Rouvres-les-Vignes / ルーヴル=レ=ヴィーニュ

ルーヴル=レ=ヴィーニュは、シャンパーニュAOC全319コミューンのなかで、村名に「ヴィーニュ(ブドウ畑)」の語を含む唯一の村。コート・デ・バールの奥地、樫の古森に由来する地名をもつこの村では、栽培面積の約77%をピノ・ノワールが占め、レコルタン・マニピュランたちが個性豊かなブラン・ド・ノワールを生み出している。オートル・クリュながら、国際的注目を集める造り手が複数拠点を置くいま最も熱い産地のひとつだ。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Bar-sur-Aube
郵便番号 : 10200
面積 : 8.28 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Colombey-les-Deux-Églises, Rizaucourt-Buchey, Lignol-le-Château, Saulcy, Colombé-le-Sec,

「Rouvres-les-Vignes」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Bar-sur-Aubois
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積101 ha
- Chardonnay10.9 ha (10.8%)
- Pinot Noir77.6 ha (76.8%)
- Pinot Meunier12.4 ha (12.3%)
- その他0.1 ha (0.1%)

特徴

栽培面積の約77%を占めるピノ・ノワールが、ここのシャンパンの個性を決定づける。コート・デ・バール特有のキンメリジャン土壌から生まれるピノ・ノワールは、赤系果実の充実した果実味と、はっきりとした酸の輪郭をあわせもつ。 注目の単一畑「ヴァル・コルネ」からは、ナタリー・ファルメによるブラン・ド・ノワールが産出され、オレンジピール、洋梨、黄プラムといったアロマとジューシーな酸が際立つ。一方、ミシェル・ファルメのキュヴェではピノ・ノワールにシャルドネピノ・ムニエを組み合わせたアサンブラージュも展開され、単一品種にとどまらない表現の幅広さも魅力だ。豊かな果実感と引き締まったミネラルを備えたこのスタイルは、肉料理やハードチーズとの相性が抜群で、食中酒として真価を発揮する。

テロワール

ルーヴル=レ=ヴィーニュのブドウ畑は、村の北部に集中し、大半が南向きから南東向きの緩やかな斜面に広がる。標高は207〜345mと、コート・デ・バール内でも比較的高低差のある地形で、冷涼な大陸性の影響を受けやすい。気候はMétéo-Franceの分類で「変容した海洋性気候」に属し、冬は厳しく(平均1.5℃)、秋冬は霧が多い。年間平均気温は10.3℃、降水量916mmで、シャンパーニュ全域のなかでも冷涼な部類に入る。 土壌はコート・デ・バール地区全般と同様、ジュラ紀後期のキンメリジャン層——石灰岩と粘土が混合した地層——が主体。この土壌構造はブルゴーニュシャブリ地区と地質学的に連続しており、コート・デ・バール全体のピノ・ノワールに独特の骨格とミネラル感をもたらす要因とされる。北に隣接するソルシーや西のコロンベ=ル=セックと比べ、ルーヴル=レ=ヴィーニュは村から近い一帯に畑が集中し、なかでも北東部の「ヴァル・コルネ(Val Cornet)」と呼ばれるリュー・ディが最重要区画として知られる。キンメリジャンの石灰岩が生み出すミネラル感と、標高がもたらす酸の張りが、このコミューンのシャンパンに独自の輪郭を与えている。

詳細

ルーヴル=レ=ヴィーニュは、コート・デ・バールのなかでも東寄りに位置するバール・シュル・オウボワテロワールに属するコミューン。コミューン面積は828ヘクタール(8.28km²)、2023年時点の人口は115人と小規模な村だ。オーブ川右岸に位置し、村の中心はオーブ川から約4.5km内陸にある。Bar-sur-Aubeから約11km、ド・ゴール将軍の記念館で知られるコロンベ=レ=デュー=エグリーズ(オート=マルヌ県)から約5kmという立地だ。

