Tristan Hyest / トリスタン・イエストは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Trélou-sur-Marneを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Tristan Hyest / トリスタン・イエスト

Tristan Hyest別名:Tristan H.

トリスタン・イエスト別名:トリスタン・H.

トリスタン・イエスト(Tristan Hyest)は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのトレルー=シュル=マルヌ村で1981年創業のドメーヌ。区画ごとに醸造し、瓶内で長期熟成させてから出荷する少量生産のレコルタン・マニピュランで、ドサージュを抑えたテロワール志向のスタイルが持ち味。

基本情報

地区Vallée de la Marne / ヴァレ・ド・ラ・マルヌ
- Terroir de Condé / テロワール・ド・コンデ
02850 Trélou-sur-Marne / トレルー=シュル=マルヌ
所在地34 rue Pascal, 02850 Trélou-sur-Marne (Google Maps)
公式サイト-
SNS@tristanh2
設立1981
製造業者種別RM
インポーターヴィヴィット
生産者表記SODIETE HYEST TRISTAN HYEST

商品更新情報

特徴・スタイル

瓶内で6〜12年という長い年月をかけて熟成させることで生まれるのは、角の取れた丸みとふくよかな厚みをたたえた味わいだ。ドサージュを最小限に抑えているぶん、飲み手の舌には各区画の個性がそのまま輪郭として伝わってくる。区画やブドウ品種ごとに醸造を分けるスタイルのため、ひとつのドメーヌでありながらキュヴェごとの表情は驚くほど幅広い。デゴルジュマンの時期もキュヴェによって変えているので、若々しく生き生きとした味わいから、時を重ねてまろやかになった味わいまで、熟成のグラデーションを飲み比べる楽しみがある。

歴史・ブランドストーリー

1981年、トリスタン・イエストの両親は畑を借地や買い足しながらゼロからこのドメーヌを築いた。1992年には自社元詰めを開始し、単なる原料供給者から一貫生産者への道を歩み始める。 1978年生まれのトリスタンは20歳から各地でワイン造りを学び、複数のシャンパーニュ・ドメーヌで栽培・醸造の経験を積んだ。1999年から家業に加わり、2001年には自ら畑の管理と新植権を引き継いで経営の中核を担うようになる。 2003年、トリスタンは自身が管理する約2.5haの区画から、自らの名を冠した「トリスタン・イエスト」としてシャンパーニュづくりを開始した。以後、新植・購入・借地を重ねて畑を広げ、現在は30区画・約9.78haを所有するまでに成長している。それでも収穫したブドウの約6割は今なおネゴシアンへ売却しており、自社元詰めに回るのは残り4割にとどまる。この比率自体が、量よりも手をかけられる範囲を大切にする姿勢を物語っている。

詳細

畑が広がるのはヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区、格付けオートル・クリュに位置するトレルー=シュル=マルヌ村を中心とする一帯で、一部の区画は隣接する村にもまたがっている。所有する畑は30区画にも分かれており、この細分化こそが、ひとつのドメーヌでありながら多彩な表情を持つキュヴェを生み出す土台になっている。細かく分かれた区画それぞれが異なる表情を持つからこそ、ひとつのキュヴェではなく、区画を主役にした造り分けが生きてくる。約9.78haという畑の広がりは、家族単位の小さな造り手としては決して小さくない規模である。

樹齢は1980年代に植えられた木が主体だが、一部には1970年代植樹の古木区画も残っており、長年地中に根を張ったブドウ樹が果実に厚みを与えている。土壌はピノ・ムニエが中心の区画では粘土質と砂岩が混じり合う土壌、シャルドネを育てる急斜面では白亜質の石灰岩が土台となっており、品種ごとに異なる土壌が個性を分けている。古木と若木、粘土と石灰岩というコントラストが、ドメーヌ全体の味わいの幅を底支えしている。

栽培は厳格なリュット・レゾネ(減農薬・減化学肥料による管理)を実践し、実質的にはオーガニックに近い水準で畑を管理している。春先には耕耘を行って土を活性化させ、生育期には畝の2列おきに下草をあえて残すことで、ブドウの根に競争を促しテロワールの個性を引き出す工夫を重ねている。こうした地道な管理の延長として、環境に配慮した栽培を示すHVE(高環境価値)認証についても取得を進めている段階にあり、一部区画ではすでに認証水準に到達しているとも伝えられる。

栽培・生産データ
自社畑面積9.78ha(30区画)
品種構成ピノ・ノワール2.32ha/シャルドネ2.55ha/ピノ・ムニエ4.91ha
瓶内熟成期間6〜12年(大部分は8〜12年)
年間生産量約10,000本
キュヴェ数10種類以上
自社元詰め比率収穫量の約4割

醸造方針

収穫したブドウの多くは今もネゴシアンへ販売されており、自社元詰めに回るのは全体の4割ほどにとどまる。だからこそ手をかけられる範囲は限られており、その分だけ一つひとつの区画に向き合った丁寧な仕込みが可能になっている。収穫したブドウはリュー・ディ(区画)ごと、品種ごとに分けて個別に仕込まれ、ひとつのドメーヌでありながら10種類を超えるキュヴェを持つ。その多くが生産量1,000本以下という小さなロットで醸造されるのは、区画ごとのテロワールを丸ごと表現しようとする姿勢の表れだ。発酵はステンレスタンクで行い、その後7ヶ月の熟成期間中にマロラクティック発酵を完全に行わせて、酸を穏やかに整える。量より質を選ぶこの姿勢が、家族経営ならではの丁寧なものづくりを支えている。

収穫翌年の4月末から5月中旬にかけてティラージュ(瓶内二次発酵の仕込み)を行い、そこから多くのキュヴェが6〜12年、なかでも大部分は8〜12年という長い時間を瓶内で過ごしてからデゴルジュマンを迎える。これだけの熟成を経るため、ドサージュはゼロか、あってもごくわずかで済む。動瓶(ルミュアージュ)は、ブラン・ド・ノワールとクルセルの各キュヴェは手作業で、それ以外はジャイロパレットで行っている。こうした手間を惜しまない工程の積み重ねが、飲んだ瞬間に伝わる完成度の高さにつながっている。毎年少しずつ違う顔を見せてくれるのも、このドメーヌの隠れた魅力といえる。

海外展開

造られたシャンパーニュはフランス国内にとどまらず、ドイツやベルギー、スイスなど複数の国へと届けられ、現地でも評価を得ている。専門家に試飲サンプルを送って評価を求めるようなプロモーションは行わない方針を貫いており、フランスの代表的なワインガイド「ギッド・アシェット」にも掲載されるなど、派手な宣伝によらず着実に知名度を広げてきたドメーヌといえる。大量生産や派手な広告に頼らず、ブドウそのものと造りの丁寧さで評価を積み重ねてきたことが、この輸出実績にも表れている。

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