「シャプタリザシオン」とは

Chaptalisation / シャプタリザシオン

「シャプタリザシオン」は、発酵前後のもろみに糖分を添加し、アルコール発酵を促してワインの最終的なアルコール度数を引き上げる技術です。18世紀末から19世紀初頭に活躍したフランスの化学者・政治家ジャン=アントワーヌ・シャプタルの名にちなんで名付けられました。冷涼な気候の産地では、その年の天候によってブドウの糖度が十分に上がらず、放っておくと軽く水っぽいワインになってしまうことがあります。そこで甘蔗糖やビート糖を加え、酵母がそれを分解してアルコールに変えることで、度数と骨格を補うわけです。EU域内では産地や収穫年ごとに上限が細かく定められており、無制限に許されているわけではありません。また、シャプタリザシオンはあくまで発酵前の糖分添加であり、発酵は最後まで進んで糖はアルコールに変わるため、出来上がったワインの甘みが直接増すわけではない点が特徴です。 シャンパーニュは北緯49度前後に位置する、ワイン産地としては世界でも有数の冷涼な土地です。そのため歴史的にシャプタリザシオンは特別な例外というより、ヴィンテージによっては一般的に行われてきた工程で、CIVC(シャンパーニュ委員会)が収穫年ごとに上限を定めて運用しています。ここで初心者が混同しやすいのが、後の工程で加えるドサージュ用のリキュールとの違いです。シャプタリザシオンは発酵「前」に加える糖で、最終的にアルコールへと変換されて甘みとしては残りません。一方、ドサージュは発酵をすべて終えた後、デゴルジュマンで澱を抜いた瓶に糖分を含む液を加える作業で、こちらは直接ワインの甘辛度に反映されます。両者は「糖を加える」という点では共通しますが、目的も加えるタイミングも全く異なる工程です。近年は温暖化の影響でブドウの糖度が上がりやすくなり、シャプタリザシオンを行わない、あるいは行う量を減らす生産者が増えている点も、産地の変化を映す一つの指標といえるでしょう。

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