Richardot / リシャルドは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Loches-sur-Ourceを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Richardot / リシャルド

Richardot

リシャルド

リシャルド(Richardot)は、シャンパーニュ最南端のコート・デ・バールで、栽培から圧搾、醸造までを一貫して家族で手がけるレコルタン・マニピュランのメゾンだ。自社圧搾設備を早くから備え、収穫から瓶詰めまで畑と醸造所を一体で見渡す姿勢が持ち味となっている。

基本情報

地区Côte des Bar / コート・デ・バール
- Barséquanais / バルセカネ
10110 Loches-sur-Ource / ロッシュ=シュル=ウルス
所在地Rue René Quinton, 10110 Loches-sur-Ource (Google Maps)
公式サイトhttps://champagne-richardot.com/
SNS@champagne.richardot
Tel+33 (0)3 25 29 71 20, +33 (0)3 25 29 13 76(fax)
製造業者種別RM

商品更新情報

特徴・スタイル

リシャルドのシャンパーニュは、圧搾から醸造までを自社で管理する一貫生産ならではの透明感が持ち味だ。プレス初留のピュアな果汁だけを使う上級キュヴェもあり、雑味のない澄んだ味わいに仕上がる。 看板のトラディションは柑橘や白い花を思わせる軽やかな香りが広がり、日常の食卓に自然と馴染む一本。優良年のみ生まれるキュヴェ・エリタージュは、ベルガモットや塩バター、ヘーゼルナッツを思わせる複雑なアロマをまとい、じっくり熟成を重ねた奥行きを見せる。同じ畑から生まれながらまったく違う表情を楽しめるところに、このメゾンの面白さがある。

歴史・ブランドストーリー

物語は1946年、ジャン・リシャルドが隣村エソイエで栽培を始め、近隣の生産者向けに圧搾作業を請け負ったことに始まる。跡を継いだ甥のジャッキーは元鍛冶職人という異色の経歴を持ち、圧搾事業を拡大させ、手狭になった拠点を1980年代半ばにロッシュ=シュル=ウルスへ移して規模を広げた。 転機は1988年、ジャッキーの息子ジャン=ポールが18歳で家業に加わり、自社元詰めの第一号ボトルを世に送り出したことだ。1993年には妻イザベルが、1996年には妹セシルが商業・事務の担い手として加わり、経営の基盤を固めていった。 2016年には自転車選手だった息子ウジェーヌが栽培・醸造に参加し、2024年にはセシルの息子オーギュスタンと娘エマも加わった。4世代にわたって積み重ねられてきた歴史は今、5代目へと受け継がれつつある。

詳細

正式名称はシャンパーニュ・リシャルド・ペール・エ・フィス。レコルタン・マニピュラン(RM)としてヴィニュロン・アンデパンダンにも加盟し、生産者としての独立性を大切にしている。リシャルドの拠点はロッシュ=シュル=ウルスにあるが、12haにおよぶ自社畑の中心は、セラーから半径6km圏内に広がる隣村エソイエ周辺に位置する。オーブ県のコート・デ・バールという、シャンパーニュ地方でもっとも南に位置するエリアで、栽培から圧搾、醸造までを一貫して自社で手がけているのが特徴だ。栽培面積の大半を占めるのはピノ・ノワールで、残りはシャルドネ。近年は少量のピノ・ブランも新たに植え始められ、畑の構成に少しずつ厚みが加わっている。畑が拠点の近くにまとまっていることは、日々の観察や機動的な管理のしやすさにもつながっている。

栽培方針の軸はリュット・レゾネ(減農薬・総合防除)で、農薬の使用を必要最小限に抑えながら、除葉やパリサージュといった手作業を丁寧に積み重ね、収量を管理している。収穫はすべて手摘みで行われ、房の熟し具合を見極めながら、区画ごとに刈り取りのタイミングを調整している。こうした丁寧な管理の積み重ねが、果実の完熟度と健全性を支えている。

栽培・醸造データ
項目データ
自社畑面積12ha
主要品種比率ピノ・ノワール85%・シャルドネ他15%
HVE認証2016年取得(レベル3)
瓶内熟成期間最低24ヶ月
デゴルジュマン後熟成最低12週間

醸造方針

リシャルドは早い時期から自社の圧搾センターを備え、栽培から搾汁、醸造までを一貫して自社管理する体制を築いてきた。圧搾拠点としての歴史は、創業世代が近隣の生産者向けに搾汁作業を請け負っていた頃までさかのぼる。プレスの一番搾りにあたるジュス・ド・キュヴェ(雑味の少ない最初の搾汁)のみを使う上級キュヴェもあり、ピュアな果汁を出発点としている。発酵はステンレスタンクで温度管理をしながら行い、アルコール発酵とマロラクティック発酵の両方を経る。複数年のヴァン・ド・レゼルヴをブレンドすることで、年によるばらつきを抑えたスタイルを保っているのも特徴だ。瓶詰め後は最低24ヶ月にわたる澱熟成を経て、デゴルジュマン後もさらに最低12週間休ませてから出荷される。手間と時間を惜しまない工程が、このメゾンのシャンパーニュに落ち着いた飲み口を与えている。

環境への配慮と家族の哲学

リシャルドの経営を支えているのは、環境への配慮を軸にした哲学だ。栽培・醸造の中心にいるジャン=ポール・リシャルドは、水資源管理や景観保全にも通じる立場から畑と向き合い、『私たちは大地を先祖から受け継いだのではなく、子どもたちから借りているのだ』というサン=テグジュペリの言葉を経営の指針として掲げている。この姿勢は、環境価値の高い農業を認証する制度であるHVEの2016年取得(レベル3)にも表れており、環境負荷を抑えた栽培への取り組みは今も続けられている。

商業・事務をイザベルとセシルが、栽培・醸造をウジェーヌとオーギュスタンが、広報をエマが担うというように、家族それぞれが持ち場を分け合いながら、次の世代へと着実にメゾンの精神を引き継ごうとする姿勢が、このメゾンの持続力を支えている。

新しい挑戦とオエノツーリズム

栽培・醸造を担うウジェーヌとオーギュスタンは、区画ごとに個別にヴィニフィカシオンを行う試みや、新しい品種の試験栽培にも積極的に取り組んでいる。自転車競技の選手だった経験を持つウジェーヌは、その背景を生かした自転車を切り口とするオエノツーリズムも展開しており、畑を巡りながらメゾンの世界観を体感できる機会を提供している。こうした新しい挑戦は、伝統を受け継ぎながらも変化を恐れない、次世代ならではの姿勢を映し出している。ブルゴーニュでの研鑽を経て加わったオーギュスタンの視点も、新しい試みに厚みを加えている。

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