーシーではピノ・ムニエが中心です。この地区だけのスタイルを定めた評価は多くありませんが、UMCはヴァレ・ド・ラ・マルヌのこの一帯について、ほどよいボディと独特の爽やかさをもち、ブレンダーが求めるワインが生まれると記しています。酸と果実の釣り合いがとれたスタイルは、食前酒から魚介の前菜まで、食事の始まりに合わせやすいタイプです。

テロワール

コトー・シュッド・デペルネの畑は、マルヌ川の左岸、エペルネの南に広がる低い白亜の丘陵にあります。ヴァレ・ド・ラ・マルヌの谷がコート・デ・ブランへと向きを変え始める位置で、ル・キュブリ、ル・ダルシー、ル・マンシーの小川が谷を刻み、エペルネからピエリーを経てサン=マルタン=ダブロワへ、ブリュニー=ヴォダンクールからマンシーへと、急な斜面の畑が半円を描くように続きます。土台はどこも白亜ですが、その上を覆う土は村によって異なります。マンシーやモンテロンの付近は沖積の砂、ヴィネやサン=マルタン=ダブロワの付近は硬い石灰岩、ピエリーやムーシーの付近は重い粘土と泥灰が混じります。UMCの集計(2021年頃)では、シャルドネとピノ・ムニエがそれぞれ4割強、ピノ・ノワールが1割強です。マンシーやモンテロンの方向はコート・デ・ブランを支える白亜の山塊と地続きで、この地質のつながりがシャルドネの比率を高めているとする解説もあります。白亜の上に載る土の違いが村ごとの品種の住み分けを生み、同じ地区のなかにシャルドネの張りとピノ・ムニエの丸みという異なる表情をもたらしています。

詳細

コトー・シュッド・デペルネは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのうちマルヌ川の左岸にあたる地区で、エペルネの市街そのものと、その南の斜面に並ぶ村を含みます。川を挟んだ北側の対岸にはグランド・ヴァレ・ド・ラ・マルヌがあり、南東へ進むとコート・デ・ブランへ続きます。

配下は11村で、UMCの集計(2021年頃)による栽培面積は、エペルネ257.20ha、マンシー189.70ha、ヴィネ148.00ha、ムーシー135.40ha、シャヴォ=クルクール124.60ha、ピエリー109.80ha、モンテロン104.00ha、サン=マルタン=ダブロワ82.10ha、ブリュニー=ヴォダンクール77.10ha、モランジ24.20ha、モスラン14.70haです。地区全体では約1,267ha、生産者数は889とされますが、いずれも2021年頃の値です。

テロワール

地区の土台は白亜です。格付けを持つのはプルミエ・クリュのピエリーだけで、ほかの10村はオートル・クリュです。斜面はエペルネからピエリーを経てサン=マルタン=ダブロワへ向かう線と、ブリュニー=ヴォダンクールからマンシーへ向かう線に沿って続き、古木の畑と若木の畑が混在します。

品種構成は村によってはっきり分かれます。UMCの村別の集計では、エペルネは257.20haのうちシャルドネが156.90ha、マンシーは189.70haのうち103.70haで、この2村はシャルドネが主体です。一方、ヴィネ、ムーシー、サン=マルタン=ダブロワ、ブリュニー=ヴォダンクールなどではピノ・ムニエが中心になります。砂質の土が載るマンシー方面と、粘土や泥灰の重い土が載るムーシー方面とで、品種の選び方が異なっています。

主要生産者

地区の中心であるエペルネには、アヴニュ・ド・シャンパーニュを中心に大手メゾンが本拠を構えます。ここに挙げるのはエペルネなどに拠点を置く造り手で、原料のブドウがこの地区の畑に限られるわけではありません。

モエ・エ・シャンドンは1743年にエペルネで創業したメゾンです。アヴニュ・ド・シャンパーニュに本社を置き、大通りの地下には約28kmにおよぶ貯蔵用の地下道が延びています。同じ通りにはペリエ・ジュエやメルシエといったメゾンも並びます。

歴史

エペルネのアヴニュ・ド・シャンパーニュでは、17世紀末から白亜の地中に貯蔵庫が掘られ、18世紀には商人たちが好んで住む通りになりました。19世紀に鉄道が通ると取引が大きく伸び、大メゾンの館が通りに立ち並びます。この通りと地下の貯蔵庫は、2015年にユネスコの世界遺産に登録されました。

ピエリーには、1734年頃にシャロン=アン=シャンパーニュの司教伯のために建てられたシャトー・ド・ピエリーがあります。ここにはドン・ペリニヨンと同じ時代を生きたベネディクト会の貯蔵係ジャン・ウダールが住み、同様の醸造法を試みたと伝えられています。

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「Côteaux Sud d'Epernay」のクリュ(Commune)

格付け 栽培面積 Chardonnay Pinot Noir Pinot Meunier
Brugny-Vaudancourt Autre Cru [?] 77.1 ha 25.6 % 3.4 % 71.1 %
Chavot-Courcourt Autre Cru [?] 124.6 ha 45.4 % 4.8 % 49.5 %
Épernay Autre Cru [?] 257.2 ha 61 % 24.9 % 14 %
Mancy Autre Cru [?] 189.7 ha 54.7 % 6.1 % 39.3 %
Monthelon Autre Cru [?] 104 ha 55.4 % 6.6 % 38 %
Morangis Autre Cru [?] 24.2 ha 62 % 6.6 % 31.4 %
Moslins Autre Cru [?] 14.7 ha 59.2 % 8.8 % 32 %
Moussy Autre Cru [?] 135.4 ha 31.5 % 8.9 % 59.2 %
Pierry Premier Cru [?] 109.8 ha 35.2 % 18 % 46.3 %
Saint-Martin-d'Ablois Autre Cru [?] 82.1 ha 11.2 % 10 % 78.7 %
Vinay Autre Cru [?] 148 ha 27.7 % 16.7 % 55.5 %

「Côteaux Sud d'Epernay」を拠点とする主なシャンパン銘柄