Urville / ウルヴィル

ウルヴィルは、コート・デ・バール南部においてピノ・ノワールが栽培面積の約75%を占め、ドラピエという一大メゾンの本拠地として知られるオートル・クリュの村です。シャブリと同質のキンメリジャン期粘土石灰岩土壌が育む果実味豊かなピノ・ノワールは、ゼロ・ドサージュでも骨格が崩れない独特の厚みを持ちます。大火の灰が地名になった畑「ル・サンドル」が生むプレスティージュ・キュヴェ、その一杯に村の歴史が凝縮されています。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Bar-sur-Aube
郵便番号 : 10200
面積 : 12.20 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Bergères, Arconville, Champignol-lez-Mondeville, Baroville, Couvignon, Bligny,

「Urville」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Bar-sur-Aubois
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積190.7 ha
- Chardonnay27.1 ha (14.2%)
- Pinot Noir142.7 ha (74.8%)
- Pinot Meunier15.8 ha (8.3%)
- その他5.1 ha (2.7%)

特徴

ウルヴィルのシャンパンはピノ・ノワール主体の赤果実系アロマと豊かな果実味が核にあり、マルヌ渓谷のピノ・ノワールより丸みがあり、コート・デ・ブランのシャルドネとも異なる、南部コート・デ・バール独特の充実感があります。ゼロ・ドサージュでも補糖なしで成立する骨格の厚みはキンメリジャン土壌由来で、チョーク土壌のシャンパンとは一線を画します。 ドラピエの「グランド・サンドレー」に見られるように、ピノ・ノワールにシャルドネを約半量ブレンドすると、果実味の充実に白い花や石灰のニュアンスが加わり複雑さが増します。また、アルバンヌプティ・メリエといった絶滅危惧種に近い希少品種が今も栽培されており、それらを使ったキュヴェはシャンパーニュの多様性に関心のあるマニア層にも響きます。果実味の密度を生かせるジビエ料理やシャルキュトリーとの相性は抜群で、食中酒として一本で通したい場面に向いています。

テロワール

ウルヴィルは、キンメリジャン期(約1億5000万年前)の泥灰石灰岩(マルノ=カルカレール)からなる2つのコトー(斜面丘陵)に挟まれた、ランキャン川の狭い谷に立地しています。各コトーの頂部にはチトニアン期のプラトー(台地)石灰岩が露出しており、斜面の土壌はキンメリジャン起源の粘土質石灰岩(アルジロ=カルカレール)です。この土壌組成はブルゴーニュのシャブリ地区と類似しており、コート・デ・ブラン(白亜チョーク)とは地質的に異なる系譜に属します。 標高は212〜365mと起伏があり、ブドウ畑の大部分は村に隣接した東西方向に細長いブロックを形成し、斜面は主として南向きです。「バロワ・ヴィティコール(Barrois viticole)」と呼ばれる景観区に属するこの地域では、石灰岩プラトーが多数の河川によって刻まれた谷と丘が交互する地形が特徴です。プラトー上の土壌は石灰質・砂利混じりで端部ほど薄く、谷底では厚く堆積するという変化が畑ごとの個性を生み出しています。 コート・デ・バール北部(バル=シュル=セーヌ周辺)と比較すると、ウルヴィルを含むバール・シュル・オウボワ地区はより内陸性の気候で日照時間が長く、ピノ・ノワールの果実成熟度が高くなりやすい傾向があります。粘土質の保水力と石灰岩が与える酸の骨格が組み合わさることで、果実味と張りを両立したシャンパンが生まれます。

詳細

ウルヴィルはコート・デ・バール地区の中でも南部のバール・シュル・オウボワ(Bar-sur-Aubois)サブリージョンに属し、バール=シュル=オーブの南東約8kmに位置します。北はベルジェール、北東はクヴィニョン、東北東はバロヴィル、東はアルコンヴィル、南はシャンピニヨル=レ=モンドヴィル、西はブリニー(オーブ)と接しています。コミューン総面積は約1,220haで、そのうちブドウ畑は約190haを占めます。村の人口は2023年時点で103人(住民名称:Grouillons/Grouillonnes)と小規模ながら、シャンパーニュ生産者の密度は高い村です。

