Guillaume Sergent / ギョーム・セルジャンは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Vrignyを本拠とするRC / ブドウ農家の銘柄で、育てたブドウを生産者協同組合にもちこみシャンパンを生産しています。
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目次

Guillaume Sergent / ギョーム・セルジャン

Guillaume Sergent

ギョーム・セルジャン

ギヨーム・セルジャンは、プティット・モンターニュ・ド・ランスのヴリニー村で年間約4,000本だけを造る家族経営の小さな造り手です。白亜ではなく砂質土壌が生む塩気を帯びたミネラル感を、古樽での発酵とドサージュ1g/Lという最小限の味付けでそのまま瓶に映し出します。

基本情報

地区Montagne de Reims / モンターニュ・ド・ランス
- Petite Montagne de Reims / プティット・モンターニュ・ド・ランス
村51390 Vrigny / ヴリニー [Premier Cru]
所在地28 rue Saint-Vincent, 51390 Vrigny (Google Maps)
公式サイト-
Mailsergent-guillaume@wanadoo.fr
Tel+33 (0)6 83 38 06 56
製造業者種別RC

商品更新情報

特徴・スタイル

シャンパーニュといえば白亜質の土壌が語られますが、ヴリニーの高台を覆うのは貝の化石を含んだ深い砂の層です。ギヨーム・セルジャンのシャンパーニュが持つ、舌の上にすっと伸びる塩気を帯びたミネラル感と張りのある酸は、この砂質土壌から生まれます。 醸造で使うのは4〜6年使い込んだ400Lの古樽。新しい樽の香りで果実を覆うのではなく、木の呼吸だけを借りて質感を磨くための選択です。清澄もろ過も行わず、ドサージュは全キュヴェ1g/Lのみ。足し算ではなく引き算で、畑の個性をそのまま届けようとする造り手です。

歴史・ブランドストーリー

セルジャン家がヴリニー周辺でブドウを育て始めたのは、遅くとも1842年のこと。当初はティル村を拠点としていた一族は、1894年にクロム=ラ=モンターニュへ移り、1931年には自らシャンパーニュの醸造を手がけるようになります。同じ年にヴリニーへ再び居を移し、1957年には父ロジェ・セルジャンが独立して自身の経営を興しました。村の協同組合の力を借りながら生産と販売を広げた、この父の代の銘柄は、今も途絶えることなく受け継がれています。 家業に加わったのは2007年から2008年にかけてのこと。醸造学を修め、大手メゾンのルイ・ロデレールで原木選抜(マサル・セレクション)を担当した経験を持つギヨーム・セルジャンは、家族の畑の一部を継ぎました。畑は兄弟で分け合い、もう一方がブドウを売る道を選んだのに対し、彼は自らの手で仕込む道を選びます。そして2011年、わずか600本の初リリースとともに自身の名を冠したキュヴェを世に送り出しました。父の銘柄を守りながら自分の名前でも造るという二枚看板の体制は、こうして生まれたのです。

詳細

ギヨーム・セルジャンの拠点は、ランスの西に広がるプティット・モンターニュ・ド・ランスのヴリニー村です。プルミエ・クリュに格付けされたこの村と、隣接するクロム=ラ=モンターニュ村にまたがって、8つの区画・約1.7haの畑を所有しています。シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3品種すべてを手元に持ち、その中にはマサル・セレクション(原木選抜)由来の古木や、1972年・1982年に植えられた区画も含まれます。

この土地の個性を決めているのは土壌です。シャンパーニュの畑の多くは白亜質ですが、ヴリニーの高台には貝の化石を含む腐植質の砂、すなわちクイジアン層の深い砂質土壌が広がり、北東向きの斜面に多く見られます。北東向きの区画レ・プレ(Les Prés)はまさにこの砂質土壌の上にあり、クロム=ラ=モンターニュの南向き区画レ・ヴィーニュ・デュー(Les Vignes Dieu)では砂質の表層にバルトニアン期の石灰岩片が混じります。一方、標高の低い区画はより石灰質・白亜質で、ワインに骨格を与えるとされます。東向きのレ・グラン・シュマン(Les Grands Chemins)にはピノ・ノワール、東西に開けたレ・シャップ(Les Chappes)には粘土石灰質混じりの砂質土壌にピノ・ムニエが植えられ、区画ごとに性格が描き分けられています。

栽培では殺虫剤を使わず、畑には自然な草生を残して生物多様性を保ちます。作業は月の満ち欠けを示す暦に沿って進められ、2019年からは有機栽培の認証取得に向けた正式な転換にも取り組んでいるとされます。ルイ・ロデレールで原木選抜に携わった経験は、優れた樹を選んで畑を受け継いでいくという発想として自身の畑にも生きています。

栽培・生産データ
自社畑面積約1.7ha
区画数8区画
栽培品種3品種(シャルドネ/ピノ・ノワール/ピノ・ムニエ)
主な植樹年1972年、1982年
年間生産量約4,000本
自社名義の初リリース本数600本(2011年)
発酵容器400L古樫樽(使用4〜6年)
ドサージュ1g/L

醸造方針

ギヨーム・セルジャンが属するのはレコルタン・コーペラトゥール(RC)という区分です。自社に圧搾設備を持たないため、ブドウはヴリニー村の協同組合が備える空気圧圧搾機を借りて搾ります。設備投資の負担を抑えながら小さな造り手が自分の名でワインを世に出すための現実的な仕組みであり、搾汁から先の工程はすべてギヨーム自身の判断と手作業に委ねられています。

アルコール発酵は、4〜6年使い込んだ400Lの古い樫樽で行われます。新樽の強い香りを付けず、樽がもたらす穏やかな酸素との触れ合いだけを取り込むための選択です。酵母は培養酵母を使わず野生酵母のみを用い、すべてのキュヴェでマロラクティック発酵を完了させます。

瓶詰めは収穫の翌年1月。清澄もろ過も低温安定化も行わず、ワインが自ら澄むのを待ちます。亜硫酸の使用は圧搾時の1回のみに絞り、動瓶(ルミュアージュ)は全キュヴェ手作業。ドサージュは1g/Lに統一され、いずれもエクストラ・ブリュットに分類されます。

二つの銘柄と生産規模

セルジャン家の畑からは、父の代から受け継がれた協同組合仕込みの銘柄と、ギヨーム自身の名を冠した銘柄という二つのラベルが並行して生まれています。前者は村の協同組合とともに歩んできた歴史そのものであり、後者は自分の畑と自分の判断だけで造るという意思の表明でもあります。継承した造り手が過去を切り捨てず、二本の柱として残した点にこのドメーヌの性格がよく表れています。

自身の名を冠した銘柄の生産量は、年間約4,000本。2011年にわずか600本から出発したことを思えば着実な歩みですが、シャンパーニュ全体から見ればごく小さな規模にとどまります。約1.7haという畑の広さがその上限を決めており、量を追わずに区画ごとの個性を掘り下げるという方向性は、これからも変わらないと考えられます。セルジャン家がブドウと関わってきた時間は1842年から数えて180年を超え、その蓄積が小さな畑の一本一本に流れ込んでいます。

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