Trélou-sur-Marne / トレルー=シュル=マルヌ

トレルー=シュル=マルヌは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌの西端サブリージョン「テロワール・ド・コンデ」最大の栽培面積を誇る村。オートル・クリュながら346ヘクタールの畑の約71%をピノ・ムニエが占め、川霧に育まれた豊かな果実味が個性の源だ。しかもこの地では、古木シャルドネを樽で仕込んだブラン・ド・ブランさえ生まれる——ムニエの村という先入観を、一度飲めば必ず覆される。

基本情報

地域圏(Région)Hauts-de-France
県(Département)Aisne
区(Arrondissement)Château-Thierry
郵便番号 : 02850
面積 : 20.35 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Dormans, Courthiézy, Vincelles, Champvoisy, Passy-sur-Marne, Ronchères, Courmont, Barzy-sur-Marne, Le Charmel,

「Trélou-sur-Marne」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Terroir de Condé
格付け85% Autre Cru [?]
栽培面積346.1 ha
- Chardonnay41.1 ha (11.9%)
- Pinot Noir58.3 ha (16.8%)
- Pinot Meunier246.7 ha (71.3%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培面積の約71%を占めるピノ・ムニエが、この村のシャンパンの骨格を決める。完熟した赤系果実の香り、丸みのある口当たり、早めに開くやわらかな余韻——ムニエらしい親しみやすさが基本にある。 ただし優良グロワールはそこで止まらない。ヴーヴ・オリヴィエ・エ・フィスの「ラ・カショット」は古木シャルドネ100%の樽発酵で、この村からブラン・ド・ブランが生まれることを証明する。メテイエ・ペール・エ・フィスはムニエ100%・無投与の古木キュヴェやピノ・ノワール100%など品種特化のラインアップを揃える。ムニエの果実味を楽しみたい方にも、品種の深みを探りたい上級者にも、それぞれの入口が用意されている村だ。

テロワール

トレルー=シュル=マルヌの畑は、マルヌ川右岸(北側)のエーヌ県に広がり、主村と東上流のシャサン、西下流のクールセルという2つのハムレット周辺に点在する。一部は円形劇場状(アンフィシアトル)の地形を成し、斜面は概ね緩やか。向きは主に南東だが、南西から東にかけてのバリエーションもある。 土壌は粘土・泥灰(マール)・砂質が混在するタイプで、コート・デ・ブランに代表されるような純粋な白亜(チョーク)質とは異なる。石灰岩の影響は受けつつも、より重く冷涼な性格を持つこの土壌は、同じヴァレ・ド・ラ・マルヌでも上流のグランド・ヴァレ側の村々とは質感が異なる。 マルヌ川に沿う地形から朝霧が発生しやすく、開花期の霜害や灰色カビ病のリスクが存在する。ピノ・ムニエはシャルドネやピノ・ノワールより発芽が数日遅いため霜害を受けにくく、この冷涼で重い土壌との相性も高い。こうした環境条件の積み重ねが、ムニエを主役に据えた村の個性を自然に形成している。

詳細

トレルー=シュル=マルヌは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのサブリージョン「テロワール・ド・コンデ」に属するコミューンで、マルヌ川右岸(北側)のエーヌ県内に位置する。行政的にはシャトー=ティエリ郡、エソーム=シュル=マルヌ・カントンに属する。コミューン面積は約20.35 km²(2,035 ha)で、人口は952人(2023年)。主村のほかに、東上流の「シャサン(Chassins)」、西下流の「クールセル(Courcelles)」という2つのハムレットを含み、コミューン北部の大半は森林に覆われている。

右岸の隣接コミューンは、北東にヴァンセル、北北東にシャンヴォワジー、西北西にバルジー=シュル=マルヌ、西南西にパッシー=シュル=マルヌ。マルヌ川を挟んだ左岸対岸にはドルマンクルティエジーが位置する。テロワール・ド・コンデという名称は、ケルト語で「川の合流点」を意味する言葉に由来し、このサブリージョンにはトレルーを含む4村が属する。テロワール・ド・コンデの中でトレルー=シュル=マルヌは最大の栽培面積(346.10 ha)を有する。

テロワール

畑は主村・シャサン・クールセルの各ハムレット周辺に広がり、一部は円形劇場状の地形(アンフィシアトル)を形成する。斜面は全体的に緩やかで、主な向きは南東だが南西から東にかけたバリエーションも見られる。土壌は粘土・泥灰(マール)・砂質が混在するタイプ。コート・デ・ブランに見られる純粋な白亜質とは異なり、石灰岩の影響を受けながらも重く冷涼な性格を持つ。この土壌組成がピノ・ムニエの早熟性・耐冷性と高い親和性を示し、栽培面積の約71%をムニエが占める根拠となっている。マルヌ川沿いの地形から朝霧が発生しやすく、開花期の霜害や灰色カビ病リスクが存在するが、ムニエはシャルドネやピノ・ノワールより発芽が数日遅いため霜害被害を相対的に受けにくい。

主要生産者

ヴーヴ・オリヴィエ・エ・フィス(RM)は村を代表するグロワールで、18 haの自社畑を持つ。旗艦キュヴェ「ラ・カショット(La Cachotte)」は古木シャルドネ100%を樽で発酵・熟成させたブラン・ド・ブランで、ムニエ主体のイメージが強いこの村から際立った複雑性を持つシャンパンが生まれることを示す。ヴィニュロン・アンデパンダンジェネラシオン・シャンパーニュに加盟。

メテイエ・ペール・エ・フィス(RM)は品種特化キュヴェで注目される生産者。「Nuits Blanches」(シャルドネ100%)、「Exclusif」(ムニエ100%・古木・無投与)、「Expression Noir」(ピノ・ノワール100%)と、3品種それぞれを単独で表現するラインアップを揃える。ヴィニュロン・アンデパンダン加盟。

協同組合としては、クールセルに「Coopérative Vinicole Bellevue-sur-Marne」、シャサンに「Coopérative Vinicole de Chassins(ラ・シャシノワーズ)」が活動している。大手ではモエ・エ・シャンドンがこの村からブドウを継続的に調達していることが知られている。

歴史

トレルー=シュル=マルヌは、シャンパーニュ地方のフィロキセラ禍において歴史的な記録を残す村でもある。1890年8月6日、シャンパーニュ地方で最初のフィロキセラ感染が確認されたのは、ハムレット・シャサン内の「モンクーヴァン(Montcouvent)」区画だった。病害はマルヌ川流域に急速に広がり、ブドウ畑に壊滅的な打撃を与えた。現在、コミューンの領域境界に立つカルヴェール(十字架の碑)には、この歴史的事実を記念するプレートが設置されており、訪れる者に当時の記憶を伝えている。

栽培面積は1997年時点の299 haから2013年には347 haへと拡大しており、この間におよそ50 haの新植が行われた。オートル・クリュ・エシェル85%という格付けながら、高い志を持つグロワールが多く育つ村として、近年その評価は着実に高まっている。

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