Cuisles / キュイル
基本情報
| 地域圏(Région) | Grand Est |
| 県(Département) | Marne |
| 区(Arrondissement) | Reims |
| 郵便番号 : | 51700 |
| 面積 : | 2.77 km2 |
| 隣接するクリュ(Coomune) | |
| Anthenay, Olizy, Châtillon-sur-Marne, Jonquery, Baslieux-sous-Châtillon, |
「Cuisles」のぶどう畑
| テロワール | Vallée de la Marne - Vallée de la Marne Rive Droite |
| 格付け | 86% Autre Cru [?] |
| 栽培面積 | 33.2 ha |
| - Chardonnay | 2.7 ha (8.1%) |
| - Pinot Noir | 5.5 ha (16.6%) |
| - Pinot Meunier | 25 ha (75.3%) |
| - その他 | 0 ha (0%) |
特徴
テロワール
詳細
キュイルはヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ドロワ(マルヌ川右岸)に属する小村で、マルヌ川の支流であるRu de Jonqueryに沿った側谷の奥に位置します。コミューン面積は約277 ha、人口127人(2022年)という小規模な村ながら、33.20 haのブドウ畑を抱えます。北北東にジョンクリー、南東・南にバリュー=ス=シャティオン、南西にシャティオン=シュル=マルヌ、北北西にオリジーと接しています。
テロワールの核心は、この地域に固有の三層土壌構造にあります。表層の砂質粘土、深さ約75cmに存在するイライト(緑色粘土)層、そして下層の白亜質粘土がそれです。イライト層はコスメティクス・美容製品に使われる素材と同質で、典型的なシャンパーニュのチョーク土壌と比較して保水性・栄養素ともに高く、ブドウの根がこの層に集中します。過去にこの粘土層を活用した煉瓦・タイル工場が村に2軒存在したことが、土壌の特異性を物語っています。気候面では、マルヌ川に直交する側谷の地形が雨雲の通過を妨げるシェルターとなり、川沿いの村々と比べて年間降雨量が約25%少ない独自のマイクロクライメットを形成しています。主な畑区画としてはLes Fortes Terres(東向き、斜面上部)、Les Varosses(東向き、斜面上部)などが知られています。
キュイルを代表する生産者はMoussé Filsです。スローガン「Profondément Meunier(深くムニエ)」を掲げ、1923年から自家元詰めを続ける家族経営のレコルタン・マニピュラン(RM)。キュイル、ジョンクリー、シャティオン=シュル=マルヌ、ヴァンディエールに計5.6 haを所有し、年産約5万本。Club Trésors de Champagneのメンバーとして、100%ピノ・ムニエのスペシャル・クラブを初めてリリースした生産者でもあります(2005年ヴィンテージ)。主なキュヴェにはL'Or d'Eugène(ソレラ方式リザーブワイン)、Terre d'Illite(ヴィンテージ、95%ムニエ)、Anecdote(ブランク・ド・ブラン、Les Varossesのシャルドネ使用)があります。
もう一軒の注目生産者がHeucq Père & Fils、現在改称してアンドレ・ユック(Andre Heucq、RM)です。6 haを管理し、主要区画はキュイル(70%ムニエ、15%シャルドネ、15%ピノ・ノワール)。ビオディナミ農法を実践し有機認証を取得済み、一部オーク樽醸造を採用するなど手仕事へのこだわりが際立ちます。Cuvée Antique(ヴィンテージ)、Cuvée Originel(完全オーク熟成、70%ムニエ)、H-60(ブランク・ド・ブラン、海面下60m熟成・少量生産)などユニークなキュヴェが揃います。なお、Moussé家とHeucq家は親族関係にあり、127人規模の小村らしい結びつきが今もこの地のシャンパン造りを支えています。
- セバスチャン・パスカル(Sébastien Pascal / Château de Cuisles、ネゴシアン・マニピュラン)— キュイルのシャトーを拠点とするNM。2000年にワイン農家のパスカル・ドレット家が取得し、14村に及ぶ畑からキュヴェを展開する。
- ルシアン・オルバン(Lucien Orban / Hervé Orban、RM)
- シュレイナー(Schreiner / Jean-Pierre Schreiner、RM)
キュイルの歴史は小村ならではの紆余曲折を経ています。1793〜1851年には人口が152人から248人へと増加した時期もありましたが、その後は漸減し現在も127人前後にとどまります。1973年7月1日に隣村シャティオン=シュル=マルヌと合併しましたが、2006年3月1日に独立コミューンとして再分離。シャンパーニュのコミューン数を318から319に戻したことで知られます。独立回復の背景には、独自のテロワールへの誇りと、それを守り続けてきた生産者たちの意志があったといえるでしょう。
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