Neuville-sur-Seine / ヌービル=シュル=セーヌ

ヌービル=シュル=セーヌは、コート・デ・バール南部でブルゴーニュのシャブリと同じキメリッジ紀の土壌を持つ、318haの畑を抱える大型コミューン。格付けはAutre Cruながら95軒もの生産者が集まり、ピノ・ノワールが栽培面積の約84%を占める。近年は無農薬・低介入アプローチを掲げる自然派グロワーが台頭し、テロワール表現への注目が急速に高まっている。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Troyes
郵便番号 : 10250
面積 : 14.42 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Les Riceys, Gyé-sur-Seine, Balnot-sur-Laignes, Buxeuil, Celles-sur-Ource, Landreville,

「Neuville-sur-Seine」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Barséquanais
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積318 ha
- Chardonnay41.6 ha (13.1%)
- Pinot Noir267.2 ha (84%)
- Pinot Meunier3.8 ha (1.2%)
- その他5.4 ha (1.7%)

特徴

ヌービル=シュル=セーヌのシャンパンは、ピノ・ノワールが主役のブラン・ド・ノワールやピノ主体ブレンドが中心。キメリッジ紀の石灰質土壌が生む引き締まった酸と、オーブの大陸性気候が熟した黒系果実を凝縮させ、チェリーやプラムのような果実感に塩味のある余韻が続くスタイルが典型的だ。 深い粘土質土壌の区画からは、より肉感的でボリューム感のある仕上がりになり、オーク熟成を経たキュヴェも少なくない。フィリップ・プリエのCuvée Cœur d'Ebèneやポール・エラルドの100%ピノ・ノワールキュヴェがその好例。一方、ドメーヌ・ド・ビシュリーのような自然派生産者が作るノン・ドゼのキュヴェは、マルヌ地区にはない土着的なテロワール表現を求める飲み手に刺さる一本だ。

テロワール

ヌービル=シュル=セーヌは、オーブ県南部のバルセカネ地区に位置し、セーヌ川本流とその支流(アルス、ライーニュ、ウルス、サルス)が刻んだ複雑な谷地形の中に畑が点在する。標高はシャンパーニュ地方でも高い部類に入り、300mを超える区画を含む。斜面は急峻で一部40度を超えるほどで、マルヌ地区の緩やかな丘陵とは地形的性格がまったく異なる。 この急峻な地形が生み出す様々な向きの斜面と谷風が、村内に複数のマイクロクライメートを形成している。気候はケッペン分類Cfbに属しながら大陸性の影響が顕著で、隣接するブルゴーニュのシャブリと近似した条件を持つ。冬の寒さは厳しく(最低-15°C記録)、夏は高温になることもある(2019年7月に40.6°C記録)。この寒暖差と霧の多い秋冬が、有機・ビオディナミ農法の実践と親和性が高い理由でもある。 土壌はジュラ紀キメリッジ期の石灰質マールと石灰岩が主体で、シャブリのプルミエ・クリュ帯に連続する地質を持つ。北向きの区画には深い粘土質土壌が見られ、これがコミューン内でのスタイルの多様性を生んでいる。粘土の保水力と石灰岩の排水性が組み合わさることで、ピノ・ノワールに豊かな果実と骨格の両立をもたらしている。

詳細

ヌービル=シュル=セーヌは、オーブ県南部のセーヌ川沿いに位置するバルセカネ地区最大級のコミューン(総面積1442ha)。北はビュクセイユ、北東はセル=シュル=ウルス、ランドゥルヴィル、東〜南はジェ=シュル=セーヌ、南西はレ・リセ、西はバルノ=シュル=レーニュと接し、コート・デ・バール南部の主要コミューンのほぼすべてと境界を接する地理的要衝だ。ブドウ畑はコミューン内に分散しており、最大区画はコミューン北東部のセーヌ右岸でジェ=シュル=セーヌの畑と連続し、南西部はレ・リセの畑と連なる。