周辺のシャンパーニュAOCコミューンは、北東にリゾクール=ビュシェ、南にリニョル=ル=シャトー、北西にコロンベ=ル=セックが隣接。水系はセーヌ川水系に属する。総栽培面積は101haで、1997年時点の90haから2013年には101.1haへと拡大している。

テロワール詳細

畑の大半はコミューン北部に集中し、南向きから南東向きの緩やかな斜面が広がる。標高は207〜345mで、コート・デ・バール内でも起伏に富んだ地形だ。気候は「変容した海洋性気候(climat océanique altéré)」に分類され、「ロレーヌ=ラングル高原=モルヴァン」気候帯に属する。冬の平均気温は1.5℃と厳しく、秋冬は霧が多い。年間平均気温10.3℃、降水量916mmというデータが示すとおり、シャンパーニュ全体のなかでも冷涼かつ湿潤な環境にある。

土壌はキンメリジャン(ジュラ紀後期)の石灰岩と粘土の混合層が主体。ブルゴーニュシャブリ地区と地質学的に連続するこの土壌は、ピノ・ノワールに骨格とミネラル感をもたらすとされ、コート・デ・バールがピノ・ノワールの産地として評価される根拠のひとつになっている。村の北東、D47道路沿いに広がる単一区画「ヴァル・コルネ(Val Cornet)」は、ソルシーとの境界まで続く緩やかな南東向き斜面で、本村最重要のリュー・ディとして知られる。

主要生産者

ルーヴル=レ=ヴィーニュを代表する生産者が、ナタリー・ファルメ(Nathalie Falmet)だ。3.5haの畑を管理し、2009年から自社ラベルでのリリースを開始。単一畑「Le Val Cornet」(ピノ・ノワール約80%+ピノ・ムニエ約20%、一部樽発酵)や、アンフォラ醸造の「Terra」、単一区画「Parcelle ZH302」(100% ピノ・ムニエ、樽発酵)など、テロワールと醸造手法への深い探求で国際的評価を得ている。Origines Champagneグループのメンバーでもあり、自然派的なアプローチが注目される。

ファルメ姓を名乗る生産者が複数存在することも、この村の特色のひとつだ。ミシェル・ファルメ(Michel Falmet)は3.4haの畑でピノ・ノワール・シャルドネ・ピノ・ムニエをバランスよく栽培し、収穫の30%をヴーヴ・クリコドラピエなど大手メゾンに売却しつつ、「Falmet-Collot」ブランドで自社シャンパンも展開する。テレイ・ファルメ(Théret Falmet)は1950年代にマルセル・ファルメが本村で初期のレコルタン・マニピュランとして創業した老舗で、現在はHVE(高環境価値)認証を取得し「Marion」「Orianna」キュヴェを手がける。

歴史と地名の由来

「Rouvres」という地名はラテン語の robora(夏樫の複数形)に由来し、かつてこの地に広がっていた夏樫の森(rouvraie)を指している。地名辞典によればガリア(ケルト)時代の集落であり、ドルイドたちが神聖な樫からヤドリギを採取する宗教的な土地であったと伝えられる。

現在の村名に「Vignes(ブドウ畑)」が加わったのは1919年のこと。これによりルーヴル=レ=ヴィーニュは、シャンパーニュAOCを構成する全319コミューンのうち、村名に「vignes」の語を含む唯一のコミューンという独自の地位を得た。

文化的な側面では、自然主義作家ルイ=マリー・デプレ(Louis Marie Desprez, 1861–1885)が生涯の最後をこの村(当時の名称Rouvres-sous-Lignol)で過ごし没したことで知られる。D47沿いの建物の壁には記念プレートが今も残されている。村のランドマークはエグリーズ・サン=モーリス(Église Saint-Maurice de Rouvres-les-Vignes)で、地域の歴史を静かに伝え続けている。

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「Rouvres-les-Vignes」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報