Heucq Père & Fils / ユック・ペール・エ・フィスは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Cuislesを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Heucq Père & Fils / ユック・ペール・エ・フィス

Heucq Père & Fils

ユック・ペール・エ・フィス

ユック・ペール・エ・フィス(Heucq Père & Fils)は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区キュイル村を拠点とするRM生産者。ムニエを主体とした繊細でエレガントなスタイルと、自社畑100%の有機農業(AB)認証で知られる、家族経営4代目の造り手。

基本情報

地区Vallée de la Marne / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
- Vallée de la Marne Rive Droite / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・リヴ・ドロワ
村51700 Cuisles / キュイル
所在地6 rue eugÈne moussÉ, 51700 Cuisles (Google Maps)
公式サイトhttp://champagne-heucq.com/
製造業者種別RM
インポーター株式会社オーレジャパン
関連銘柄familygroup

商品更新情報

特徴・スタイル

ユック・ペール・エ・フィスのシャンパーニュは、キュイル村特有の三層土壌のうち、ムニエの根が集中して張る緑色粘土「イライト」層がもたらすミネラル感と熟成ポテンシャルを併せ持つ。一部キュヴェはムルソー産の中古樽で醸し、あえて軽やかな樽香をまとわせる。2018年以降は土着酵母による発酵と亜硫酸無添加を志向し、素材そのものの表情を引き出す造りへと転換した。ステープル・キュヴェ「H-60」では、瓶詰め後のムニエを水深60mの海中で熟成させるという独自の手法も採用し、テロワールへの探究心を体現している。

歴史・ブランドストーリー

ユック家がキュイル村でシャンパーニュ造りを始めたのは1936年。曾祖父アンドレ・ユックが、それまで自家消費用に造っていたワインを初めて商業ボトリングし、職人ヴィニュロンとして創業した。1955年には祖父ロジェ・ユックが継承し、現在の自社畑の大部分を植樹して基盤を拡大。 1973年、父アンドレ・ユック(曾祖父と同名)が三代目を継ぎ、ムニエを重視し樽熟成を活かす繊細でエレガントな「ユック・スタイル」を確立するとともに、生産施設を全面エコロジー仕様へ刷新してビオディナミにも着手した。 現在は四代目のアレクサンドル・ユックとファニー・ユック兄妹が両親とともに経営を担う。2018年頃にはブランド名を「Heucq Père & Fils」から、現当主と同名の「André Heucq」へと改め、創業者への敬意を刻んでいる。

詳細

ユック・ペール・エ・フィスは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区キュイル村を拠点に、マルヌ川に垂直な側谷という独特の立地で栽培を行うレコルタン・マニピュラン(RM)です。自社畑はキュイル村を中心に34区画、5.70〜6haに広がり、周辺の川沿い集落よりも降雨が少ない微気候に恵まれています。

レコルタン・マニピュランとは、自ら栽培したぶどうのみを使い、栽培から醸造、瓶詰めまでを一貫して手がける生産者を指す称号であり、ユック・ペール・エ・フィスもキュイル村の畑に根差した一貫生産を貫いています。

畑の土壌はキュイル特有の三層構造を持ちます。表層は砂質粘土、下層は白亜質粘土ですが、その中間に位置する緑色粘土「イライト」層が特徴的で、保水性と栄養分に富み、ムニエの根が集中して張ることで知られています。品種構成もムニエが約70〜80%を占め、シャルドネとピノ・ノワールがそれぞれ約15%を補う、ムニエ主体の畑構成です。この土壌構成が、ユック・ペール・エ・フィスのシャンパーニュに特有のミネラル感と、長期熟成に耐えるポテンシャルを与えているとされています。

栽培の中心に据えるのはビオディナミ農法です。畑には草生栽培を取り入れて土壌の生態系を守り、耕作には馬を使う馬耕を採用することで土壌への圧密を避けています。さらに牛糞角つの調合剤や、月齢に応じた植物由来の調合剤散布など、伝統的なビオディナミの手法を実践しています。2014年12月には有機認証取得への取り組みを開始し、2018年に初のオーガニック認証収穫を迎えました。現在では自社畑面積の100%が有機農業(AB)認証を取得しており、ビオディナミ認証についても取得手続きを進めている(コンバージョン中)段階にあります。

栽培データ
項目内容
自社畑面積5.70〜6ha(34区画)
品種構成ムニエ約70〜80%、シャルドネ約15%、ピノ・ノワール約15%
有機農業認証(AB)取得2018年(取り組み開始:2014年12月)
AB認証畑面積比率100%

醸造方針

醸造では、一部キュヴェをブルゴーニュ型の木樽(ムルソー産、2回目使用)で仕込み、意識的に軽やかな樽香を纏わせています。ロゼはサイニェ方式で古樹ムニエを使用して仕上げます。樽熟成のみで仕込まれる「Histoires」も、この木樽由来のニュアンスを軸としたキュヴェ群です。

2018年以降は土着酵母による発酵に切り替え、糖分添加を抑制するとともに、亜硫酸無添加での醸造にも取り組んでいます。ステープル・キュヴェ「H-60」では、瓶詰め後のムニエを水深60mの海中で熟成させるという独自の手法を採用しています。通常のセラー熟成とは異なる環境下での熟成試みとして知られています。

環境への取り組みと認証

生産施設は環境配慮を徹底しており、太陽光などによる電力の自給、雨水の利用、湧水の取水、カナダ式通気システムによる自然換気、洗浄水の再利用まで取り入れています。これらはすべて、キュイルの自然環境に負荷をかけずに高品質なぶどうを育てるための取り組みです。

また、ムニエ品種の価値向上をミッションとするMeunier Institut(ムニエ研究所)の会員でもあり、キュイルという産地の個性を体現するムニエの魅力を発信する立場にもあります。こうした環境配慮の姿勢は、ビオディナミ農法によるぶどう栽培から、醸造・瓶詰めに至るまで一貫しており、キュイルのテロワールを次世代へ引き継ぐ取り組みの一環に位置づけられています。

ラインナップ構成

ラインナップは、曾祖父から受け継いだ歴史的キュヴェ群である「Héritage」、単一区画・単一品種・単一年で仕立てる「Hommage Parcellaire」、樽熟成のみで極少量生産される「Histoires」という3つの柱に加え、低収量の古樹・遅摘みぶどうによるスティルワイン(赤)「Les Coteaux Champenois」で構成されています。いずれのレンジも、キュイルという単一コミューンに根差した造り手だからこそ描ける、畑ごとの個性の違いを映し出しています。

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