バルセカネ地区に属するヌービル=シュル=セーヌのテロワールは、ジュラ紀キメリッジ期の石灰質マール(白亜質泥灰岩)と石灰岩が主体。この地質はブルゴーニュのシャブリ地区と連続するもので、シャンパーニュ北部のコート・デ・ブランの白亜(クレタ期)とは成因・性質が異なる。地形は丘陵が際立って急峻で、300mを超える標高区画と40度を超える急斜面を含む。セーヌ川と支流が形成した複雑な谷が村内に多様なマイクロクライメートを生み出し、斜面の向き・標高・土層の厚みによって各区画の個性が大きく異なる。

村最大の組織的生産者は協同組合「Coopérative Vinicole de Neuville-sur-Seine et de Buxeuil」で、ブランド名はクレランボー。組合員112名・合計170haを束ね、1951年設立当初の33名44haから大きく成長した。Carte Or(CH50%/PN50%)、Blanc de Blancs、Grand Epoque(CH40%/PN40%/PM20%)、Extra Brut(CH70%/PN30%)の4ラインナップを展開し、リザーブワインを多用したExtra Brutはコート・デ・バール産シャンパンの価格対質比の高さを示すエントリーポイントとなっている。

個性派グロワーとして近年最も注目を集めるのがドメーヌ・ド・ビシュリー(Raphaël et Hannah Piconnet夫妻)。完全無農薬・低介入アプローチを徹底し、2025年のClub Oenologiqueグロワー・シャンパーニュ・レポートでLa Source NVが高評価を獲得。コート・デ・バールにおける自然派ムーブメントの象徴的存在となっている。

  • バウドリー(RM)— Terra Vitis認証取得の20ha農家。ピノ・ノワール80%の畑構成で年産7万本、ヴィンテージシャンパン(CH50%/PN50%)も手がける。
  • ポール・エラルド(NM)— 8ha所有。100%ピノ・ノワールのキュヴェを複数ラインナップし、ブラン・ド・ノワールの専門性を前面に打ち出す。
  • フィリップ・プリエ(NM)— Fabienne Priéが1990年代後半に継承。Cuvée Archange、Cuvée Mystère(PN60%/CH40%)、オーク熟成のCuvée Cœur d'Ebène(PN50%/CH50%)、ヴィンテージ物、さらにCH60%/PN40%のプレスティージュキュヴェOro(2008年)まで、幅広いスタイルを網羅する。
  • クレトル・エ・フィス(RM)— 5.5ha(PN80%/CH20%)。ジェ=シュル=セーヌにも拠点を持つ。
  • セドリック・グトルブ(RC)、ドージュ・エ・フィス、デリーヌ・マノリー(RC)も村内の小規模生産者として存在感を持つ。

ヌービル=シュル=セーヌにおけるブドウ栽培の記録は12〜13世紀に遡る。セル=シュル=ウルス村内に位置するモール修道院のシトー会修道士たちが「コート・デ・グラヴィリエ」で栽培を行っていたことが文書で確認されており、この地域の葡萄農耕の歴史的深みを示している。19世紀後半のフィロキセラ禍はオーブ県でも深刻で、全盛期633ha(1865年)の畑面積は1906年には150haにまで激減し、第一次大戦後の1919年には117haまで落ち込んだ。1997年に232ha、2013年に315haまで回復し、現在の318haに至る約150年間の歴史は、コート・デ・バール全体の盛衰とほぼ重なる。コート・デ・バールがシャンパーニュAOCとして公式認定されたのは1927年のことで、それ以前から大手メゾンへの原料ブドウ供給地として機能していた。村には17mの柱上に立つ高さ5mの聖母像「ノートル・ダム・デ・ヴィーニュ」(1864年建立)が今もブドウ畑を見守り、2024年に建立160周年を祝う式典が開催された。

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「Neuville-sur-Seine」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報