Olizy / オリジー

オリジーは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ドロワ(マルヌ谷右岸)の東端に位置するオートル・クリュの村。栽培面積約51 haのうち9割以上をピノ・ムニエが占め、粘土質土壌がムニエの豊かな果実味を育む、知る人ぞ知るムニエ産地です。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51700
面積 : 4.57 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Anthenay, Villers-Agron-Aiguizy, Jonquery, Cuisles, Romigny,

「Olizy」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Vallée de la Marne Rive Droite
格付け84% Autre Cru [?]
栽培面積50.9 ha
- Chardonnay2 ha (3.9%)
- Pinot Noir2.8 ha (5.5%)
- Pinot Meunier46.1 ha (90.6%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培品種の9割超がピノ・ムニエというオリジーのシャンパンは、赤いベリーやさくらんぼを思わせる果実の風味と、柔らかな花の香りが特徴的だ。粘土質が生み出す丸みのある口当たりは早い段階から楽しみやすく、カジュアルなパーティーや食前酒として扱いやすい。一方で優れた生産者のものは、塩気を帯びたミネラル感と繊細なスパイスのニュアンスが加わり、料理との相性の幅が広がる。果実感を前面に出した親しみやすいスタイルでありながら、土地のミネラルが骨格を与えるため、シャンパーニュに慣れ始めたころに選ぶと新たな発見がある一本となるだろう。

テロワール

オリジーはヴァレ・ド・ラ・マルヌのマルヌ川北側、右岸エリアの最も東側の村のひとつに数えられる。標高は120〜243 mに及び、北側にはモン・デュゼ(219 m)の丘陵が控えている。ブドウ畑はコミューン東部に集中し、南西〜南向きの斜面に展開する。この向きはシャンパーニュの短い日照時間を最大限に利用するうえで重要であり、緩やかな傾斜とあいまってブドウを穏やかに成熟させる。 土壌は石灰質マールの上に粘土層を持つ構成で、周辺の右岸全体に共通する特徴を備えつつ、この一帯には「イリライト(illite)」と呼ばれる緑色の粘土鉱物が含まれているのが際立った特色だ。化粧品原料にも用いられるほど独特のコロイド性を持つこの粘土が、ピノ・ムニエに水分と栄養を安定供給し、豊かな果実表現を促すとされる。東に隣接するジョンクリー、南のキュイルと畑が連続して広がり、土壌の連続性が見て取れる一方で、オリジー固有の標高帯と南西向き斜面がより引き締まったミネラル感をもたらす。

詳細

オリジー(Olizy)はマルヌ川の北岸(右岸)に位置するが、川に直接面しているわけではなく、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ドロワエリアのなかで最も内陸・東側に入り込んだ村のひとつだ。コミューン面積は457 ha、郵便番号51700、マルヌ県グラン・エスト地域圏に属する。北東にロミニー、東にジョンクリー、南にキュイル、西にAnthenayとVillers-Agron-Aiguizyが隣接し、東側ではジョンクリーの谷とヴィーニュ・デ・ロン・シャン(Vignes des Longs Champs)の斜面が連なる。行政上はかつてOlizy-Violaine、Olizy-la-Montagne、Olizy-sous-Châtillonなどとも呼ばれた複合的な歴史を持つ村で、南東にはヴィオレーヌ(Violaine)の集落が含まれる。

テロワールの核心はイリライト(illite)と呼ばれる緑色粘土を含む土壌にある。石灰質マールを基盤とし、その上に重なる粘土層がピノ・ムニエの生育に適した保水・保肥力を発揮する。同じ右岸でも隣村キュイルの一帯でこの土壌は特に顕著で、ピノ・ムニエの名産地として広く知られている。オリジーの畑はコミューン東部に集まり、南西〜南向きの緩やかな斜面が日照を確保する。ブドウ畑はロミニーおよびジョンクリーの畑と連続して広がっており、隣村との境界はテロワールの観点から明確に分断されているわけではない。総栽培面積は約50.90 ha、そのうちシャルドネ2.00 ha・ピノ・ノワール2.80 ha・ピノ・ムニエ46.10 haとピノ・ムニエが圧倒的多数を占め、この品種比率こそがオリジーのシャンパンの個性を規定している。生産者は24軒を数え、いずれも小規模な栽培農家が中心だ。

この村で特筆すべき生産者がErard-Salmonだ。レコルタン・マニピュラン(RM)として、オリジーを中心に周辺7つの村に合計9.5 haの畑を展開する。ヴィンテージ・シャンパンはシャルドネ・ムニエ・ピノ・ノワールを各3分の1ずつブレンドした構成で、品種の個性をバランスよく引き出す仕立て。「l'Epicurienne(レピキュリエンヌ)」はその中でも樽醸造で仕上げたヴィンテージ・キュヴェであり、オリジーの果実味にオーク由来の奥行きを加えた一本として知られる。また、隣村キュイルを本拠とするCédric Moussé(ファミーユ・ムッセ)がオリジー・ヴィオレーヌにも畑を構え、ピノ・ムニエの精緻な表現を追求するグロワーとして国際的な評価を集めている点も特筆に値する。

歴史的には14世紀にギー(Guy)という領主が支配する城館(maison forte)が存在したことが記録に残る。また1215年には別のギーがシャンパーニュ伯に対して臣従の誓いを立てたとされ、中世から貴族支配の拠点であったことがわかる。ヴィオレーヌ村(旧称:Vieulainnes)は1346年の十分の一税台帳に記載されており、オリジー自体も「Olisi」の表記で中世の記録に初出する。1789年のフランス革命期の三部会選挙時には、フランソワ・セイマール・ド・ベル=イルがヴィオレーヌ・オリジー一帯の領主として名を連ねていた。長い歴史を経て今日では人口148人(2023年)の小村ながら、ピノ・ムニエ一色のテロワールを守る生産者たちが静かに高品質を追求している。

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「Olizy」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報