Villers-sous-Châtillon / ヴィレ=ス=シャティオン

ヴィレ=ス=シャティオンは、栽培面積の実に約91%をピノ・ムニエが占める、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ屈指のムニエ特化村。オートル・クリュながら、40軒もの生産者がひしめき、柔らかく果実味あふれる個性豊かなシャンパンを生み出している。ムニエの魅力を純粋に味わいたいなら、まずここから始めてほしい。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51700
面積 : 4.84 km2
Coomune内の主要な地区
Reuil, Binson-et-Orquigny,
隣接するクリュ(Coomune)
Belval-sous-Châtillon, Baslieux-sous-Châtillon, Cuchery, Venteuil, Cœur-de-la-Vallée,

「Villers-sous-Châtillon」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Vallée de la Marne Rive Droite
格付け86% Autre Cru [?]
栽培面積21.3 ha
- Chardonnay0.5 ha (2.3%)
- Pinot Noir1.4 ha (6.6%)
- Pinot Meunier19.4 ha (91.1%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培面積19.40 haを占めるピノ・ムニエが村の味わいを決定づける。赤系果実(チェリー、ラズベリー)の親しみやすいアロマ、なめらかな口当たり、早い段階から楽しめる柔軟さがこの村のシャンパンの顔だ。 一方、生産者ごとの個性の幅も広い。コラール・ピカールのように樽発酵・マロラクティック発酵なしで複雑な熟成感を追求するスタイルもあれば、J.・シャルパンティエのようにピノ・ムニエ100%のヴィエイユ・ヴィーニュ(古樹)キュヴェで品種の深みを引き出すアプローチもある。ピノ・ムニエ主体のシャンパンを普段飲み慣れていない人にとって、この村のボトルは「ムニエってこんなに豊かなのか」と気づかせてくれる格好の入り口になる。

テロワール

ヴィレ=ス=シャティオンは、マルヌ川右岸(ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ドロワ)に位置し、標高95〜255 mの変化に富んだ地形を持つ。ブドウ畑は村の北東側、マルヌ谷の支流「Ru de Camp」が刻む小さな側谷に集まり、緩やかな南向き斜面が広がる。この向きは、晩熟品種であるピノ・ムニエが完熟するために必要な日射量を安定して確保するうえで重要な要素となっている。 土壌は右岸に典型的なアルジロ・カルケール(粘土質石灰岩)で、白亜層の上にシルトと粘土が堆積した構成。隣接するバンソン=エ=オルキニーの畑とも地質的に連続しており、適度な保水性と排水性を兼ね備える。左岸のヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ゴーシュと比べると粘土分がやや多く、ピノ・ムニエの丸みと果実の豊かさをより引き出す傾向がある。この粘土質土壌が、ヴィレ=ス=シャティオンのシャンパンに特有のふっくらとしたテクスチャーをもたらしている。

詳細

ヴィレ=ス=シャティオンは、マルヌ県北部、マルヌ川右岸に位置する小村。行政上は2023年1月1日に創設されたコミューン・ヌーヴェル「クール=ド=ラ=ヴァレー」に統合されており、バンソン=エ=オルキニー、ベルヴァル=ス=シャティオン、キュシュリーなどの周辺村とともに新たな行政単位を構成している。ただしシャンパーニュ栽培の原産地呼称上は引き続き独立したコミューンとして機能し、エシェル・デ・クリュ86%のオートル・クリュに格付けされる。総面積484 ha(4.84 km²)、2022年時点の人口は209人という静かな農村だ。

畑はマルヌ谷の支流「Ru de Camp」が刻む側谷に集中し、バンソン=エ=オルキニーの畑と地続きの南向き緩斜面が続く。土壌は粘土質石灰岩(アルジロ・カルケール)で、白亜の基盤岩の上にシルトと粘土が積み重なった典型的な右岸の構成。この粘土分の多さが保水力を高め、晩熟のピノ・ムニエがゆっくりと完熟する環境を生み出している。総栽培面積21.30 haのうちピノ・ムニエが19.40 haと圧倒的な比率を占め、ピノ・ノワールが1.40 ha、シャルドネはわずか0.50 haにすぎない。40軒の生産者が活動しており、村の規模に対して生産者密度が高い。

コラール・ピカール(RM)は15 haの畑を所有し、醸造所をヴィレ=ス=シャティオンに置く。コート・デ・ブランのル・メニル=シュル=オジェにも畑を持ち、村の枠を超えたブレンドを手がける。看板キュヴェ「Essentiel」(シャルドネ50% / ピノ・ムニエ25% / ピノ・ノワール25%)と「Cuvée des Archives」はいずれも樽発酵・マロラクティック発酵なしのスタイルで、複雑な酸とミネラルを引き出す。コトー・シャンプノワの赤ワイン「Les Louves」(ピノ・ムニエ100%)も生産しており、品種への深い理解が感じられる造り手だ。

J.・シャルパンティエ(RM・Vignerons Indépendants)はヴィレ=ス=シャティオンを含む9村に畑を持つ。キュヴェ「Comte de Chenizot」(シャルドネ・ピノ・ムニエ・ピノ・ノワール各1/3)と、ピノ・ムニエ100%のヴィエイユ・ヴィーニュを樽発酵で仕上げる「Cuvée Pierre Henri」が代表作。品種のポテンシャルを丁寧に引き出すスタイルで知られる。

  • コラール・シャルデル(RM)— 8.5 ha。フードル(大型木樽)を使用し、複数のヴィンテージ・キュヴェを手がける。
  • ロジャー・コンスタント・ルメール(RM・Vignerons Indépendants)— 12 ha、マルヌ谷の複数村に畑。全てマロラクティック発酵なしで仕上げ、ブラン・ド・ブラン「Millésime Les Hautes-Prières」(オートヴィレール産)も造る。
  • ロベール・アレ(RM・Vignerons Indépendants)— 13 ha、6村にまたがる畑。マルヌ谷南向き斜面に特化し、3種のヴィンテージ・キュヴェを展開。
  • ダヴィット・クートラス(RM)— 8 ha、年産90,000本。キュヴェ「Louis Victor」(ソレラ方式)や「1809」(シャルドネ80% / ピノ・ノワール20%、コルク紐閉め)など独自の仕様が印象的。
  • ルドヴィック・ダヴィット(RM・Vignerons Indépendants)— ピノ・ムニエ90%・シャルドネ5%・ピノ・ノワール5%の構成。フェスティニー産ピノ・ムニエのみを使ったキュヴェ「Le Clos du Bleu」はジェロボアム瓶のみで販売。
  • ロリオ・ペール・エ・フィス(RM)— 地元に根ざした家族経営の生産者。
  • レミー・コラール(RM)— 同じくヴィレ=ス=シャティオンを拠点とする生産者。
  • アマリー・クートラス(RM)— クートラス家の一員として村のテロワールを表現。

村名の「ヴィレ=ス=シャティオン」は「シャティオン=シュル=マルヌ(Châtillon-sur-Marne)の麓のヴィレ」を意味し、北西に位置する丘上の町シャティオンとの地理的・歴史的つながりを示している。マルヌ右岸の農業・ワイン生産の歴史を持つ村で、近くにはシャトー・ド・ヴィレも存在する。2023年の行政統合によって正式名称は変わったが、シャンパーニュの栽培地図上では今後もヴィレ=ス=シャティオンの名が生き続ける。40軒の生産者たちが守り続けるピノ・ムニエの畑は、マルヌ谷右岸の個性を体現する貴重な存在だ。

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