Polisy / ポリジー

ポリジーは、16世紀の名画「大使たち」のモデルが城主を務めた村で、絵の中の地球儀にも村の名が刻まれています。コート・デ・バールのAutre Cru、ピノ・ノワールが畑の8割を占める力強い産地。キンメリジャン土壌が育む果実味豊かな一杯に、歴史のロマンを重ねたくなります。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Troyes
郵便番号 : 10110
面積 : 11.35 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Avirey-Lingey, Balnot-sur-Laignes, Arrelles, Buxeuil, Polisot, Celles-sur-Ource,

「Polisy」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Barséquanais
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積161.5 ha
- Chardonnay18.1 ha (11.2%)
- Pinot Noir133.5 ha (82.7%)
- Pinot Meunier2.8 ha (1.7%)
- その他7.1 ha (4.4%)

特徴

畑の8割超をピノ・ノワールが占めるポリジーらしさは、花や赤果実、プラムを思わせる繊細な香りと、キンメリジャン土壌由来のミネラル感が同居する味わいに表れます。果実の豊かさと爽やかな酸が拮抗し、骨太でありながら重すぎない飲み口に仕上がるのが魅力。Roses de Jeanneが手がけるCôte de Val Vilaineのように若いうちから開く親しみやすいスタイルもあれば、Dame Nesleやヴィーニュ・ブニューのようにリュー・ディごとに異なる表情を見せる単一畑キュヴェも存在します。食卓では赤身の魚や鴨のローストなど、しっかりした料理と合わせたい一本です。

テロワール

ポリジーの畑は、村を貫くセーヌ川とレーニュ川の合流点を挟んで東西2エリアに分かれています。東側はBuxeuilやCelles-sur-Ourceの畑と地続きで、西側はPolisotやBalnot-sur-Laignesの畑につながる、コート・デ・バールらしい分散型の畑構成です。土壌は硬い石灰岩層の上に粘土が重なるキンメリジャン粘土石灰岩で、リュー・ディごとに東向き・南東向きと斜面の方角が異なり、最大20%の傾斜が日照と排水に変化をもたらします。標高157〜292mと高低差が大きく、年間平均気温10.4℃、冬は1.5℃まで冷え込む大陸性気候のもと、秋から冬にかけて霧が立ち込めることも特徴です。こうした冷涼さと粘土質の保水力が、ピノ・ノワールに骨格としっかりした果実の凝縮感を与えています。

詳細

ポリジーはコート・デ・バール地区のバルセカネに位置し、オーブ県南部、セーヌ川とレーニュ川の合流点に開けた小さな村です。村の面積は11.35km²、人口は176人(2023年)とごく小規模ながら、ブドウ畑は東西2つのエリアに分かれて広がっています。東部はセーヌ川右岸に位置しCelles-sur-OurceやBuxeuilの畑と連続し、西部はレーニュ川・セーヌ川左岸でPolisotやBalnot-sur-Laignesの畑とつながります。このほかAvirey-LingeyやArrellesも周辺コミューンとして名を連ね、いずれもバルセカネを構成する村々です。

テロワールの特徴

土壌はコート・デ・バールに共通するキンメリジャン粘土石灰岩で、硬い石灰岩の基盤の上に粘土質土壌が重なります。ポリジーの特徴は、村内のリュー・ディごとに斜面の方角が東向き・南東向きと異なる点にあり、最大20%の傾斜とあわせて畑ごとに日照量や排水性が変化します。標高は157〜292mと幅があり、年間平均気温10.4℃、年間降水量788mmの大陸性気候のもと、秋から冬にかけては霧が発生しやすい土地柄です。こうした冷涼な気候と保水力のある粘土質土壌が組み合わさることで、ピノ・ノワールに明確な骨格と果実の凝縮感を与えています。

単一畑(リュー・ディ)

ポリジーには複数の単一畑(リュー・ディ)があり、それぞれ異なる個性を持つキュヴェの源泉となっています。Côte de Béchalinはセーヌ川右岸、Celles-sur-Ource境界沿いに位置し、かつてRoses de Jeanne(旧Inflorescence)がヴィンテージ指定シャンパンを生産していましたが、2020年ヴィンテージを最後に他区画との交換により手放されました。一方、村のすぐ西側、小さな森の南に位置するCôte de Val Vilaineでは、東向きの緩やかな斜面を活かし、樹齢35〜40年の樹からRoses de Jeanneが100%ピノ・ノワールの単一畑キュヴェを生み出しています。左岸南部の南東向きの斜面に位置するDame Nesleと、その北隣にあたるVigne Beugneuxでは、ピノ・ノワールとシャルドネ双方の単一畑キュヴェが手がけられています。

主要生産者

Moutard Dangin(旧Corinne Moutard / Dangin-Moutard)は、ポリジーを本拠地とする5世代続くシャンパン農家です。現当主Arnaud Moutardのもとで6.5haの畑を除草剤不使用で栽培し、ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエ、ピノ・ブランを手がけています。HVEおよびVDC認証を取得し、年間約50,000本を生産。代表作はピノ・ノワール80%・シャルドネ20%で仕込むヴィンテージ「Cuvée Symphonie」です。

François Brossoletteは14haのブドウ畑を所有する生産者で、Dame Nesle単一畑から生まれる100%シャルドネのノン・ヴィンテージ「Cuvée Dame Nesle」を看板キュヴェとします。ほかにシャルドネ65%・ピノ・ノワール35%で仕込むヴィンテージも手がけ、単一畑由来の個性を前面に出したスタイルが特徴です。

  • Joel Martin(ジョエル・マーティン)— Terra Vitis認証会員。ピノ・ノワール85%・シャルドネ15%の畑構成を持ち、ヴィンテージシャンパン「Exception」を生産している。

歴史・由来

ポリジーを語るうえで欠かせないのが、村に残るポリジー城(Château de Polisy)の存在です。中世に遡るこの城館はかつてDinteville家、後にJaucourt家が所有していました。なかでも最も著名な人物がジャン・ド・ダントヴィルで、1533年にハンス・ホルバインによって描かれた名画「大使たち(Les Ambassadeurs)」のモデルとして知られています。ジャンは絵画の依頼主でもあり、当時ポリジー城に居住していました。絵画中央に描かれた地球儀には、実際にポリジーの地名が記されており、この村と西洋美術史をつなぐ興味深いエピソードとして語り継がれています。城は後に火災に遭い廃墟となりましたが、現在もその姿をとどめており、村の教会はサン・フェリックス教会(Église Saint-Félix)です。ブドウ畑の面積は1997年の114haから着実に拡大を続け、2013年のCIVC集計では159.5haに達しました。栽培面積の拡大は、ポリジーがコート・デ・バールの中でも注目を集める産地へと成長してきた歩みを物語っています。

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「Polisy」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報