Bar-sur-Seine / バル=シュル=セーヌ

バル=シュル=セーヌは、バルセカネ最大の町でありその名の由来となった村。コート・デ・バールの中でもシャブリと同じキンメリジャン石灰岩を擁し、ピノ・ノワールが畑の約74%を占める。格付けはオートル・クリュながら、個性豊かなグロワーと大規模協同組合ブランドが共存するユニークな産地で、骨格のある赤系果実の旨みをぜひグラスで確かめてほしい。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Troyes
郵便番号 : 10110
面積 : 27.53 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Jully-sur-Sarce, Magnant, Villemorien, Bourguignons, Polisot, Buxières-sur-Arce, Celles-sur-Ource, Merrey-sur-Arce, Ville-sur-Arce,

「Bar-sur-Seine」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Barséquanais
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積19.2 ha
- Chardonnay4 ha (20.8%)
- Pinot Noir14.2 ha (74%)
- Pinot Meunier0.4 ha (2.1%)
- その他0.6 ha (3.1%)

特徴

総栽培面積19.20 haのうちピノ・ノワールが14.20 haを占め、シャルドネ4.00 ha、ピノ・ムニエ0.40 haと続く。ピノ・ノワール主体のシャンパンは赤系果実のふくよかな果実味と、キンメリジャン石灰岩由来のしっかりした骨格が特徴で、ブルゴーニュとも共鳴するミネラル感が顔を出す。 ラ・ボルドリーの「トロワ・コントレ」は村内のヴァル・モレ、メレ=シュル=アルスのレ・ドヴォワ、ヴィル=シュル=アルスのクロ・ビドーという3区画のブレンドで、バルセカネの地域性を横断したキュヴェ。アルバン・マルティノの「キュヴェ・ロロン」はシャルドネ55%を樽発酵させた豊かなテクスチャーが魅力だ。食事との相性に悩む人には、骨付き鶏肉のロースト、シャルキュトリー、コンテやエポワスなどチーズとのペアリングから試してほしい。

テロワール

バル=シュル=セーヌの畑は村の東〜南東に集中し、セーヌ川が南東から北西へ流れる谷間の緩斜面に広がる。南東部ではウルス川とアルス川がセーヌに合流し、複数の水系が交差する地形が土壌に変化をもたらしている。標高は147〜293 mで、コート・デ・バールの中では比較的低い帯域に位置する。 地質はシャブリやサンセールと共通するキンメリジャン(Kimmeridgian)石灰岩・泥灰土を基盤とし、粘土石灰質土壌(argilo-calcaire)が発達している。この組み合わせは水はけと適度な保水性を両立させ、ピノ・ノワールが深く根を張るのに適した環境をつくる。同じバルセカネのセル=シュル=ウルスやポリゾと地質的に連続しながらも、セーヌ川の谷地形がここに独自の微気候を形成している。 単一区画としてはル・ヴァル・モレ(Le Val Moré)が知られる。村の東、メレ=シュル=アルスとの境界付近に位置する穏やかな西向き斜面で、収穫期の日照を穏やかに受け止める。こうした地形と石灰質土壌の相乗効果が、果実の凝縮感と引き締まった酸を併せ持つピノ・ノワールを育てる。

詳細

バル=シュル=セーヌはオーブ県南部、トロワの南東約20 kmに位置し、セーヌ川沿いに発展した町。コミューン面積27.53 km²、標高147〜293 m。バルセカネエリア最大の中心地であり、「バルセカネ」という地名そのものの由来となっている。アペラシオンとしても「セーヌ川を下る最後のシャンパーニュ村」にあたる地理的特異点だ。南東部ではウルス川とアルス川がセーヌに合流し、コミューン北東・南西には大きな森が広がる。隣接する村は、東のビュキシエール=シュル=アルス、東南東のヴィル=シュル=アルス、南東のメレ=シュル=アルスとセル=シュル=ウルス、南のポリゾなど。

地質はシャブリやサンセールと同系のキンメリジャン石灰岩・泥灰土を基盤とし、粘土石灰質土壌(argilo-calcaire)が発達。これはコート・デ・バール全域に共通するが、バル=シュル=セーヌではセーヌ川の谷地形と複数の支流の合流点という特性が微気候をつくり出している。ブドウ畑は村の東〜南東に集中し、単一区画「ル・ヴァル・モレ」が村の代表的なリュー・ディとして知られる。穏やかな西向き斜面で、メレ=シュル=アルスとの境界付近に位置し、バルセカネ随一のピノ・ノワール産地として評価されている。

ヴーヴ・エー・ドゥヴォー(Veuve A. Devaux)は、バル=シュル=セーヌを拠点とする大規模協同組合ユニオン・オーボワ(Union Aubois)のフラッグシップブランドで、加盟農家の畑は約1,500 haに及ぶ。シャトー・ド・ヴィルヌーヴ(バル=シュル=セーヌ内)に本社を置き、フラッグシップの「コレクション D(Collection D)」のほか、ローヌの名門シャプティエとのコラボレーションによるヴィンテージ「スタノペ(Sténopé)」が注目を集める。またユニオン・オーボワはランスのジャカールおよびモントードンの共同出資者でもあり、その影響力はコート・デ・バールを越えて広がっている。

グロワー系では、2013年にSimon、Marieのノルマン兄妹が11 haの家族所有畑を継承して立ち上げたラ・ボルドリーが注目株。「トロワ・コントレ」(ヴァル・モレ+レ・ドヴォワ+クロ・ビドーの3区画ブレンド)、「ドゥース・フォリー」(古木100%ピノ・ノワール ロゼ)、コトー・シャンプノワ・ルージュ「レ・ドヴォワ」(メレー産)と、バルセカネの地形と品種を深く掘り下げたラインナップを揃える。

「バル(Bar)」という地名はガリア語で「高台・頂上」を意味し、交通の要衝として古代から人が集まった場所だ。中世にはシャテルニー(城代領)として存在し、1435年からはヴァロワ家ブルゴーニュ公の領地に。1477年にシャルル突進公が没すると、ルイ11世によってフランス王領へ併合された。1359年には英軍の侵攻で900棟以上の建物が焼かれる甚大な被害を受け(フロワサールの記述)、16世紀の宗教戦争でも大きく損傷した。1790年に地区の主邑となり、1800〜1926年まで副県庁所在地(sous-préfecture)を務めた歴史を持つ。

ドヴォーの前身は1846年にジュールとオーギュスト・ドヴォー兄弟がエペルネーに創業したメゾンで、19世紀末には生産の75%を輸出する国際的なブランドだった。1987年にUnion AuboisのLaurent Gilletに売却され、バルセカネへと移転。現在の姿になっている。またコート・デ・バールの畑には「カドール(Cadoles)」と呼ばれる石積みの小屋が現存する。農作業の合間に雨や夏の日差しをしのぐために建てられたもので、バル=シュル=セーヌの畑でも見ることができる1850年頃の遺産建築だ。

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「Bar-sur-Seine」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報