Grauves / グローヴ

グローヴは、コート・デ・ブランの中では珍しく渓谷地形の中に畑が広がるプルミエ・クリュ村。「ロワイヤル・コトー(王者の丘)」という別称が示すとおり、シャルドネが栽培面積の約92%を占め、グラン・クリュ村に囲まれながらも独自のテロワールを刻んできた。1928年ヴィンテージが評論家から満点を得たという記録が残る、知る人ぞ知る名村のシャンパンをぜひ体験してほしい。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51190
面積 : 7.84 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Avize, Cuis, Cramant, Mancy, Moslins, Blancs-Coteaux,

「Grauves」のぶどう畑

テロワールCôte des Blancs
格付け90% Premier Cru [?]
栽培面積186.6 ha
- Chardonnay171.6 ha (92%)
- Pinot Noir2.7 ha (1.4%)
- Pinot Meunier12.3 ha (6.6%)
- その他0 ha (0%)

特徴

グローヴで造られるシャンパンは、コート・デ・ブランのシャルドネらしい繊細なミネラルと柑橘系の果実味を持ちながら、渓谷地形由来の砂利土壌が加える独特のグリップ感が同地区の他村と一線を画す。純粋な石灰岩斜面で育つクラマンやアヴィーズと比べると、質感にわずかな密度と骨格があり、時間をかけて開いてくるタイプが多い。 村を代表する協同組合ル・ロイヤル・コトーのヴィエイユ・ヴィーニュ 100%シャルドネや、ピエール・ドミがレ・オート・ルアル区画から造るヴィエイユ・ヴィーニュキュヴェは、その凝縮感を如実に示す。食中酒として白身魚や貝類と合わせるのはもちろん、瓶熟を経た複雑味が増したものはひとりで向き合いたい一本になる。

テロワール

グローヴは、エペルネの南南東約8kmに位置し、ル・ダルシー渓谷の中に畑が入り込む地形が最大の個性だ。コート・デ・ブランの他村が丘陵斜面に畑を連ねるのに対し、グローヴは渓谷の右岸(南西向き)と左岸(北東向き)の両側面に畑を持ち、斜面の向きが複数混在する点でユニークである。 「グローヴ(Grauves)」という村名はラテン語の*grava*(砂利)に由来するとされ、白亜質チョークを基盤としながら砂利混じりの表層土が加わる構成が特徴的。隣接するクラマン(グラン・クリュ)やアヴィーズ(グラン・クリュ)が純粋な白亜質斜面の均質なテロワールを持つのに対し、グローヴは渓谷地形によって通風・日照・排水のパターンが畑ごとに変化しやすい。 北にキュイ(プルミエ・クリュ)、南東にアヴィーズを望む立地で、コート・デ・ブランの骨格ともいえる白亜層の恩恵は十分に受けつつ、砂利と渓谷地形がシャルドネに複雑さのアクセントを加える。この土壌と地形の組み合わせが、隣のグラン・クリュ村とは異なるグローヴ独自のミネラル感と果実の輪郭をシャンパンに刻み込む。

詳細

グローヴはコート・デ・ブランに属するプルミエ・クリュ村で、エペルネの南南東約8kmのル・ダルシー渓谷内に位置する。エシェル・デ・クリュは白・黒ともに90%。総栽培面積は186.60 haで、そのうちシャルドネが171.60 ha(約92%)を占め、ピノ・ムニエ12.30 ha、ピノ・ノワール2.70 haが続く。登録生産者数は201軒にのぼる。

北にキュイ(プルミエ・クリュ)、北東にクラマン(グラン・クリュ)、東にアヴィーズ(グラン・クリュ)、南東にオジェ(グラン・クリュ)、南西にマンシーとモスラン、西にブラン=コトーを隣接する。グラン・クリュ村に三方を囲まれながらも独自の渓谷地形を持つという地理的立場が、グローヴのアイデンティティを形づくっている。村の別称「ロワイヤル・コトー(Royal Coteau)」はラテン語の*grava*(砂利)を語源とするとも伝えられる。

テロワール詳細

コート・デ・ブランの他村が丘陵の一方向斜面に畑を展開するのに対し、グローヴはル・ダルシー渓谷の右岸(南西向き)と左岸(北東向き)の両岸に畑が広がる。この渓谷地形は斜面ごとに日照量・通風・水はけのパターンを変え、単一村内に複数のミクロ気候を生み出している。

土壌はコート・デ・ブランを貫く白亜質チョークを基盤とするが、村名の語源ともされる砂利質の表層が混在するのが特徴で、隣接するクラマンやアヴィーズの均質な石灰岩斜面とは異なる質感を持つ。代表的な単一畑「レ・オート・ルアル(Les Hautes Roualles)」はピエール・ドミがブラン・ド・ブランの原料として単独使用している区画で、この白亜と砂利の共存が生み出す独特のテクスチャーを体現する。

主要生産者

村の中核を担うのが協同組合ル・ロイヤル・コトー(CM)だ。1948年創設で、約200名の組合員・約60 haの畑規模を持ち、ノン・ヴィンテージ ブリュット、ミレジム、そしてヴィエイユ・ヴィーニュ100%シャルドネ(オーヴァン)を生産する。村全体の生産者数201軒という規模に対し、組合が果たす集荷・醸造の役割は大きい。

グロワーの中でとりわけ注目されるのがピエール・ドミ(RM)で、8.5 haを自社管理しレ・オート・ルアル区画の100%シャルドネ ブラン・ド・ブランを手がける。渓谷斜面の砂利土壌から引き出すグリップのある果実表現は、グローヴの個性を最もクリアに示す一本とされる。

ネゴシアンとしてはFrerejean Frères(NM)がグローヴ産ブドウを使用し、エクストラ・ブリュット、キュヴェ・デ・ユサール、1926年植樹の古樹から造るVV26 ブラン・ド・ブランなどをリリースしている。

歴史・補足

グローヴが歴史的な記録に残るエピソードとして知られるのが、1928年ヴィンテージのポル・ロジェグローヴだ。ワイン評論家リシャール・ユーランが満点(100点)を付けた最初のワインとして記録されており、このプルミエ・クリュ村がいかに傑出したポテンシャルを秘めているかを証明する歴史的事実として語り継がれている。村名の別称「ロワイヤル・コトー」にも、その品質への自負が込められていると言えるだろう。

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「Grauves」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報