Vrigny / ヴリニー

ヴリニーは、プティット・モンターニュ・ド・ランスピノ・ムニエが全栽培面積の約68%を占める希少なプルミエ・クリュ村。ロジェ・クーロンルラージュ・プジョーが体現するように、この品種の柔らかな果実味と土の香りが絶妙に混ざり合ったとき、グラスが空になるのが惜しくなる。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51390
面積 : 4.46 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Thillois, Ormes, Méry-Prémecy, Gueux, Coulommes-la-Montagne,

「Vrigny」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Petite Montagne de Reims
格付け90% Premier Cru [?]
栽培面積90.4 ha
- Chardonnay9.9 ha (11%)
- Pinot Noir18.7 ha (20.7%)
- Pinot Meunier61.3 ha (67.8%)
- その他0.5 ha (0.6%)

特徴

ヴリニーのシャンパンはピノ・ムニエ主体の軽やかな果実味と丸みのある口当たりが持ち味で、完熟したベリー系の甘い香りに土やスパイスのニュアンスが重なる独特の複雑さがある。ロジェ・クーロンが無接木ぶどうで醸すブラン・ド・ノワール系キュヴェはその特性を鮮明に示す好例で、重厚なシャルドネ主体のシャンパンとは対極の、柔らかく親しみやすい飲み口が特徴だ。ピノ・ムニエという品種の再評価とともに注目を集めており、アペリティフから軽めの料理まで幅広く合わせやすく、品種の個性を深く知りたい飲み手の探求心に応えてくれる。

テロワール

ヴリニーの畑はプティット・モンターニュ・ド・ランスの北西端に広がり、緩やかな丘陵を東から北東方向に傾いた斜面が占める。細かな地形の変化が区画ごとに異なる微気候を生み出し、土壌は粘土質と砂質の混合が主体だ。村西の「レ・プレ(Les Près)」区画では貝化石を含む深い砂質土壌が確認されており、高い保温性と良好な水はけを兼ね備えている。石灰岩の基盤は南に隣接するクロム=ラ=モンターニュと共通しており、根の深い伸長を促すとともに酸の鮮度と果実の熟度のバランスを保ちやすい。北に接するギューや東のオルムと比べると地形に変化があり、北東向き斜面の冷涼さがピノ・ムニエ特有の酸を保ちながら果実の熟度も確保できる。この複合的な土壌と地形の組み合わせが、ヴリニーのピノ・ムニエに単調でない香りの層と長期熟成にも耐える骨格をもたらしている。

詳細

ヴリニーはプティット・モンターニュ・ド・ランスの北西部、マルヌ県ランス郡に属するプルミエ・クリュの村だ。総面積446 haのうち葡萄畑は90.40 ha、生産者42軒が営む中規模のコミューンで、南には同じプルミエ・クリュのクロム=ラ=モンターニュが隣接し、北のギューや東のオルムはオートル・クリュとなる。南西にはメリ=プレムシーが、北部をパリ〜ランスを結ぶA4高速道路が横断する。ランス市街から西に約15 kmの距離にあり、プティット・モンターニュのなかでも比較的アクセスしやすい立地だ。

テロワール

ヴリニーの畑は東から北東にかけての緩やかな斜面が中心で、土壌は粘土質と砂質の混合が主体だ。村西の「レ・プレ(Les Près)」区画には貝化石を含む深い砂質土壌が広がり、高い保温性と良好な水はけを兼ね備えている。石灰岩の基盤はクロム=ラ=モンターニュと共通しており、ぶどう根の深い伸長を促すとともに酸の鮮度と熟度のバランスを保ちやすい。栽培面積のうちピノ・ムニエが61.30 ha(約68%)、シャルドネ9.90 ha、ピノ・ノワール18.70 haと続くが、ヴリニーのアイデンティティはほぼピノ・ムニエによって形成されていると言ってよい。

主要生産者

ヴリニーを代表する生産者がロジェ・クーロンだ。現当主エリック・クーロンが6代目として継承し、ヴィニュロン・ザンデパンダンの精鋭グループ「トレ=ダンジョン」にも名を連ねる。ヴリニーを中心に5村で計10 haの畑を保有し、なかでも1953年植樹の無接木ピノ・ムニエを育てる「レ・ランゲ(Les Linguets)」区画は希少な原料畑だ。このピノ・ムニエを主体としたブラン・ド・ノワール系ヴィンテージ、シャルドネ主体で樽醗酵させた「コトー・ド・ヴァリエ–エリタージュ」など、区画の個性を引き出すキュヴェが揃う。年産約90,000本を誇る一方で品質への妥協はなく、ヴリニーの名を国際的に広めた立役者だ。

  • ギョーム・セルジャン(Guillaume Sergent):RM。セルジャン家のグロワーとして活動。村西のレ・プレ区画産シャルドネを使用した「レ・プレ・デュー(Les Près Dieu)」(100%シャルドネ、大樽醗酵)がトップキュヴェ。
  • ルラージュ・プジョー(Lelarge Pugeot):RM。ヴィニュロン・ザンデパンダン加盟。ヴリニー、クロム=ラ=モンターニュ、ギューに8.7 haを所有し、2014年よりオーガニック転換シャンパン発売。代表キュヴェ「カンテサンス(Quintessence)」はシャルドネ70%を主体に旧樹ぶどうと大樽醗酵で複雑さを表現する。

また村外に拠点を置くエグリ・ウーリエアンボネイグラン・クリュ)がヴリニーに約2 haの畑を所有し、単一村ピノ・ムニエ「レ・ヴィーニュ・ド・ヴリニー(Les Vignes de Vrigny)」を生産。このキュヴェはシャンパーニュ愛好家の間でヴリニーのテロワールを知る格好の入口として知られる。

歴史・格付けの経緯

ヴリニーがプルミエ・クリュの格付けを得たのはエシェル・デ・クリュ制度の終盤、1990年代末から2000年代初頭のことだ。それまで89%評価にとどまっていたヴリニーとクロム=ラ=モンターニュが90%に引き上げられプルミエ・クリュに昇格した。この変更はエシェル廃止前の最後の大きな改訂のひとつで、両村の品質ポテンシャルが公式に認められたことを意味する。プティット・モンターニュ・ド・ランスは知名度でグランド・モンターニュ・ド・ランスコート・デ・ブランに劣るが、ピノ・ムニエ主体の個性的なシャンパン産地として近年着実に再評価が進んでおり、ヴリニーはその象徴的な存在となっている。

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「Vrigny」を拠点とするシャンパン銘柄

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