Mancy / マンシー

マンシーは、コトー・シュッド・デペルネのV字谷に刻まれたオートル・クリュの村。白亜と沖積砂が入り混じる独特の土壌が、コート・デ・ブランのミネラリティとマルヌの果実感を一枚のグラスの中で交差させる。シャルドネ主体でありながらピノ・ムニエも豊かに育つこの村のシャンパンは、どちらか一方では味わえない複層的な表情を持っている。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51530
面積 : 3.57 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Cuis, Monthelon, Grauves, Morangis, Moslins,

「Mancy」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Côteaux Sud d'Epernay
格付け88% Autre Cru [?]
栽培面積189.7 ha
- Chardonnay103.7 ha (54.7%)
- Pinot Noir11.5 ha (6.1%)
- Pinot Meunier74.5 ha (39.3%)
- その他0 ha (0%)

特徴

マンシーではシャルドネが全体の約55%を占め、白亜と沖積砂が多く露出する区画でその本領を発揮する。生まれるシャンパンは柑橘と白い花を思わせる透明感と、チョーク由来のキレのある酸が特徴。一方、ピノ・ムニエも約39%と存在感があり、スパルナシアン粘土層の区画ではふくよかな果実感とやわらかい口当たりをもたらす。 2つの川と多様な斜面が生む「村の中の多様性」をそのまま生かした、Bernard Girardinのブラン・ド・ブラン「Vibrato」や、コオペラティヴ・ヴィニコル・ド・マンシーが送り出すエステルランの「キュヴェ・クレオ」(100%シャルドネ)はその好例。シャルドネとピノ・ムニエの両方を余すところなく楽しみたい飲み手に、とりわけ刺さる村だ。

テロワール

マンシーの畑は、「ル・ダルシー」と「ル・マンシー」という2本の小川が刻んだV字谷の両岸に広がる。2本の川はコミューン北部で合流し、斜面の向きも西向き、南東向きと多様。標高は98mから236mまで幅があり、区画ごとに光の当たり方が異なる。 土壌はコトー・シュッド・デペルネの特徴でもあるパッチワーク状の多様性を持ち、マンシーでは白亜(チョーク)に沖積砂が混在するのが際立った個性だ。斜面下部に露出する白亜は、隣接するグローヴやキュイを含むコート・デ・ブランの丘との地質的なつながりを示している。一方、畑を横切る砂岩(pierre meulière)の筋は一部区画に高い砂利・フリント成分をもたらし、同じ村の中でもテロワールに幅を与えている。 この白亜と砂の混在が、単一品種では到達しにくい「石灰岩のテンションを持ちながらチャーミング」なシャンパンを生み出す土台となっている。

詳細

マンシーはエペルネの南に位置し、2本の小川「ル・ダルシー(Le Darcy)」と「ル・マンシー(Le Mancy)」が形成するV字谷に広がるコミューンだ。村はル・マンシーの左岸に立地し、2本の川はコミューン北部で合流する。行政上はマルヌ県エペルネ郡に属し、コミューンの総面積は357ha、人口は237人(2022年)。標高は最低98mから最高236mで、起伏に富んだ地形を持つ。

隣接するコミューンは北がモンテロン、北東がキュイ(プルミエ・クリュ)、南東がグローヴ(プルミエ・クリュ)、南南西がモスラン、西がモランジ。コート・デ・ブランのグラン・クリュ村(アヴィーズ、クラマン)を擁する丘の西側斜面に位置するグローヴと隣接しており、地質的なつながりがマンシーのテロワールの個性を形作っている。

テロワール詳細

ブドウ畑はル・ダルシーとル・マンシーの両岸に広がる。コミューン西部の畑は左岸の斜面上にあり、モンテロン、モランジ、モスランの畑と地続きになっている。中央部・東部はル・マンシーとル・ダルシーの間、およびグローヴの畑と連続する区画からなる。谷が二又状になっているため斜面の向きは多様で、西部では主に南東向きとなる。

土壌はコトー・シュッド・デペルネ地区に典型的なパッチワーク状の多様性を持つ。マンシーとモンテロン側に特徴的なのは白亜(チョーク)に沖積砂(sables alluvionnaires)が混在する構成で、斜面下部では白亜が特に顕著に現れる。これはコート・デ・ブランとの地質的な近接性を示している。また、畑を横切る砂岩(pierre meulière)の筋が一部区画に砂利やフリントの高い割合をもたらし、同一コミューン内でも多様なテロワールを生み出している。

総栽培面積は189.70haで、シャルドネが103.70ha(約54.7%)、ピノ・ムニエが74.50ha(約39.3%)、ピノ・ノワールが11.50ha(約6.1%)という構成。エシェル・デ・クリュは白黒ともに88%のオートル・クリュ格付けだが、隣接するコート・デ・ブランのプルミエ・クリュ村と接する地理的位置は、その数字以上のポテンシャルを示唆している。

主要生産者・メゾン

マンシーの生産の中核を担うのがコオペラティヴ・ヴィニコル・ド・マンシー(Coopérative Vinicole de Mancy)だ。1948年に地元の栽培者3人が主導して設立し、現在は190組合員・総113haの畑を管理する(本部は1994年以降エペルネのシャンパーニュ大通りに移転、醸造はマンシーで継続)。年間約120万本を生産し、ブランドはエステルラン(Esterlin)とヴィクトル・ルジューヌ(Victor Lejeune)の2本立て。エステルランの最上キュヴェ「キュヴェ・クレオ」は100%シャルドネ、「キュヴェ・クレオ・ロゼ"ド・セニエ"」は100%ピノ・ムニエと、マンシーの品種構成を明確に表現したラインナップが特徴。

グロワー(栽培醸造業者)では、ヴィニュロン・アンデパンダン会員のBernard Girardin(ベルナール・ジラルダン)が国内外で知名度が高い。コトー・シュッド・デペルネとヴィトリャ地区に畑を持ち、シャルドネ65%・ピノ・ムニエ25%・ピノ・ノワール10%の構成。最上キュヴェ「Vibrato」はブラン・ド・ブランで、マンシーのシャルドネを純粋に表現した一本だ。

また、モエ・エ・シャンドンやボランジェといった大手メゾンも村内に畑を所有している。シャヴォ=クールクールのグロワー、Laherte Frèresもマンシーのリュー・ディ「レ・オート・ノルジャイユ(Les Hautes Norgeailles)」「レ・バ・ピュトルー(Les Bas Putroux)」の区画を使用し、「Les Vignes d'Autrefois」にブレンドしている。

歴史

1947年ヴィンテージは収穫が異例のほど早く到来し、多くの栽培者が販売先を確保できるか不安を抱えた。その翌年1948年初頭、こうした不確実性を回避したい地元の栽培者3人が主導してコオペラティヴ・ヴィニコル・ド・マンシーが設立された。同組合は現在も活動を続け、エステルランブランドとして国際的に知られる存在となっている。

マンシーはまた、1996年に発足した「コトー・シュッド・デペルネ(Coteaux Sud d'Epernay)」協会の加盟村でもある。エペルネ南部の谷を形成する11コミューンが結集してスタートした同協会は現在13村が加盟し、ピノ・ムニエとシャルドネを主体としたテロワール表現の確立に取り組んでいる。コート・デ・ブランの影に隠れがちな立地だが、独自の地質とV字谷の地形が育む多様なスタイルは、今まさに再評価が進んでいる。

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「Mancy」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報