Noé-les-Mallets / ノエ=レ=マレ

ノエ=レ=マレは、シャンパーニュ全土でも最高水準の標高320〜350 mに畑を持ち、ポートランド紀石灰岩が白亜系の骨格を引き出すコート・デ・バールのオートル・クリュ。ピノ・ノワール主体の造りの中にピノ・ブラン100%というシャンパーニュ屈指の希少キュヴェまで生まれ、グラスを傾けるほどに深みが増す一本です。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Troyes
郵便番号 : 10360
面積 : 8.33 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Fontette, Saint-Usage, Loches-sur-Ource, Essoyes, Chacenay, Vitry-le-Croisé, Éguilly-sous-Bois,

「Noé-les-Mallets」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Barséquanais
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積192.1 ha
- Chardonnay19.1 ha (9.9%)
- Pinot Noir169.3 ha (88.1%)
- Pinot Meunier0.6 ha (0.3%)
- その他3.1 ha (1.6%)

特徴

約88%をピノ・ノワールが占め、バルセカネらしい果実の凝縮感がベースにある。しかし標高320〜350 mのポートランド紀石灰岩が加わると、コート・デ・バール南部特有のずっしりとした丸みよりも、むしろ線が細く酸が芯に通った緊張感のある仕上がりになりやすい。開けたては控えめに見えて、時間とともに石灰由来のミネラルが前面に出てくる——これがエソイエに代表される隣村のスタイルとの最大の違いだ。 ピノ・ブラン100%のブラン・ド・ブランというシャンパーニュ全域でも極めて珍しいスタイルも生まれる。自然派・低介入志向の生産者が多く、ブリュット・ナチュールや長期熟成(4〜8年)も珍しくない。クリームソースや旨みの強い魚料理を前に、ゆっくりと開いていくタイプを楽しみたい飲み手に向いている。

テロワール

ノエ=レ=マレは、コート・デ・バールのバルセカネ地区南端に位置し、複数の尾根(フィンガーリッジ)が扇状に広がってくぼ地状(cul-de-sac)の地形を形成するのが最大の特徴だ。この地形がシャンパーニュ全域でもとりわけ高い標高の畑を生み出しており、最上部の区画では320〜350 mに達する。隣接するシャスネやフォンテット、ロッシュ=シュル=ウルスと比べてもひときわ高い位置にあり、昼夜の寒暖差が大きく酸の保持に有利な環境が整う。 土壌はポートランド紀石灰岩(Portlandian limestone)が主体で、シャンパーニュ中心部に多い白亜(チョーク)とは異なる白亜系石灰岩の一種。透水性と一定の保水性を兼ね備え、「シャブリに匹敵する石灰岩質」と評されることもある。区画によってマール土壌の色が異なり(Champ Rayéの名称「縞模様の畑」はこれに由来する)、単一村内でも土壌構成の多様性がある。 主要な単一区画(リュー・ディ)は、村の北西に西〜南西向きの「Champ Rayé(シャン・ラヤ)」と東向きの「Chante Merle(シャント・メルル)」、北東に南向きの「Derrière le Bois de Réserve(デリエール・ル・ボワ・ド・レゼルヴ)」の3区画が知られる。斜面の向きが多方向に分散することで単一村内でも収穫時期・酸度・熟度にバリエーションが生まれ、この地形の複雑さがノエ=レ=マレのシャンパンに複数の表情をもたらしている。

詳細

ノエ=レ=マレは、オーブ県東南部のバルセカネ地区(Barséquanais)に属すコート・デ・バールのコミューン。ノエ川(Ru de Noé)沿いに開け、同川は隣接するロッシュ=シュル=ウルスでウルス川(Ource)に合流するため、ウルス川流域(Vallée de l'Ource)の一部とも位置づけられる。コミューン面積は833 ha、中心村落の標高は280 m、2023年時点の人口は104人という小規模な村で、住民の通称は「カコ(Caquots/Caquottes)」だ。北はヴィトリー=ル=クロワゼ、東はサン=ユザージュ、東南はフォンテット、南はエソイエ、南西はロッシュ=シュル=ウルス、西はシャスネ、北北西はエギイ=ス=ボワに隣接する。

