Oiry / オワリィ

オワリィは、グラン・クリュ17村の中で唯一、ほぼ平坦な畑しか持たないという異色の顔を持つコート・デ・ブランの村。1985年に最高格付けへ昇格し、栽培面積の99%超をシャルドネが占める。急斜面の名村たちとはひと味違う、この平地産シャルドネの表情を確かめたくなる。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51530
面積 : 10.76 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Avize, Chouilly, Plivot, Cramant, Flavigny, Aÿ-Champagne,

「Oiry」のぶどう畑

テロワールCôte des Blancs
格付け100% Grand Cru [?]
栽培面積88.3 ha
- Chardonnay87.8 ha (99.4%)
- Pinot Noir0 ha (0%)
- Pinot Meunier0.5 ha (0.6%)
- その他0 ha (0%)

特徴

シャルドネが栽培面積の99%超を占めるオワリィのシャンパンは、同じグラン・クリュでも隣村のアヴィーズクラマンとは異なる個性を持つ。急斜面産の鋭いミネラルと張り詰めた酸が前面に出る両村に対し、オワリィ産は輪郭がより穏やかで、白桃や洋梨を思わせる丸みのある果実感が特徴だ。ブラン・ド・ブランとしての品格は保ちながら、シャルドネ100%の難解さを感じさせない取っつきやすさがある。食前酒から貝料理・白身魚まで幅広く対応でき、コート・デ・ブランを初めて本格的に探求したい人にとって入口となりうる一本だ。

テロワール

オワリィの畑は、シュイィクラマンアヴィーズという三つのグラン・クリュ村が連なるコート・デ・ブランの東向き斜面から、さらに平坦側へと延びた位置に広がる。これら隣村が緩やかな東〜南東向きの傾斜で日照と排水を確保しているのに対し、オワリィの畑はD9道路の西側に集中し、斜面の恩恵をほとんど受けない平坦地が主体だ。 グラン・クリュ格付き畑としては異例なほど傾斜が緩く、標高は80〜100m前後で隣村の急斜面上部(150m超)より低い。土壌はコート・デ・ブランに共通する白亜紀後期の白亜層を基盤とするが、平坦地では表土のシルト・粘土質成分が厚く堆積しやすく、排水は緩やかで水分保持力はやや高い。 こうした平坦地の白亜という条件が、急斜面産シャルドネとは異なる穏やかな果実の表情を引き出す要因となっており、コート・デ・ブランの中でも独自の位置づけをオワリィに与えている。

詳細

オワリィはエペルネの東側、マルヌ川の南に位置するコート・デ・ブラングラン・クリュ村のひとつ。郵便番号51530、コミューン総面積1,076 haに対して葡萄畑は88.30 haと比較的小さく、村域の大部分は平坦な農地や工業用地が占める。

隣接するのは西にシュイィ(グラン・クリュ)、南西にクラマン(グラン・クリュ)、南にアヴィーズ(グラン・クリュ)で、北側のマルヌ対岸にはマルイユ=シュル=アイプルミエ・クリュ)がある。また周辺コミューンとしてはさらにプリヴォフラヴィニーアイ=シャンパーニュも近接する。D3とD9道路が交差するこの村には鉄道と大規模工業地帯も立地し、シャンパーニュ有数のガラスメーカーであるヴェラリア(シャンパンボトル製造)の工場も村内に構える。

テロワール

オワリィの畑はグラン・クリュ17村の中で最も傾斜が緩く、ほぼ平坦に近い地形が最大の特徴だ。シュイィ、クラマン、アヴィーズの東向き斜面の「外延部」に当たり、D9道路の西側に栽培面積のほぼ全域が集まる。土壌の基盤は白亜紀後期(ベロニアン期)の白亜層で、コート・デ・ブラン全域に共通するが、平坦地ゆえに表土のシルト・粘土質が厚く堆積し、斜面部に比べて排水がやや緩やかになる傾向がある。標高は80〜100m前後と隣村の急斜面上部(150m超)より低く、夏季の熱がより蓄積されやすい一方、霜害のリスクは斜面上部よりも抑えられる。ピノ・ムニエの栽培はわずか0.50 haにとどまり、実質的にシャルドネのみの単一品種産地として機能している。

主要生産者

モエ・エ・シャンドンは2012年秋、オワリィに大規模なプレス・醸造施設を開設した。タンク総容量10万 hl(1,300万本相当)に及ぶ高度自動化プラントで、モエの主本拠エペルネを補完するシャンパーニュ屈指の生産インフラだ。この施設の存在がオワリィを「醸造の村」として位置づける大きな要因となっている。

レ・ロッシュ・ブランシュNicolas GueusquinNM)は1994年設立のネゴシアン。2012年にモエ・エ・シャンドンの新施設に隣接する形でオワリィへ移転した。自社畑10 haに加え、コート・デ・バールから西部マルヌ渓谷まで広域に及ぶ契約畑280 haを持ち、年産550万本の大量生産体制を誇る。Louis Rozier、Nicolas Gueusquin、French Connection、Henri Favre、Veuve Durandなど複数ブランドを展開し、主にスーパーマーケット向け流通を担う。

マラール(Malard、NM)はアイ=シャンパーニュに本拠を置きながら、製造施設をオワリィに構えるネゴシアン。1996年創業で年産130万本。プレスティージュ・キュヴェ「Lady Style」(2012年発売)でも知られる。

歴史

オワリィは1985年、シュイィ、オジェ、ル・メニル=シュル=オジェヴェルジィとともにグラン・クリュへ昇格した。それ以前はプルミエ・クリュとして格付けされており、17のグラン・クリュ村の中では比較的新しい参入組だ。平坦な地形とグラン・クリュ格付けというミスマッチに見える組み合わせは、エシェル・デ・クリュ制度に基づく格付け見直しの歴史を体現している。現在も生産者数は23軒と17グラン・クリュ中で最少水準にとどまるが、モエ・エ・シャンドンをはじめとする大規模醸造施設が村内に集積し、シャンパーニュの生産インフラを陰から支える要衝として機能している。

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「Oiry」を拠点とするシャンパン銘柄

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