Sacy / サシー

サシーはプティット・モンターニュ・ド・ランスきってのピノ・ノワール産地。プルミエ・クリュ認定を受けた東向き斜面に、豊かな果実味と骨格を持つ黒ブドウが育つ。古樹や単一畑へのこだわりを持つグロワーが多く、その個性的な造りは一度飲むと忘れられない。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51500
面積 : 5.56 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Bezannes, Les Mesneux, Écueil, Ville-Dommange, Marfaux, Courmas,

「Sacy」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Petite Montagne de Reims
格付け90% Premier Cru [?]
栽培面積150.7 ha
- Chardonnay20.8 ha (13.8%)
- Pinot Noir73.2 ha (48.6%)
- Pinot Meunier56.4 ha (37.4%)
- その他0.3 ha (0.2%)

特徴

サシーが生むシャンパンは、黒ブドウの果実味がストレートに伝わるスタイルが持ち味です。ピノ・ノワール主体のキュヴェでは、赤いベリーや熟したプラムを想わせるふくよかな香りと、引き締まった後味のコントラストが印象的。ピノ・ムニエの割合が高いブレンドになると、よりまろやかでハーブのニュアンスが加わります。 砂質ロームが混じる区画由来のシャンパンは酸が穏やかで、食事との相性を選ばない飲みやすさがあります。産地の個性を追求するグロワーも多く、1960〜70年代植樹の古樹(ヴィエイユ・ヴィーニュ)から造られるキュヴェは、複雑なミネラル感と熟成ポテンシャルで愛好家の支持を集めています。赤身肉料理や熟成チーズと合わせたいシャンパンを探している人に向いています。

テロワール

サシーの畑はモンターニュ・ド・ランス北側の緩やかな斜面に広がり、主として東向きの傾斜が特徴です。標高は比較的低く抑えられており、隣接するエキュイユやヴィル=ドマンジュといった同じプルミエ・クリュの村々と丘陵地帯を共有しつつも、斜面の向きと土壌構成に微妙な差異があります。 土壌はシャンパーニュ典型の白亜質が基盤となりますが、サシーでは砂質ロームが混じるエリアも確認されており、とくに南側の「レ・クロワゼット(Les Croisettes)」区画にその傾向が見られます。一方、村北側の「レ・クロ(Les Clos)」は南向き斜面で日照量が安定し、ピノ・ノワールの完熟を後押しします。 総栽培面積150.70 haのうちピノ・ノワールが73.20 haと約49%を占め、次いでピノ・ムニエが56.40 haと約37%。シャルドネは20.80 haにとどまります。この黒ブドウ優位の品種構成は、プティット・モンターニュ・ド・ランスの丘陵地が白ブドウよりもピノ系品種の熟成に向いていることを示しており、土壌の保温性と穏やかな東向き日照が凝縮感ある果実を育てます。

詳細

サシーはランス南西約15kmに位置するプティット・モンターニュ・ド・ランスのプルミエ・クリュ村です。コミューン面積は約350 haで、周辺には北にエキュイユ、南東にヴィル=ドマンジュ、南西にマルフォー、北東にクルマ、西にブザンヌ、レ=メヌーなどのコミューンが隣接します。行政上はヴェズル・エ・アルドル地区に属し、プティット・モンターニュ・ド・ランスの中核的な村の一つとして位置づけられています。

テロワール

ぶどう畑はモンターニュ・ド・ランス北側の緩やかな東向き斜面に展開します。主要な単一畑として、村の北側・D26街道西側に位置する「レ・クロ(Les Clos)」が挙げられます。この区画は南向きの傾斜で日照量が豊富で、ピノ・ノワールの完熟に適した環境です。村の南側に広がる「レ・クロワゼット(Les Croisettes)」は砂質ローム土壌が特徴的で、酸の穏やかなまろやかなスタイルのシャンパンが生まれやすい区画として知られています。サシーのエシェル・デ・クリュは白・黒ともに90%で、同じプティット・モンターニュの隣接村エキュイユ・ヴィル=ドマンジュと同水準の評価を受けています。

主要生産者

デュメニル(Duménil)はサシーを含むシニー・リリー・リュードに8.2 haを所有するRM(レコルタン・マニピュラン)です。クラブ・トレゾール・ドゥ・シャンパーニュ(スペシャル・クラブ)の会員であり、とくに1969年植樹の古樹から造られる「プレスティージュ・VV・レ・ペシュリーヌ(Les Pêcherines)」はサシーのヴィエイユ・ヴィーニュの真価を示す代表的なキュヴェとして評価されています。

エルヴュー・デュメス(Hervieux-Dumez)は5村に9.5 haを保有するRMで、年間生産量は約6万本。1971年よりスペシャル・クラブ加盟という長いキャリアを持ち、シャルドネ50%・ピノ・ノワール30%・ピノ・ムニエ20%のブレンドによる「スペシャル・クラブ」が看板キュヴェです。複数村のテロワールを丁寧にブレンドする実力派グロワーとして知られています。

  • Jean Valentin(ジャン・ヴァランタン):サシーに拠点を置くRM。複数のキュヴェを展開しており、日本市場への流通実績も持つ生産者。
  • Goulin-Roualet(グラン・ルアレ):4村に区画を持つRM。シャルドネ単独の「サン=ヴァンサン(Saint Vincent)」(ブラン・ド・ブラン)を代表作とする。
  • André Chemin(アンドレ・シュマン):サシーのテロワールを表現する独立グロワー。

また、サシーのピノ・ムニエは大手ネゴシアン・マニピュラン(NM)にも重要な調達源として認識されており、97名・88.10 haの組合員を擁する地元協同組合を通じ、パルメ(Palmer)をはじめとする複数のメゾンがサシー産のピノ・ムニエを主要原料として活用しています。

歴史・由来

サシーという地名はローマ時代に遡る歴史を持つとされ、中世にはランス大司教区の管轄下で葡萄栽培が営まれていました。なお、「ルイ・ドゥ・サシー(Louis de Sacy)」を冠したシャンパーニュメゾンが存在しますが、これはヴェルジーに本拠を置くメゾンであり、17世紀の宗教家・文学者ルイ・ドゥ・サシー(1654〜1727)の名に由来するもので、このコミューン・サシーとは直接の関係はありません。混同されることがありますが、両者は別物です。プルミエ・クリュとしての評価は長く安定しており、小規模グロワーが多いながらもスペシャル・クラブ会員を複数輩出してきたことが、この村のポテンシャルの高さを示しています。

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