2008年のフランスのワインとスピリッツ類の輸出は減少

ワイン・スピリッツ輸出業者連盟はフランスの2008年のワインとスピリッツ類の輸出は、過去最高を記録した前年の07年に対し、0.3%減となったと発表した。
以下、フランス食の広場メールマガジンより一部抜粋


2008年のフランスのワインとスピリッツ類の輸出減少
La France a vendu moins de vins et spiritueux a l’etranger en 2008
FEVS(ワイン・スピリッツ輸出業者連盟)はフランスの2008年(1~12月)のワインとスピリッツ類の輸出は93億1,000万ユーロ(約1兆1,200億円)となり、過去最高を記録した前年の07年に対し、0.3%減となったと発表した。
後退の要因は世界的な経済危機にあるとし、08年第4四半期に、11%減と大幅に減少したという。FEVSのクロード・ド・ジュヴァンセル会長は、「今回の危機は、これまでの私の42年のキャリアの中で遭遇した7回の危機の中で最も厳しい」と表現した。同会長は、マルニエ・ラポストルグループの代表である。
ワインの08年の輸出金額は、前年に対し0.9%増の67億6,000万ユーロ(約8,100億円)となったが、これは08年の上半期に、素晴らしい出来で高額となった2005年ヴィンテージのボルドーのグラン・クリュが販売されたためであり、実状を反映しているものではない。
08年の輸出数量は、1億4,800万ケース(1ケース=12本)で、前年に対し9.8減となった。生産地別では、ブルゴーニュ16.4%減、ボージョレー11.7%減、ロワール11.4%減、シャンパーニュ7.8%減、ボルドーとローヌが7.3%減となった。
スピリッツ類の08年の輸出金額は、25億5,000万ユーロ(約3,000億円)で、前年に対し3.5%減、輸出数量は同3.8%減の4,960万ケースとなった。主要なスピリッツであるコニャックが、金額で2%減、数量で5.5%減と減少した。
ワインとスピリッツ類の第一位の輸出先であるアメリカが、最も危機の影響を受けている市場でもあり、08年のアメリカ向けの輸出金額は、前年に対し12.8%減少した。2位のイギリス(対前年2.7%減)、4位のベルギー(同7.1%減)も減少した。一方、3位のドイツ向け輸出(対前年8.9%増)と5位の日本向け(同
1%増)は増加した。なお、ワインの第一位の市場は数量・金額ともにイギリスであり、スピリッツ類の第一位がアメリカである。
全体的にアジアへの輸出が増加しており、08年度のワインとスピリッツ類のアジアへの輸出金額は15億5,000万ユーロ(約1,860億円)で前年に対し6.9%増加した。シンガポール向けは対前年13.5%増、中国は4.3%増、香港は18.8%増となった。また03年と比較すると、アジア向けの輸出は72%増加している。
ド・ジュヴァンセル会長は「ワイン・スピリッツ部門の輸出金額は、記録的であった07年とほぼ同じレベルであり、輸出黒字は81億ユーロ(約972億円)で、以前として航空機部門に続いて輸出黒字額2位の地位を維持している。しかし08年第4四半期の実績の悪化は、09年の状況を予期させるものだ」と述べた。
(AP(Boursoramaより取得),2/18;AFP,2/18;La journee vinicole,2/18)
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