地形的には、キンメリジャン期の泥灰石灰岩からなる2つのコトーに挟まれたランキャン川の谷に村が立地しています。ランキャン川はブリニーでランディオン川に合流します。コトー頂部にはチトニアン期のプラトー石灰岩が露出し、斜面にはキンメリジャン起源の粘土質石灰岩が広がります。ブドウ畑の主力ブロックは南向き斜面に東西方向へ細長く広がり、コミューン南西部(ブリニー・シャンピニョル境界付近)にも散在区画があります。この土壌組成はブルゴーニュのシャブリ地区と共通であり、コート・デ・ブランの白亜チョークとは根本的に異なる地質系譜です。

ウルヴィルを語るとき、ドラピエ(Drappier)を外すことはできません。自社畑55ha・契約畑50haを擁するウルヴィル最大の生産者であり、ピノ・ノワール比率70%という方針を一貫して貫いています。主力ノン・ヴィンテージ「カルト・ドール(Carte d'Or)」はピノ・ノワール75%・シャルドネ15%・ピノ・ムニエ10%のブレンドで、ドラピエのスタイルを象徴する比較的低亜硫酸・高ピノ・ノワールのアプローチを採用。熟成とともに現れる酸化的ニュアンスがこのメゾンのトレードマークでもあります。プレスティージュ・キュヴェ「グランド・サンドレー(Grande Sendrée)」はブリニーとの境界付近に広がる「ル・サンドル(Le Cendre)」および「レ・ヴィーニュ・デュ・サンドル(Les Vignes du Cendre)」区画産ブドウのみで造られ、ピノ・ノワール55%・シャルドネ45%のブレンドです。この地名は1836年の大火後に灰(cendre)で畑が覆われたことに由来しており、後の地籍図転写時にスペルが「sendre」に変わり、それがキュヴェ名に採用されました。ドラピエはまた、白4品種ブレンドの「カトゥオール(Quattuor)」、プリマ(27L)やメルキゼデク(30L)など大型ボトルフォーマットでの瓶内二次発酵でも知られ、アルバンヌやプティ・ムスリエといった希少品種の栽培・使用にも取り組んでいます。

村の歴史はガロ=ローマン時代に遡ります。集落「ヴァル・ド・ミリエール(Val de Millières)」の遺跡が現存し、この時代からブドウ栽培が行われていたと伝わります。中世にはシャンパーニュ伯とバール=シュル=オーブ城主領の支配下に置かれ、1179年には「ジョベール・ドゥルヴィル(Jobert d'Urville)」の名が記録に残ります。13世紀にはエスパーニュ家がクレルヴォー修道院へ所領を寄進しました。近代的なブドウ栽培・シャンパン生産史としては、1808年にフランソワ・ウルヴィルが移住してブドウ栽培を始め、これがドラピエ家の起源とされています。1830年代にはジョルジュ・コロがバール=シュル=オーブ地区で初めてピノ・ノワールを植え「ペール・ピノ(Père Pinot)」の異名をとりました。それ以前はガメイが主流でしたが品質評価は低く、ピノ・ノワールへの転換がこの地区の品質向上の出発点となります。1950年に村の協同組合が設立され、1952年にカルト・ドールのイエローラベルが誕生。1957年の壊滅的な霜害を機にピノ・ムニエが防霜対策として導入され、品種構成に多様性が加わりました。1965年には近隣のコロンベー=レ=ドゥー=ゼグリーズに住んでいたシャルル・ド・ゴール将軍がドラピエの愛飲家となり、村の名がフランス史の一幕に刻まれています。

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「Urville」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報