Passy-sur-Marne / パッシー=シュル=マルヌ

パッシー=シュル=マルヌは、栽培面積の約64%をピノ・ムニエが占める、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ西端の隠れた実力派コミューン。オートル・クリュ格付けながら、「メアンドル・ド・パッシー」と呼ばれるマルヌ川の蛇行部に面した斜面からは、桃や白い花を思わせるフルーティで飲み飽きないシャンパンが生まれる。

基本情報

地域圏(Région)Hauts-de-France
県(Département)Aisne
区(Arrondissement)Château-Thierry
郵便番号 : 02850
面積 : 3.71 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Courthiézy, Reuilly-Sauvigny, Courtemont-Varennes, Trélou-sur-Marne, Barzy-sur-Marne,

「Passy-sur-Marne」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Terroir de Condé
格付け85% Autre Cru [?]
栽培面積171.3 ha
- Chardonnay28 ha (16.3%)
- Pinot Noir34.1 ha (19.9%)
- Pinot Meunier109.2 ha (63.7%)
- その他0 ha (0%)

特徴

ピノ・ムニエ主体のシャンパンはレモン、桃、白い花といったフレッシュなアロマを前面に出しながら、熟成とともにヘーゼルナッツやブリオッシュのニュアンスを帯びる。コート・デ・ブランのシャルドネ中心のシャンパンと比べると、酸は穏やかで口当たりが柔らかく、初めてシャンパンを開ける食卓にも自然と溶け込む。 ピノ・ノワール(約20%)がブレンドされるキュヴェはしっかりとした骨格が加わり、食中酒としての幅が広がる。一方、セルヴォー・フィスのMeunier d'Antanのようにムニエ単独の特性を追求するキュヴェは、品種本来の果実のみずみずしさを堪能したいファンに支持されている。軽やかで果実味豊かなスタイルは、魚介のグリルや鶏のロースト、アジア料理のような複雑なスパイスとも相性がよく、シャンパンの守備範囲を広げてくれる一本だ。

テロワール

パッシー=シュル=マルヌのブドウ畑は、マルヌ川右岸(北岸)の丘陵に広がり、標高62〜229 mの起伏ある地形のなかで、主に西向きから南向きにかけての斜面に集中している。南南東向きの区画も一部存在し、日照条件は多様だ。 この村の土壌を特徴づけるのは、粘土石灰質(アルジロ・カルケール)を基盤に砂質の下地が混じる構造である。隣接するトレルー=シュル=マルヌやバルジー=シュル=マルヌとひと続きのブドウ畑ブロックを形成しており、渓谷底に近い区画ほど保温性の高い重めの土壌が広がる。この性質がピノ・ムニエの生育に適しており、品種構成の6割超をムニエが占める背景にもなっている。 マルヌ渓谷特有の春霜リスクに対しては、ムニエの遅い芽吹き特性が自然の保険として機能する。また丘陵の急勾配と養分の少ない痩せた土壌が収量を自然に制限し、凝縮した果実味を引き出す。なかでも「メアンドル・ド・パッシー」と呼ばれるマルヌ川の蛇行部に面した斜面は、日照と水はけのバランスが優れた最良区画とされ、村の個性を最も鮮明に映し出すテロワールとなっている。

詳細

パッシー=シュル=マルヌは、エーヌ県南部のマルヌ渓谷に位置するコミューンで、シャトー=ティエリとエペルネを結ぶマルヌ川の中間地帯にある。行政上はテロワール・ド・コンデのサブエリアに属し、コンデ・アン・ブリーの東側に隣接する。コミューン総面積は371 ha、人口は約139人(2023年)と小さな村だが、171.30 haという広めの栽培面積を持つ。 右岸側の隣村は東にトレルー=シュル=マルヌ、北にバルジー=シュル=マルヌ。マルヌ川を挟んだ左岸側には南東にクルティエジー、南西にルイイ=ソヴィニー、北西にクルトモン=ヴァレンヌが広がる。ブドウ畑は村の北から東にかけてひと続きのブロックを形成しており、バルジー=シュル=マルヌおよびトレルー=シュル=マルヌの畑と地続きになっている。

テロワール詳細

畑の斜面は主に西向きから南向き(一部南南東向き)で、標高62〜229 mの幅広いレンジに展開する。土壌は粘土石灰質(アルジロ・カルケール)を基盤に砂質の下地が混じる構成で、保温性が高く重めの性質を持つ。この土壌特性がピノ・ムニエの栽培に最適であり、総栽培面積171.30 haのうち109.20 haをムニエが占める(64%超)。ピノ・ノワールは34.10 ha(約20%)、シャルドネは28.00 ha(約16%)で続く。なかでも「メアンドル・ド・パッシー」と呼ばれるマルヌ川の蛇行(メアンダー)に面した斜面区画は、日照と水はけのバランスが特に優れた最良区画として村内でも高く評価されている。

主要生産者

セルヴォー・フィス(RM)は村を代表する老舗で、1950年代にジョルジュ・セルヴォーが荒廃した丘陵を切り開いて設立。現在は3代目のエロディ、ニコラ、ユゴー兄弟が計15 haを管理し、ムニエの個性を最大限に引き出すテロワールレンジ「Meunier d'Antan」などが国内外で評価を得ている。

アラン・ナヴァール(RM)は現村長でもある生産者。6.6 haの自社畑(南向き斜面10.06 ha分)でシャルドネ・ピノ・ノワール・ピノ・ムニエをほぼ均等に近い比率で栽培し、代表キュヴェ「ジェネラシオンIV」はヴィンテージ仕様で品質への評価が高い。

  • ビアール・ロヨー(RM)— ビアール兄妹が運営する4世代続く家族経営。1947年に祖父が初ヴィンテージを生産した歴史を持ち、伝統的なコカール・プレスによる手摘み収穫と、南南東向き斜面の粘土石灰質土壌の区画が特徴。
  • ダルナック・エ・フィルス(RM)— 全畑がパッシー=シュル=マルヌ内に集中。ヴィンテージ「1001 Nuits」はシャルドネを優位にした三品種ブレンド。
  • ルクー・メルシエ(RM)— パッシー、バルジー、シャトー=ティエリ、ドルマンに計7 haを所有。シャルドネとピノ・ノワールを50/50でブレンドしたヴィンテージが代表。
  • アラン・メルシエ(RM)— ピノ・ノワール100%のヴィンテージを手がける個性派。

歴史・由来

パッシー=シュル=マルヌは16〜17世紀にアングルベルメール家の領主支配下に置かれた小さな村で、マルヌ渓谷のワイン産地としての近代化は比較的遅く、本格化したのは1950年代以降のことである。戦後の荒廃した丘陵をジョルジュ・セルヴォーらが切り開きブドウ畑を復活させ、その後小規模な家族経営のRMとRC(レコルタン・コペラトゥール)が根付いた。協同組合「La Grapillière」も村内に一軒存在し、個人生産者とともに村の生産基盤を支えている。大手ネゴシアン・マニピュランの存在感が薄いこのコミューンは、現在もグロワーたちがテロワールの個性を自らの手で醸造・瓶詰めする体制を守り続けており、マルヌ渓谷西端の知られざるムニエの産地として、少量生産のキュヴェを求めるファンから静かに注目を集めている。

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「Passy-sur-Marne」を拠点とするシャンパン銘柄

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