Mailly-Champagne / マイィ=シャンパーニュ

マイィ=シャンパーニュは、グラン・クリュの中でもピノ・ノワール比率87%超という突出した個性を持つ村。モンターニュ・ド・ランス北側の斜面に広がる畑は日照が抑えられ、凝縮感と締まった骨格を持つピノ・ノワールを育む。村の栽培面積の約3割を管理する協同組合マイィ・グラン・クリュが、グラン・クリュの名に恥じない一本を生み続けている。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51500
面積 : 10.06 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Puisieulx, Sillery, Ludes, Verzenay, Val de Livre,

「Mailly-Champagne」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Grande Montagne de Reims
格付け100% Grand Cru [?]
栽培面積284.5 ha
- Chardonnay27.8 ha (9.8%)
- Pinot Noir248.8 ha (87.5%)
- Pinot Meunier7.3 ha (2.6%)
- その他0.6 ha (0.2%)

特徴

マイィ=シャンパーニュのシャンパンは、ピノ・ノワール主体(87%超)から生まれる赤い果実の凝縮感と、北向き斜面がもたらすキリッとした酸の緊張感が特徴だ。南向き産地のふくよかなスタイルとは対照的に、骨格がしっかりとしていて余韻が長く、飲み込んだあとにチョーク由来のミネラルが静かに続く。 村の顔である協同組合マイィ・グラン・クリュのプレスティージュ・キュヴェ「レ・ゼシャンソン」は、この骨格美を最もよく体現する一本として知られる。重厚感はあるが硬直せず、食事と合わせるほどに開いてくるタイプ。熟成した鶏料理や仔牛のローストのような旨みのある料理と向き合わせると、その真価がはっきり見えてくる。

テロワール

マイィ=シャンパーニュの畑は、モンターニュ・ド・ランス丘陵北側の中腹に展開する。斜面の向きは主に北向きで、南向き斜面が多いアイアンボネイといった村と比べると日照量は控えめだ。この光量の制限が、ブドウにゆっくりとした熟成をもたらし、糖分より先に酸とミネラルが蓄積される環境を作り出している。 土壌の基盤はシャンパーニュ特有の白亜(チョーク)層で、村の上部には地層を間近に観察できる教育用採石場(carrière pédagogique)が整備されているほど、その地質的特徴が際立っている。チョーク質土壌は排水性に優れながらも適度な水分を保持し、夏の乾燥期にも安定したブドウ生育を支える。 東隣のヴェルズネイと同じ斜面系に連なり、テロワールとしての共通性が高い一方、マイィはピノ・ノワールの植付け比率がさらに高く、北向き斜面特有の引き締まった酸が品種の個性をより鮮明に引き出す。この冷涼な斜面環境こそが、マイィ産ピノ・ノワールに他村にはない凝縮感と長期熟成ポテンシャルを与えている。

詳細

マイィ=シャンパーニュは、グランド・モンターニュ・ド・ランスの北側斜面に位置するグラン・クリュ村のひとつ。東には同じグラン・クリュのヴェルズネイ、北北東にもシルリィ(グラン・クリュ)、北にはピュイジュー(グラン・クリュ)と、グラン・クリュ村に三方を囲まれた立地にある。西隣のリュードはプルミエ・クリュで、この村との境界がグランド・モンターニュのグラン・クリュ帯の西端を画している。コミューン面積は1,006 ha、郵便番号は51500。1899年に正式村名へ「-Champagne」を追記した歴史を持ち、現地では「Mailly」と省略されることが多い。

畑の大部分は北向きの斜面に展開し、白亜(チョーク)質の土壌が基盤をなす。村の上部には教育用採石場(carrière pédagogique)が設けられており、シャンパーニュのチョーク地層を実際に観察できる希少な場所として知られる。北向き斜面は日照量を制限する一方、ゆっくりとした成熟を促し、酸とミネラルをしっかり蓄えたピノ・ノワールを生み出す。総栽培面積284.50 haのうち、ピノ・ノワールが248.80 ha(87.4%)を占め、シャルドネは27.80 ha(9.8%)、ピノ・ムニエは7.30 ha(2.6%)にとどまる。この品種構成は、モンターニュ・ド・ランス北面のグラン・クリュ群の中でも特にピノ・ノワールへの傾斜が際立っている。

村のシャンパン造りの中心を担うのが協同組合のマイィ・グラン・クリュだ。組合員80人が村内に計約70 haの畑(ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%)を管理し、年産約50万本を誇る。これは村の総栽培面積の約28%に相当し、ランス地区を代表する高品質コープとして業界内での評価も高い。フラッグシップのプレスティージュ・キュヴェ「レ・ゼシャンソン(Les Échansons)」は、ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%の比率で造られ、このコープの実力を端的に示す一本として世界市場でも認知されている。

エルネスト・レミーはマイィを含む複数のグラン・クリュ村に15 haの畑を持つレコルタン・マニピュラン(RM)。ヴェルズネイ、ヴェルジィにも畑を展開し、テロワールの違いを生かしたキュヴェ構成が特徴だ。

その他の主要生産者

  • リュシアン・ロゲ(RM)— マイィ村内に約7 ha、年産4.5〜5万本。
  • ジャン・ピエール・スコンデ(RM)— ヴィンテージ(シャルドネ50%、ピノ・ノワール50%)などを手がけ、コトー・シャンプノワのマイィ・ルージュも生産するユニークな造り手。

グラン・メゾンではモエ・エ・シャンドンマムペリエ・ジュエテタンジェがマイィに畑を所有し、それぞれのキュヴェにマイィのピノ・ノワールをブレンドしている。

1899年の「-Champagne」追記は、産地としての誇りと品質への自信を対外的に示すための意思表示であった。教育用採石場の存在も含め、マイィは自村のテロワールを積極的に可視化・発信してきた村でもある。168の生産者が登録される村にあって、コープと個人生産者が共存しながらグラン・クリュの名を守り続けるこの姿勢が、マイィ=シャンパーニュを単なるピノ・ノワール産地にとどまらない、ひとつの「哲学を持つ産地」として際立たせている。

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「Mailly-Champagne」を拠点とするシャンパン銘柄

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