Vinay / ヴィネ

ヴィネは、ミシュラン1つ星ホテルも構える美食の村でありながら、シャンパンの世界ではAutre Cru(86%)という控えめな格付けにとどまる。ピノ・ムニエが約55%を占め、石灰と粘土が溶け合う土壌から豊かな果実味とふくよかさを引き出す。気取らないのに満足感のある一本に出会える村です。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51530
面積 : 3.09 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Épernay, Moussy, Brugny-Vaudancourt, Saint-Martin-d'Ablois, Chavot-Courcourt,

「Vinay」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Côteaux Sud d'Epernay
格付け86% Autre Cru [?]
栽培面積148 ha
- Chardonnay41 ha (27.7%)
- Pinot Noir24.7 ha (16.7%)
- Pinot Meunier82.1 ha (55.5%)
- その他0.2 ha (0.1%)

特徴

ヴィネのシャンパンは、畑の半分以上を占めるピノ・ムニエが主役となり、ジューシーな果実味とふくよかな口当たりを生み出す。チョーク質が強い区画のシャルドネは、そこにミネラルの張りと引き締まった印象を加える。地区全体で語られる「丸みがあり飲みごたえのある」スタイルそのままに、力強さよりも親しみやすさが先に立つ味わいだ。南向き区画のピノ・ノワールは熟度が高く、香り豊かに仕上がる。気負わず食卓に寄り添う一杯として、普段の食事と合わせたい飲み手にこそ向いている。

テロワール

ヴィネはコトー・シュッド・デペルネ地区の中でも、キュブリー渓谷の中心に位置し、区域内で最大規模の畑面積を誇る村のひとつだ。畑はこの渓谷が刻む南西向きの斜面に広がり、日照に恵まれている。地区全体に共通するチョーク質の基盤が斜面下部で顕著に現れる点はこの村も同様だが、ヴィネと隣接するサン=マルタン=ダブロワでは、そのチョークが石灰岩質の地層と混じり合うのが特徴で、単純な白亜土壌とは一線を画す。さらにスパルナシアン層由来の粘土が、保水性の高い土壌を形成し、ピノ・ムニエの安定した生育を支えている。一部の区画には砂岩やフリント混じりの石も見られ、土壌に変化をもたらす。この粘土と石灰の絶妙な配合こそが、ヴィネのシャンパンに果実の厚みとミネラルの輪郭を同時に与える土台となっている。

詳細

ヴィネはエペルネの南西、コトー・シュッド・デペルネ地区に属する村で、D11号線沿いにムーシーを越えた先に位置する。総面積3.09km²、標高133mの小さな村ながら、村域には集落ティンクール(Hameau de Tincourt)も含まれる。北にエペルネ、東にムーシー、南東にシャヴォ=クルクール、南にブリュニー=ヴォダンクール、西にサン=マルタン=ダブロワと、コトー・シュッド・デペルネを代表する村々に囲まれた立地だ。村を流れるキュブリー川はサン=マルタン=ダブロワに源を発し、マガンタでマルヌ川に合流する全長14kmの小川で、この川が刻む渓谷の地形がヴィネのテロワールを形づくっている。なお村内には、ミシュラン1つ星を獲得した高級ホテル「Hostellerie La Briqueterie」があり、美食の村としても知られる。

テロワールの核心は、キュブリー渓谷の南西向き斜面にある。コトー・シュッド・デペルネ地区全体に共通するチョーク質の基盤がこの村でも斜面下部に現れるが、ヴィネとサン=マルタン=ダブロワではそのチョークが石灰岩質の地層と混合する点が独自の特徴とされる。加えてスパルナシアン層由来の粘土が地区内でも保水性の高い土壌を形成し、畑の主力品種であるピノ・ムニエに適した環境をつくっている。一部区画には砂岩やフリント混じりの石も見られ、土壌構成に複雑さを加える。気候は大陸性の影響を受けた海洋性気候に分類され、南向きの斜面が日照量を確保している。総栽培面積148haのうちピノ・ムニエが82.1haと過半を占め、シャルドネ41ha、ピノ・ノワール24.7haが続く構成は、まさにこの粘土質土壌の性格を反映したものといえる。

主要生産者

ヴィネを代表する生産者がジャン・ディオだ。1960年代初頭の創業以来、家族経営を貫くネゴシアン・マニピュラン(NM)で、1998年には2代目に経営が引き継がれた。ヴィンテージはシャルドネ40%・ピノ・ノワール40%・ピノ・ムニエ20%という独自の構成比で造られ、プレミアムキュヴェ「Exception Boisée」はムーシー産の3品種を均等割合でブレンドし、樽発酵後に旧式コルクで仕上げるというこだわりのスタイルを採る。小規模メゾンながら、伝統的な製法を守り続ける造り手として地元での評価が高い。

このほか、ヴィネに拠点を持つ生産者には以下のような顔ぶれがある。

こうした小規模生産者に加え、ヴィネには172名の組合員を抱える協同組合があり、うち10名が自社ブランドでシャンパンを販売している点も、この村の生産構造の厚みを物語る。大手メゾンもヴィネの畑に注目しており、モエ・エ・シャンドンやテタンジェがこの村に畑を保有・使用している。

歴史

ヴィネは行政区分上、1793年にサン=マルタン州、1801年にエペルネ州、1973年にエペルネ第2州へと編入されてきた歴史を持つ。エシェル・デ・クリュでは白・黒ともに86%のAutre Cruにとどまり、隣接するムーシー(88%)や、コトー・シュッド・デペルネ地区内でPremier Cruの評価を得るピエリー(90%)と比べるとやや控えめな位置づけだ。とはいえ1996年には地区内11村が連合を結成し、コトー・シュッド・デペルネというテロワールのアイデンティティを訴求する活動を開始、現在ではヴィネを含む13村がこの協会に名を連ねている。栽培面積は1997年の145haから2013年時点で147.8haとほぼ横ばいで推移しており、安定した生産基盤を保ち続けている村だといえるだろう。

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「Vinay」を拠点とするシャンパン銘柄

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