「ピノ・ブラン」とは

Pinot Blanc / ピノ・ブラン

シャンパーニュのピノ一族の中でも、最も穏やかで扱いやすいとされるのがピノ・ブランです。アルザス地方での白ワイン品種として知られるこの品種は、実はシャンパーニュの認定品種にも名を連ねています。現地では「ブラン・ヴレ(真の白)」という呼称でも知られています。 品種の由来としては、ピノ・グリの変異種とされており、したがってピノ・ノワールとも遺伝的に近い関係にあります。ピノ・ノワールより早く成熟し、ピノ・グリより安定して扱いやすいというのが農家にとっての利点です。芽吹きも早すぎず、収量も安定しており、病害への感受性は中程度です。 ワインのスタイルとしては、白い花(白バラ、リンゴの花)とりんごの香りが典型的で、酸は穏やかめです。ボディはしっかりしており、シャルドネのような緊張感のある酸より、むしろ丸みのある質感が特徴です。アルザスのピノ・ブランは、軽〜中程度のボディでさわやかに飲める親しみやすいスタイルが代表的で、北イタリア(アルト・アディジェ)でも「ピノット・ビアンコ」として優れたワインが造られています。 シャンパーニュにおいては、フィロキセラ以前にはかなり広く栽培されていましたが、現在は全体のごく一部に留まります。主にコート・デ・バールのオーブ県南部に点在します。ブレンドにおいては、爽やかさと丸みを同時にもたらすキャラクターを持ちますが、過剰に使うと酸が落ちすぎるリスクもあるため、少量加える形が一般的です。ドラピエの「カルト・オール」ではプティ・メリエ、アルバンヌ、シャルドネとともにピノ・ブランが四等分でブレンドされており、単品で評価するよりもアンサンブルの中でその役割を確認できます。希少品種ながら、シャンパーニュの遺伝的多様性を象徴するひとつの存在です。

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