Loches-sur-Ource / ロッシュ=シュル=ウルス

ロッシュ=シュル=ウルスは、コート・デ・バール屈指の規模を誇るピノ・ノワールの里。331haの畑の約85%を占める黒ブドウが、チェリーや木いちごを思わせる赤い果実味と細やかな粒感を育み、キンメリッジ期の粘土石灰岩が支える、しっかりとした骨格のシャンパンを生み出します。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Troyes
郵便番号 : 10110
面積 : 13.71 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Gyé-sur-Seine, Noé-les-Mallets, Essoyes, Landreville, Chacenay, Viviers-sur-Artaut,

「Loches-sur-Ource」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Barséquanais
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積331 ha
- Chardonnay40.8 ha (12.3%)
- Pinot Noir280 ha (84.6%)
- Pinot Meunier6.6 ha (2%)
- その他3.6 ha (1.1%)

特徴

畑の約85%を占めるピノ・ノワールが主役。キンメリッジ泥灰岩で育つ果実は、チェリーやフランボワーズ、野いちごを思わせる赤い果実味に、きめ細かな粒感とほのかな塩気のフィニッシュが重なります。ブラン・ド・ノワールは土の香りを纏いながらも果実味がくっきりと立ち、約12%のシャルドネが柑橘のテンションを添えて全体を引き締めます。リシャルドの「エリタージュ」のように、ヴィンテージならではの厚みを楽しめる一本も。豚肉のグリルやジビエ料理と合わせたい、しっかりと骨格のある赤い果実の一杯です。

テロワール

ロッシュ=シュル=ウルスは、バルセカネ地区を流れるウルス川の右岸(北側)に畑が広がる村で、標高はおよそ300m前後。コート・デ・バール特有のキュエスタ地形により、コテーは南から南東向きの斜面を形成し、北側に位置するシャスネノエ=レ=マレと並んでピノ・ノワールが十分な日照と熟度を得やすい立地にあります。土壌はジュラ紀キンメリッジ期の粘土石灰岩質で、泥灰岩と石灰岩が層状に重なる構造が特徴。粘土層が水分を抱え込み、石灰岩層が余分な水を排出することで、夏の渇水期でも樹がストレスなく根を張れる環境が整います。半大陸性気候の影響で北部のランス・エペルネ地区より夏の気温が上がりやすく、果実の完熟と酸のバランスが両立しやすいのも特徴です。この保水と排水のせめぎ合いが、ピノ・ノワールに凝縮感としなやかな酸を同時に与えています。

詳細

ロッシュ=シュル=ウルスは、コート・デ・バールのバルセカネ地区に位置する村で、ウルス川沿いの右岸(北東側)に集落と畑が広がります。コミューン全体の面積は1371ha、標高182m、人口は約350人(2023年)という小さな村ながら、周辺をジェ=シュル=セーヌノエ=レ=マレエソイエランドゥルヴィルシャスネビビエ=シュル=アルトーといったシャンパーニュ村に囲まれ、いずれの村ともキンメリッジ期の粘土石灰岩質土壌を共有する、バルセカネを代表する一角となっています。格付けはオートル・クリュエシェル・デ・クリュ80%)で、グラン・クリュプルミエ・クリュには含まれないものの、331haという栽培面積はコート・デ・バールの中でも大規模な部類に入り、地区を支える主要な畑のひとつです。

テロワールの詳細

畑はウルス川右岸の丘陵と小さな谷に分散して広がり、川の南側にも一部区画が点在します。コート・デ・バール特有のキュエスタ地形により、コテーは南から南東向きの斜面を中心に形成され、標高はおよそ300m前後。北側の村々と同様、十分な日照を確保しやすい立地です。土壌はバルセカネ全域に共通するジュラ紀キンメリッジ期の粘土石灰岩質で、泥灰岩と石灰岩が層状に重なり合う構造を持ちます。粘土層が水分を保持し、石灰岩層が過剰な水分を排出することで、根は深くまで伸び、夏場の乾燥にも揺らがない安定した生育環境が生まれます。村内の単一畑「ル・リュプ」は右岸に位置する区画として知られています。気候面では半大陸性気候の影響を受け、北部のモンターニュ・ド・ランスやエペルネ周辺と比べて夏の気温が上がりやすく、ピノ・ノワールが完熟しやすい一方、シャンパーニュらしい酸も保たれるのが特徴です。こうした保水と排水のせめぎ合いと温暖な気候が組み合わさることで、果実の凝縮感と酸のバランスに優れたブドウが育ちます。

主要生産者

リシャルドは、村内に12haの畑(ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%)を所有するレコルタン・マニピュラン(RM)で、ヴィニュロン・アンデパンダンにも加盟しています。代表キュヴェ「エリタージュ」はシャルドネ60%とピノ・ノワール40%をブレンドしたヴィンテージで、もうひとつの看板「JJJ」はヴァル・セヴリエとル・パオンの区画由来のシャルドネとピノ・ノワールを50%ずつ用いた一本です。村の粘土石灰岩質を映した、ヴィンテージならではの厚みのあるスタイルが持ち味です。

ドテール・カドも同じくRMで、ロッシュ=シュル=ウルスに加え、ノエ=レ=マレやシャスネにも畑を持つことで知られています。100%シャルドネのヴィンテージ「キュヴェ・カルト・ブランシュ」、100%ピノ・ブランの「キュヴェ・エレガンス」など、ピノ・ノワール優勢の村にあって白ブドウ主体のキュヴェを手掛ける点が個性となっています。

  • ボアンソ・フレール:RC(協同組合系)の生産者で、ヴィンテージ・シャンパーニュも手掛けています。

歴史

ロッシュ=シュル=ウルスは11世紀に起源を持つ古い集落で、ウルス川にはローマ時代に架けられたとされる橋が今も残ります。コート・デ・バール全体は中世にシトー修道会の影響を受けてワイン栽培の伝統を育みましたが、20世紀初頭にはフィロキセラ禍や経済危機により、ブドウ畑の面積が最盛期の4分の1ほどまで縮小した時期もありました。1927年にシャンパーニュ産地として正式に認定された後、村の栽培面積は1997年時点の268haから2013年には329haまで回復し、現在は331haに達しています。グラン・クリュやプルミエ・クリュを持たないオートル・クリュでありながら、こうした歴史を経て今なお拡大を続ける、バルセカネの底力を体現する村と言えるでしょう。

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「Loches-sur-Ource」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報