「プティ・メリエ」とは

Petit Meslier / プティ・メリエ

シャンパーニュの認定品種の中で、アルバンヌと並ぶ「忘れられたブドウ」の一つがプティ・メリエです。「小さなメリエ」という名の通り、小さな粒が密集した小房をつける白ブドウで、その存在感はシャンパーニュの総栽培面積のわずか0.3%以下という微々たるものです。 品種の由来を辿ると、ゴエ・ブランとサヴァニャンを交配親に持つとされています。両親品種から引き継いだとおり、プティ・メリエの最大の特徴は非常に高い酸です。これはブレンドに加えると清涼感と張りをもたらす一方、熟しにくいという側面でもあります。収穫期の幅が非常に狭く、わずかなタイミングのずれが品質に大きく影響するため、生産者にとってロジスティクス面の難しさが伴う品種です。耐寒性はある程度ありますが、カビなどの病害に弱い面があります。 風味の特徴としては、柑橘類(グレープフルーツ、レモン)や青リンゴ、ルバーブのような青みがかった果実感が典型的です。さらにスモーキーなブーケ(香りの束)が特徴的で、チャンパーニュ公式サイトによれば「煙のような香り」が口中でも続くとされています。このスモーキーさはピノ・グリアンフュメ)に近い性質ですが、酸の高さはプティ・メリエ独自のものです。 シャンパーニュでの歴史はアルバンヌ同様古く、フィロキセラ以前は相当量が栽培されていましたが、20世紀には急速に衰退しました。現在、プティ・メリエを使う生産者として知られるのはドラピエで、「カルト・オール」というキュヴェでアルバンヌ、ピノ・ブラン、シャルドネとともに4品種をブレンドしたブラン・ド・ブランをリリースしています。複雑さの中に精緻なミネラル感が宿るスタイルとして評価が高い一本です。また、ラエルト・フレールもプティ・メリエを含む希少品種のキュヴェを手がけており、品種の多様性を現代的な文脈で表現しています。 地球温暖化に伴い、シャンパーニュの夏が温かくなるにつれて、高い酸を維持できるプティ・メリエへの関心は少しずつ高まっています。希少で栽培の難しい品種ではありますが、これからのシャンパーニュの未来を考えるうえで、小さな可能性を秘めた存在です。

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