Puisieulx / ピュイジュー

ピュイジューは、グランド・モンターニュ・ド・ランスの斜面下に広がる小さなグラン・クリュ村。わずか18.8haというモンターニュ・ド・ランス最小規模ながら、ピノ・ノワールを主軸にシャルドネも3割を占め、名門ルイナールが最高峰キュヴェの原料として買い付ける実力村だ。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51500
面積 : 9.07 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Reims, Saint-Léonard, Taissy, Cernay-lès-Reims, Prunay, Sillery, Nogent-l'Abbesse, Ludes, Mailly-Champagne,

「Puisieulx」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Grande Montagne de Reims
格付け100% Grand Cru [?]
栽培面積18.8 ha
- Chardonnay6.2 ha (33%)
- Pinot Noir9.9 ha (52.7%)
- Pinot Meunier2.7 ha (14.4%)
- その他0 ha (0%)

特徴

ピュイジューはピノ・ノワールが過半数を占めるグラン・クリュだが、グラン・クリュとしてはめずらしくピノ・ムニエが14%超存在するのもこの村の個性だ。南東向き緩斜面の穏やかな日照と、チョーク上の薄い上土がもたらす適度な保水性が合わさり、ピノ・ノワールには重厚さよりも果実の丸みと柔らかさが出やすい。ルイナールが最高峰キュヴェ「ドム・ルイナール」のブレンドにこの村のシャルドネを採用していることが、産地の品質水準を裏づけている。小規模ゆえにボトルとして単体流通する機会は限られるが、フランソワ・ショーモンのように全畑をピュイジューに持つグロワーを経由すれば、この村のテロワールを純粋に体感できる。

テロワール

ピュイジューのブドウ畑はコミューン南部に集中し、シルリィとの境界に沿って緩やかな南東向き斜面が広がる。区画は隣村シルリィのものと地続きで、ひとつの連続した丘陵の一部をなすように見える。土壌はチョーク質基盤の上に軽い上土が乗る構成で、代表区画のLes Petits Vignesはこの特徴が典型的に現れる場所だ。 同じグラン・クリュであるマイィ=シャンパーニュリュードが斜面の高い位置に畑を持つのに対し、ピュイジューの畑は標高がやや低く、傾斜も緩やかで平坦な印象が強い。斜面上部ほど排水性の高い純粋なチョーク質が支配的になる傾向があり、ピュイジューは上土がわずかに厚い分、ブドウへの保水作用が働きやすい環境にある。こうした土壌と地形の組み合わせが、ピノ・ノワールに果実の充実感をもたらすと同時に、シャルドネには繊細さよりも丸みのある酸味を引き出す方向に作用している。

詳細

ピュイジューはランス市街から南東へ約8kmに位置する小村で、グランド・モンターニュ・ド・ランスの南縁に当たる。コミューン面積は907haと細長い形状を持つが、ブドウ畑はその南部に18.8haが集中するのみで、グラン・クリュ17村のなかで栽培面積・生産者数ともに最小規模に位置する。北側にはランスへと向かうD944道路が走り、その途上にはフォール・ド・ラ・ポンペル(Fort de la Pompelle)という19世紀の要塞が残る。この要塞は1870年代に築かれ、第一次世界大戦中にランスへの進入路を守る拠点として激戦地となった。1972年以降は博物館として一般公開されており、ピュイジューを訪れるワイン愛好家に歴史的な寄り道の機会を提供している。

テロワール

ピュイジューの畑は隣村シルリィと境界を接し、地形的にはひとつの連続した南東向き斜面の一部をなす。同じグラン・クリュでもマイィ=シャンパーニュリュードが持つ斜面畑とは異なり、ピュイジューの傾斜は緩やかで、斜面下部の平坦地に近い地形が卓越している。A4高速道路に近い標高の低い立地であることも、隣接するグラン・クリュ村との地形的な差異のひとつだ。代表的なリュー・ディであるLes Petits Vignesはチョーク質土壌の上に軽い上土が乗る典型的な構成で、この微細な土壌の厚みがブドウへの保水作用を調整し、果実に独特の柔らかさをもたらすとされる。シルリィとの境界は行政上の区切りであって地質上の断絶ではなく、両村の畑は連続したひとつの地層の上に乗っている。

主要生産者

ピュイジューを代表するグロワーが François Chaumont(フランソワ・ショーモン)だ。全畑約5haのすべてがピュイジュー内に位置し、ピノ・ノワール約2/3、シャルドネ約1/3という構成で栽培する。醸造施設は妻の実家農家があるŒuilly(ウィイ)村に置くが、原料のすべてはグラン・クリュのピュイジューから来ている。2008年に自家醸造を開始し、ヴィンテージのブラン・ド・ブランを含むレンジを展開している。18.8haという限られたグラン・クリュの畑を5haも保有するその規模は、この小村においては相当の存在感を持つ。グロワーシャンパンの文脈でピュイジューの名を聞くとき、多くの場合フランソワ・ショーモンが念頭に置かれる。

大手メゾンでは、ルイナール(Ruinart)がシルリィとともにピュイジューのシャルドネをブレンドに採用していることが知られている。対象キュヴェはドム・ルイナール(Dom Ruinart)で、最高峰のプレステージ・キュヴェの原料のひとつにこの小村の畑が名を連ねているという事実は、ピュイジューのシャルドネの位置づけを端的に物語る。

グラン・クリュの中の異端児

ピュイジューはグラン・クリュ17村のなかでいくつかの意味で異質な存在だ。まず、ピノ・ムニエが栽培面積の14%超を占めるという点は、グラン・クリュとしてはきわめて例外的なケースにあたる。一般的にグラン・クリュ村ではピノ・ノワールとシャルドネが支配的で、ピノ・ムニエの比率が低い傾向があるが、ピュイジューは隣のシルリィのLes Champs de Romontと並び、グラン・クリュにピノ・ムニエが一定割合で存在する希有な例として記録されている。次に、村名の発音がフランス語話者にとっても難解で、ワイン文献の中に「発音しにくいグラン・クリュ」として言及されているものがある点も特徴的だ。18.8haという小さな面積、12人という少ない生産者数、そして難解な村名——これらが重なり、ピュイジューはモンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュの中で最も知名度の低いひとつであり続けているが、ドム・ルイナールの原料供給地として、またフランソワ・ショーモンのような意欲的なグロワーの活動の場として、静かに高い品質を保ち続けている。

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「Puisieulx」を拠点とするシャンパン銘柄

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