Châtillon-sur-Marne / シャティオン=シュル=マルヌ

シャティオン=シュル=マルヌは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ドロワを代表するピノ・ムニエの村。全栽培面積の約75%をムニエが占め、右岸特有の果実味豊かでしなやかなスタイルが生まれる。オートル・クリュながらカゼ・ティボーをはじめ個性派RMが揃い、単一畑キュヴェから大樽熟成まで多彩な表情を楽しめる。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51700
面積 : 11.69 km2
Coomune内の主要な地区
Montigny-sous-Châtillon,
隣接するクリュ(Coomune)
Anthenay, Mareuil-le-Port, Vandières, Cuisles, Baslieux-sous-Châtillon, Œuilly, Cœur-de-la-Vallée,

「Châtillon-sur-Marne」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Vallée de la Marne Rive Droite
格付け83% Autre Cru [?]
栽培面積238.8 ha
- Chardonnay18.7 ha (7.8%)
- Pinot Noir40.7 ha (17%)
- Pinot Meunier179.4 ha (75.1%)
- その他0 ha (0%)

特徴

シャティオン=シュル=マルヌのシャンパンはピノ・ムニエが主役。赤果実のやわらかな甘みと、スパイスを思わせるニュアンスが特徴で、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ右岸らしい親しみやすい飲み口が魅力だ。カゼ・ティボーの100%ムニエはDecanterが「クリスプで純粋かつ爽やか」と評し、その軽快さは食前酒や魚料理との相性が抜群。一方、シャルリエ・エ・フィスのように全キュヴェをラージオークバレルで熟成させる造り手もおり、ムニエにふくよかな質感と複雑味を加えたスタイルも楽しめる。ムニエの奥深さを再発見したいシャンパン好きにとって、この村は見逃せない選択肢だ。

テロワール

シャティオン=シュル=マルヌの畑は、村を取り囲む丘陵と、Ru de Belval(ベルヴァル小川)が刻む支流渓谷の両斜面に広がる。斜面の向きは北向きを除くほぼ全方位にわたり、西側はヴァンディエール方向へ、東側はBinson-et-Orquigny方向へと緩やかに傾く。標高は約148 m、平野部よりも高い位置に村が築かれており、マルヌ川からは北へ約1.5 kmほど離れている。 地質はヴァレ・ド・ラ・マルヌ右岸に典型的な第三紀の砂岩・粘土質石灰岩を基調とし、斜面下部では沖積土が堆積する区画も見られる。粘土の比率が高い土壌はピノ・ムニエの生育に適しており、総栽培面積238.80 haのうち179.40 haをムニエが占める背景にはこの土壌特性がある。一方、Le Bois SercelinやSous le Boisといった斜面上部のリュー・ディではピノ・ノワールやシャルドネが栽培されており、石灰岩の露出が多い区画では酸が引き締まった別スタイルも生まれる。粘土が保持する水分と石灰岩が促す排水性のバランスが、ムニエの丸みとピノ・ノワール由来のストラクチャーとを両立させる土台となっている。

詳細

シャティオン=シュル=マルヌは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ右岸(北岸)の丘の上に立つコミューンで、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ドロワ地区に属する。マルヌ川からは北へ約1.5 kmに位置し、コミューン域はマルヌ川まで延びるものの川沿いに畑や集落はない。コミューン面積は1,169 ha、人口約625人(2023年)。エペルネ郡(Arrondissement d'Épernay)、カントン: Dormans-Paysages de Champagneに属し、モンターニュ・ド・ランス自然公園の中心部に含まれる。東側にはRu de Belvalが流れ、その向こうにはコミューン内の小村モンティニー(Montigny-sous-Châtillon)がある。周辺にはバリュー=ス=シャティオンキュイルヴァンディエールマレイユ=ル=ポールウイィクール=ド=ラ=ヴァレーが隣接する。

畑はヴァンディエール側の西斜面とBinson-et-Orquigny側の東斜面に広がり、リュー・ディごとに向きと品種構成が異なる。Les Leriens(村北西・南東〜南西向き)ではシャルドネピノ・ムニエが半々で栽培され、カゼ・ティボーがシングルヴィンヤードキュヴェに使用。Sous le Bois(村北北西・南向き)ではシャルドネを、Le Bois Sercelin(北北東・緩やかな東南東向き斜面下部)ではピノ・ノワールシャルロ・ペール・エ・フィスが単品種シャンパーニュに仕立てる。Le Bois du Binson(斜面上部・森縁直下)はÉric Taillet(バリュー=ス=シャティオンを拠点とするRM)がヴィンヤード・デジグネートに使用することで知られる。

カゼ・ティボーはシャティオン=シュル=マルヌを代表するRMのひとつ。ヴィンテージキュヴェ(ピノ・ムニエ70%+ピノ・ノワール30%)のほか、Les Leriens、Jossias(ヴァンディエール産ピノ・ノワール)、Les Fourches(ヴァンディエール産シャルドネ)という樽熟成シングルヴィンヤードシリーズを展開する。Decanterが「クリスプで純粋かつ爽やか」と評した100%ムニエのキュヴェは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ右岸らしいスタイルの好例として広く知られる。

シャルリエ・エ・フィスはスペシャル・クラブ認定生産者。15 haの畑を持ち(ピノ・ムニエ69%/シャルドネ20%/ピノ・ノワール11%)、年間約12万本を生産する。全キュヴェにラージオークバレルを使用するスタイルが特徴で、スペシャル・クラブはヴィンテージによりシャルドネ主体のアッサンブラージュになる場合もある(2004年: シャルドネ80%/ピノ・ムニエ10%/ピノ・ノワール10%)。旧称はシャルリエ=ペラン(Charlier-Perrin)。

シャティオン=シュル=マルヌはガロ・ローマ時代から「Castellionum super Matronam(マルヌ川上の城砦)」と呼ばれた要衝で、マルヌ渓谷を見下ろす丘の上に築かれた。主要街道の交差点に位置したため幾度も破壊と再建を繰り返し(少なくとも20回)、現在は城壁の一部のみが残る。古いバイヤジュ裁判所の建物は現在の市庁舎として使用されている。

この村が世界史に登場する最大の理由は、第1回十字軍を提唱した教皇ウルバヌス2世(在位1088〜1099年、本名エウドゥス・ド・シャティオン)の出身地であることだ。1887年7月21日、高さ9 m(台座含め25 m)のケルサントン花崗岩製凱旋像が除幕され、2万人の群衆が集まったとされる。現在もこの像はシャティオンのシンボルとして村の丘に立ち、ポール・アザールのキュヴェ名にもその名が刻まれている。また十字軍の騎士レナン・ド・シャティオン(Reynald of Châtillon)もこの地の出身で、1187年のエルサレム陥落・第3回十字軍のきっかけを作った人物として知られる。1391年には領主権がフランス王家に移り、1973年に隣接するキュイルが一時編入されたが、2006年に再び独立コミューンとなった。

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