フランス農水省統計局発表した今年第四回目の予想によると、2013年の葡萄収穫量は4,230万hlで、歴史的に少なかった2012年を2%増とわずかに上回るものの、2008~2012年の過去5年の平均より7%減と下回るとのこと。
franceshoku.comより、以下全文引用
2013年の収穫量予測:4,230万ヘクトリットル
Une récolte de vin estimée à 42,3 millions d’hectolitres
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フランス農水省統計局(SSP)が11月1日付で発表した今年第四回目の収穫量予想によると、2013年の収穫量は4,230万hlと予想され、歴史的に少なかった2012年を2%増とわずかに上回るものの、2008~2012年の過去5年の平均より7%減と下回る。
AOPワインは、前年から3%減の1,910万hl(5年平均に対し12%減)、蒸留酒向けのワインは同2%減の740万hl(5年平均に対し2%減)。IGPは前年から8%増の1,310万hl(5年平均に対し3%増)、その他(地理的表示のないワインを含む)が同36%増の270万hl(5年平均に対し21%減)と予想される。なお、IGP向けのワインは、地理的表示のないワインとして販売される可能性もあり、現段階で予測するのは難しい。
最初の花穂の着生はうまく進んだが、多くの産地で、6月の天候に恵まれなかったために開花はうまく進まず、花ぶるいや結実不良がみられた。これが、当初の収穫量の予想を大幅に減少させる結果へとつながった。さらに夏には、広い範囲で、激しい雷雨に見舞われた。特に、ロワール中央地帯(サントル)、ブルゴーニュ、ボルドーが被害を受けた。
夏の気温は高かったが、ぶどうの成長期の初期の遅れを取り戻すことはできなかった。収穫の開始は遅く、最も早いところで9月であったが、大部分は10月の収穫となった。
収穫期に頻繁に降った雨のために、ボトリティス菌が10月に、いつにないほどに広がった。特に、西部、南西部、ブルゴーニュ、ボージョレー、アルザスで広がった。このため収穫量の予測は、前回よりも減少した。
[各地の状況]
(*各地域に続く( )内の数字は、2013年予想収穫量、対前年増減率(%)、過去5年(08-12年)平均に対する増減率(%)の順番です)
シャンパーニュ(282万hl、+43%、+5%)
ボトリティス菌の影響は限られていた。収穫量の予想は、過去5年平均をわずかに上回る。
ブルゴーニュ・ボージョレー(200万hl、+10%、-14%)
結実不良と花ぶるいの後、白ぶどう(シャルドネ)は、特にボトリティス菌に弱いために、大幅な収量減に見舞われた。完熟していない果実を発酵室で選果するために、最終的に収穫量の予測は減少する。
ボージョレーでは、ボトリティス菌のために、収穫時の選果の量が多い。
アルザス(98万hl、-16%、-14%)
雨が多かったために、ぶどう畑の衛生状態が影響を受け、大規模な選果が必要であった。このために、生産量は減少する。
サヴォワ(11万hl、+4%、-3%) ジュラ(7万hl、-8%、-26%)
サヴォワとジュラでは、収穫期の天候が悪かったために、収穫量は予測よりも減少する。
ロワール(268万hl、+35%、-1%)
ボトリティス菌の発生のために、特に中央地帯(サントル)やアンジューで、大規模な選果が必要であった。収穫量は減少するであろう。
シャラント(760万hl、増減なし、-8%)
10月の天候が悪かったために、いつもはボトリティス菌があまり見られないユニ・ブランでもボトリティス菌が広がった。収穫量は、70hl/haから170hl/haとばらつきがある。全体の生産量の予測は、前回よりも大幅に減少した。
ボルドー(418万hl、-23%、-27%) 南西地方(285万hl、-15%、-18%)
収穫は10月末に終わった。9月と10月の雨のためにボトリティス菌が広がったので、収穫を早めなければならなかった。花ぶるいや結実不良に加え、リブルヌ周辺やアントル・ドゥー・メール地区での8月初めの雷雨の被害により、当初の収穫予想を大幅に下回ることとなった。最新の予測では、収穫量が少なかった2012年をも下回る。
南西地方では、ボトリティス菌が広がったために、収穫が早まった。収穫量は前回の予測よりも減少する。
ラングドック・ルーシヨン(1,350万hl、+13%、+6%)
9月と10月の天候に恵まれ、ぶどうはいつも通り成熟することができた。収穫時の衛生状態も良く保たれた。開花後の花ぶるいにより、特にガール県とオード県、ピレネー・オリエンタル県で収穫量が減少した。しかし果房は、夏の間、十分な水分を享受することができた。
南東部*)(453万hl、-8%、-13%) コルス(32万hl、+5%、+4%)
南東部では収穫が遅れている。このエリアの北部では、区画や品種により収穫量は異なる。グルナッシュは収穫量が少なくなることが確認された。アルデッシュでは、ボトリティス菌のために収穫量が減少した。
エリアの南部では、収穫の大半は、良好な衛生状態の中で進んだ。しかし、グルナッシュの花ぶるいと、雹の被害のために、収穫量は2012年よりも少ないであろう。 コルスでは、異例なことに10月まで収穫が長引いた。黒ぶどうでは一部、成熟に問題が見られたものもあった。
*)ローヌ地方とプロヴァンス地方を含む
(Agreste Conjocture,no.5,2013年11月)
(参考)
SSP7月1日付け予測:4,660万hl(フランス食の広場405号参照)
SSP8月1日付け予測:4,580万hl(フランス食の広場406号参照)
SSP9月1日付け予測:4,450万hl(フランス食の広場407号参照)
SSP10月1日付け予測:4,410万hl(フランス食の広場411号参照)