テロワール

地形的な最大の特徴は、複数の尾根(フィンガーリッジ)が扇状に広がってくぼ地状(cul-de-sac)を形成する点にある。この地形がバルセカネ地区でも格別に高い位置の区画を生み出しており、最上部では標高320〜350 mに達する。シャンパーニュ全体でも最高水準の畑の一つとされ、昼夜の寒暖差が大きく酸度の保持に有利な環境だ。

土壌はポートランド紀石灰岩(Portlandian limestone)が主体で、シャンパーニュ中心部の白亜(チョーク)とは異なる白亜系石灰岩質。透水性が高く「シャブリに匹敵する石灰岩質」と評されるほど硬質のミネラル感を生む。区画によってマール土壌の色が異なり(Champ Rayéの名称は「縞模様の畑」の意)、単一村内でも土壌構成の多様性がある。代表的なリュー・ディは3区画——北西に西〜南西向きのChamp Rayé(シャン・ラヤ)と東向きのChante Merle(シャント・メルル)、北東に南向きのDerrière le Bois de Réserve(デリエール・ル・ボワ・ド・レゼルヴ)——が知られ、斜面の向きの多様性が収穫時期・酸度・熟度のバリエーションをもたらしている。

主要生産者

ヴーヴ・ドゥソー(Veuve Doussot)はノエ=レ=マレ拠点のネゴシアン・マニピュラン(NM)。ヴィンテージ・キュヴェ「Ernestine」(ピノ・ノワール70%+シャルドネ30%)や「Memory」(シャルドネ主体)、ブリュット・ナチュールの「L by VD」(ブラン・ド・ノワール)を手がけるほか、単一区画「Chante Merle」を冠したコトー・シャンプノワ(白・赤)のスティルワインも造る。ブランド「ジョリー・ド・トレビュイ」(Joly de Trébuis)も保有し、日本での取り扱いもある。

Salima & Alain Cordeuil(サリマ・エ・アラン・コルドイユ)は、ノエ=レ=マレ、フォンテット、ヴィル=シュル=アルスに計9 haを所有し、うち4 haが認証オーガニック。長期ルミュアージュ(5年以上)・無添加(ブリュット・ナチュール)を基本方針とし、標高320 mと350 mの区画を別立てにした単一区画・単一品種キュヴェ「Altitude」も造る。馬耕を行う徹底した低介入スタイルで自然派ファンの評価が高い。「コルドゥイユ」(Cordeuil Père & Fille)名義でも流通する。

  • プティ・カミュザ(Petit Camusat): セル=シュル=ウルスとエソイエの古木からピノ・ブラン100%のブラン・ド・ブランを1キュヴェのみ生産。ピノ・ブラン単品種キュヴェはシャンパーニュ全域でも極めて珍しいスタイルだ。
  • フォワシィ・ジョリー(Foissy-Joly): ノエ=レ=マレとエソイエに計7.5 haを所有。Cuvée Prestige(ヴィンテージ、PN60%+CH40%)、Coup de Coeur(NV)などを生産。
  • ルイーズ・ブリゾン(Louise Brison): 13 ha所有。シャルドネを全量樽醗酵で手がけ、レギュラー・ヴィンテージ(CH50%+PN50%)、ヴィンテージ・ブラン・ド・ブラン「Tendresse」などを生産。
  • ルーカス・マレー(Lucas Malley): ノエ=レ=マレを拠点とするグロワール。
  • ドロウリー・L.V(Drouilly L. V): 9 ha所有。ノン・ヴィンテージ表示ながら実質単一ヴィンテージが多く、品質評価が高い。

歴史

村名は旧称「Noë-les-Mallets」(ëはトレマ付き)で表記されていたが、コミューンが2009年7月7日に表記変更を申請し、2011年3月22日の政令(Décret n° 2011-311)によりアクサン・テギュ(é)への変更が正式に承認された。現在の「Noé-les-Mallets」という表記が確定したのはこの政令以降のことだ。

ブドウ畑面積は1997年の159 haから2013年時点の192 haへと拡大しており、コート・デ・バール地区全体の栽培面積増加の流れに沿っている。近年は自然派・低介入スタイルの生産者がこの村を拠点に活動を広げており、高標高のポートランド紀石灰岩テロワールへの注目が高まっている。

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「Noé-les-Mallets」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報