Landreville / ランドゥルヴィル

ランドゥルヴィルは、コート・デ・バール南部のバルセカネ地区でも屈指の栽培規模を誇る村。オートル・クリュながら283haという広大な畑の約82%をピノ・ノワールが占め、骨格のしっかりしたブラン・ド・ノワールの産地として知られる。有機農法で個性的なキュヴェを手がけるシャルル・デュフールの存在が、近年この村への注目を一気に高めている。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Troyes
郵便番号 : 10110
面積 : 14.20 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Gyé-sur-Seine, Neuville-sur-Seine, Celles-sur-Ource, Loches-sur-Ource, Viviers-sur-Artaut, Ville-sur-Arce,

「Landreville」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Barséquanais
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積283 ha
- Chardonnay39.3 ha (13.9%)
- Pinot Noir230.1 ha (81.3%)
- Pinot Meunier8.4 ha (3%)
- その他5.2 ha (1.8%)

特徴

ランドゥルヴィルのシャンパンは、ピノ・ノワール主体ゆえの引き締まった果実感が特徴。赤系果実のアロマに石灰由来のミネラルが絡み、余韻に心地よい塩気を感じさせる。いわゆる「南の丸さ」とは一線を画した、硬質でクリアな仕上がりが多い。 シャルル・デュフールの「ビュル・ド・コントワール」はピノ・ノワール約55%にシャルドネとピノ・ブランを加えたブレンドで、品種の多様性が複雑さに変換された好例。ルネ・ジョリーは単一畑ごとの個性を前面に出したRM。こうした作り手の仕事は、食中酒としてのシャンパンの可能性を広げており、豚の冷製料理やシャルキュトリーのような脂を伴う料理と合わせると、ミネラルの切れが際立つ。

テロワール

ランドゥルヴィルはウルス川の右岸(北岸)を中心に畑が広がり、一部は左岸にも及ぶ。標高は約175mで、ウルス川が刻んだ谷間の斜面に283haものブドウ畑が連なる。バルセカネ地区はコート・デ・バールの中でも最もブドウ栽培が集中するエリアであり、ランドゥルヴィルはその中核的な村のひとつだ。 この一帯の地質はブルゴーニュと連続するジュラ紀の石灰岩(キンメリジャン)を基盤とし、表土はやや粘土質を帯びた石灰質土壌。隣接するロッシュ=シュル=ウルスセル=シュル=ウルスと同様の地層構成だが、ランドゥルヴィルでは川沿いの低地から緩斜面にかけて畑が段状に広がるため、区画ごとに水はけや日照条件に差が生じやすい。シャルル・デュフールが管理する「ラ・コロワ」「ラ・シュヴェトレ」などの単一畑は、それぞれ南向き緩斜面に位置し、果実の成熟と酸のバランスを取りやすい立地にある。 この石灰岩質の土壌がピノ・ノワールに与えるのは、過剰な果実の膨らみを抑えつつ、ミネラル感と輪郭のはっきりした骨格。ブラン・ド・ノワールとして仕立てたとき、その凜とした骨格が際立って現れる。

詳細

ランドゥルヴィルは、フランス北東部オーブ県、コート・デ・バールの中でもウルス川沿いに広がるバルセカネ地区に属するコミューンである。トロワ郡バール=シュル=セーヌ小郡に行政上位置し、コミューン面積は約14.2 km²(1,420 ha)、人口は約395人(2023年)と小規模な農村だ。ウルス川の右岸(北岸)に畑の大部分が集まるが、南岸にも2区画が存在し、南隣のジェ=シュル=セーヌのブドウ畑と連続している。北東にビビエ=シュル=アルトー、東にロッシュ=シュル=ウルス、南西にヌービル=シュル=セーヌ、西にセル=シュル=ウルス、北西にヴィル=シュル=アルスが隣接し、バルセカネ地区の中央部を担う位置関係にある。

総栽培面積は283 haと、バルセカネ地区の中でも大きな村のひとつ。エシェル・デ・クリュは白・黒ともに80%でオートル・クリュに分類される。ピノ・ノワールが230 ha(約81%)を占め、シャルドネが39 ha(約14%)、ピノ・ムニエが8 ha(約3%)、ピノ・ブランなどを含むその他が5 ha(約2%)という構成。ピノ・ノワールへの偏重はバルセカネ地区に共通する傾向だが、ランドゥルヴィルはシャルドネの比率がやや高く、プレステージ的なキュヴェやブラン・ド・ブランも生み出している。登録生産者数は73軒に上る。

畑の地質はジュラ紀後期(キンメリジャン)の石灰岩を基盤とし、ブルゴーニュの土壌と同系統。ウルス川の谷間から緩斜面にかけて畑が展開するため、区画ごとの標高差や日照・排水条件の違いが、単一畑キュヴェに個性を与えている。シャルル・デュフールが手がける区画として特に知られるのは以下の通りだ。

  • ラ・コロワ(La Corroy)― コミューン南東部、ロッシュ=シュル=ウルスとの境界近く。シャルドネ約0.36 haとピノ・ノワール約0.89 haを持つ。
  • ラ・シャシーニュ(La Chachigne)― コミューン北部、ヴィル=シュル=アルスとの境界近く。シャルドネとピノ・ブランを植栽。
  • ラ・シュヴェトレ(La Chevêtrée)― コミューン北西部、南向き緩斜面。シャルドネ約0.83 ha。
  • ル・オー・ド・ギニェル(Le Haut de Guignelle)― コミューン北西部、南向き緩斜面。ピノ・ノワール約1.24 ha。

ランドゥルヴィルで最も注目を集める生産者は、シャルル・デュフールRM)だ。約6 haを有機農法で管理し、会社登記名はRobert Dufour & Fils。主力キュヴェ「ビュル・ド・コントワール(Bulles de Comptoir)」はピノ・ノワール約55%、シャルドネ約35%、ピノ・ブラン約10%のブレンドで、番号付きで毎年異なるリリースを行う。ブラン・ド・ブラン(Bb)、ブラン・ド・ノワール(Bn)、ウイユ・ド・ペルドリ(Œ)、ロゼ(Rs)とラベル表記でスタイルを明示する手法も独自性のひとつ。コトー・シャンプノワ(スティルワイン)まで多品種展開し、シャンパーニュの枠を超えた実験的な姿勢が次世代の生産者から支持されている。

ルネ・ジョリー(RM)は13.55 haを管理し、ピノ・ノワール10.4 ha、シャルドネ3.15 haという構成。En Haute Charme、La Guignelle、Le Suchot、Le Val de Vaux、Le Joncheretといった複数の単一畑を持ち、上位キュヴェ「RJ」を白・ロゼで展開する。ウルス川左岸のラ・オート・シャルム(La Haute Charme)を含む区画選択にも、テロワールへのこだわりが見える。

その他の主要生産者

村の歴史はシャンパーニュのブドウ栽培史と密接に重なる。バルセカネ地区は中世からワイン産地として知られ、ウルス川沿いの修道院や貴族の所領がブドウ栽培を支えてきた。近代以降、コート・デ・バールはエシェル・デ・クリュ制度において長らく低く評価され、大手メゾンへのブドウ供給地として機能していた時代が続いた。しかし近年はグロワー・シャンパーニュへの国際的な関心の高まりとともに、バルセカネ独自のテロワールが再評価されており、ランドゥルヴィルもその恩恵を受けている。シャルル・デュフールのような革新的な作り手が村の名を世界市場に知らしめたことで、これまで大量生産のイメージが強かったこの地域のシャンパーニュに対する見方が変わりつつある。

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「Landreville」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報