Polisot / ポリゾ

ポリゾは、コート・デ・バールの中でも特にピノ・ノワール比率が高く(約88%)、バルセカネを代表するブラン・ド・ノワールの村。エシェル・デ・クリュ80%のオートル・クリュながら、マリー・クルタンをはじめとする個性派グロワーたちが、キンメリジャン土壌の骨格とヴィンテージごとの表情を存分に引き出したシャンパンを世に送り出している。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Troyes
郵便番号 : 10110
面積 : 10.52 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Arrelles, Villemorien, Polisy, Bar-sur-Seine, Celles-sur-Ource,

「Polisot」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Barséquanais
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積71.4 ha
- Chardonnay6.4 ha (9%)
- Pinot Noir63.3 ha (88.7%)
- Pinot Meunier1.2 ha (1.7%)
- その他0.5 ha (0.7%)

特徴

総栽培面積71.40haのうち約63haをピノ・ノワールが占めるポリゾは、ブラン・ド・ノワール(黒ブドウ100%で造る白シャンパン)が主役の村。キンメリジャン土壌由来のミネラルが骨格をなし、赤系果実の凝縮した風味と、引き締まった酸味が印象的なスタイルが生まれる。 マリー・クルタンの「Résonance」はスチールタンクでのピノ・ノワール100%、「Efflorescence」は樽熟成版と、同じ畑でも醸造アプローチによって全く異なる表情を見せる。ピオロ・ペール・エ・フィスのシングル・ヴィンヤード・キュヴェは各リュー・ディの個性を率直に映し出す。また村内ではピノ・ブランやアルバンヌといった希少品種の栽培も行われており、個性派シャンパン好きにとって掘り下げがいのある村でもある。

テロワール

ポリゾの畑は、セーヌ川西岸のゆるやかな丘陵斜面に広がる。土壌はコート・デ・バール全域に共通するキンメリジャン(Kimmeridgian)石灰岩と泥灰土(石灰質粘土)の地層で、同じ地層の延長にあるシャブリのテロワールとも比較される。この石灰質泥灰土は水はけと保水性のバランスに加え、明確なミネラル感をブドウに与える点が特徴だ。 主要なリュー・ディとしては、村の北西に位置するCome des TallantsとLes Graveléesがあり、ともに森の南側の穏やかな南向き斜面。さらに西南西のVal Colas Robinはピノ・ブラン栽培でも知られる。南隣のポリジーの畑と連続しており、エリア全体としての均質なテロワールが形成されている。 気候はケッペン分類Cfb(温帯海洋性)だが、シャンパーニュ北部のマルヌ県よりも南に位置するため気温はやや高め。ラングル台地の影響で冬は厳しく霧も多いものの、ブドウの成熟度は高く、ドサージュを控えたゼロ・ドサージュ等のスタイルに適したフレッシュかつ凝縮感のある果汁が得られやすい。キンメリジャン土壌の豊かなミネラル感が、豊熟した果実味にシャープな輪郭を与えることが、このテロワールの本質にある。

詳細

ポリゾはコート・デ・バールサブリージョンのバルセカネに属するコミューン。オーブ(Aube)県南部、セーヌ川沿いの「セーヌ渓谷(Vallée de la Seine)」エリアに位置し、総面積は約1,052ヘクタール(人口321人、2023年)。標高は約160m。北にバル=シュル=セーヌ、東にセル=シュル=ウルス、南にポリジー、南西にアレルと隣接しており、南隣のポリジーとは畑が連続している。ブドウ畑はセーヌ川西岸に集中し、村の北・西・南に広がる。

土壌はコート・デ・バール全域を特徴づけるキンメリジャン石灰岩と泥灰土(石灰質粘土)の地層。シャブリと同じ地質的延長線上にあり、石灰質泥灰土は明確なミネラル感と豊かな果実味、明るい酸味をブドウに与える。主要なリュー・ディはCome des Tallants(北西、南向き穏斜面)、Les Gravelées(北西、南向き穏斜面)、Val Colas Robin(西南西、南向き穏斜面)の3か所。総栽培面積71.40haのうちピノ・ノワールが約63.30ha(約88%)を占め、シャルドネ6.40ha、ピノ・ムニエ1.20ha、その他0.50ha(ピノ・ブランやアルバンヌを含む)が続く。バルセカネの中でも特にピノ・ノワール比率が際立っており、ブラン・ド・ノワール志向の生産者が集まる背景となっている。

ポリゾを語るうえで外せない生産者がマリー・クルタン(Marie Courtin)だ。ドミニク・モロー(Dominique Moreau)が運営する2.5haの一筆畑で、ビオディナミ農法認証を取得。2006年から自社元詰めを開始し、「Résonance」(ピノ・ノワール100%/スチールタンク)、「Efflorescence」(ピノ・ノワール/樽熟成)、「Eloquence」(シャルドネ100%/樽熟成)、「Indulgence」(ピノ・ノワール マセラシオン・ロゼ)、無亜硫酸の「Concordance」など、すべてノン・ヴィンテージ表示ながらヴィンテージごとの個性を前面に出したラインナップで知られる。低介入・全房醸造を貫くそのスタイルは、コート・デ・バールの新世代グロワーを象徴する存在として国際的に評価が高い。

もう一軒の核心的生産者がピオロ・ペール・エ・フィス(Piollot Père & Fils)。8.5haの畑はピノ・ノワール62%、シャルドネ20%、ピノ・ブラン11%、ピノ・ムニエ6%、アルバンヌ1%という多彩な品種構成で、2009年からオーガニック農業に転換し2014年にビオ認証を取得。樽発酵を採用し、リュー・ディ別のシングル・ヴィンヤード・キュヴェを展開する。「Come des Tallants」(ピノ・ノワール100%)、「Les Gravelées」(ピノ・ノワール100% ロゼ)、「Colas Robin」(ピノ・ブラン100%)は各畑の個性を率直に表現した構成で、バルセカネにおける希少品種栽培の先駆的役割も担っている。

ポリゾは歴史的にも興味深い背景を持つ。コミューン内にはかつて複数の製粉所(ムーラン)が存在し、17世紀には紙漉き業も営まれていた。鉄道史においても重要な結節点で、トロワ〜グレー線(標準軌1,435mm、1874〜1969年運行)とポリゾ〜レ・リセー〜キュンファン線(メートル軌、1897〜1952年運行)が交わる地点に、それぞれ異なる鉄道会社による2つの駅が向かい合って建てられた。軌間が異なるため積み荷の積み替えが必要で、20世紀初頭にはこの二駅をつなぐ「Café des Deux Gares(二駅のカフェ)」が賑わいを見せたという。現在の村の紋章は2024年5月に採択され、ビニョロンの鍬(fousseux)と製粉用車輪を配し、「En avant vignerons!(前進せよ、ヴィニョロンたち!)」のモットーを掲げる——この言葉は、個性派グロワーたちが牽引する現在のポリゾそのものを映しているように見える。

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「Polisot」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報