JAL、国際線ファーストクラスでサロンを提供予定

日本航空(JAL)は12月から国際線ファーストクラスで、仏の高級シャンパン「サロン」を提供する。生産本数が少なく「幻のシャンパン」と呼ばれるサロンを提供することで、ファーストクラスを利用する上級顧客へのサービスを強化し、他社との差別化を図る考えだ。
 JALが提供するのは、1997年に収穫したブドウのみを使った仏シャンパンメーカー、サロン社製のヴィンテージ・シャンパン。東京-ロンドン、パリ、ニューヨークの3路線で、12月から2008年7月、同年12月から09年7月までの合わせて16カ月間限定で提供する。
 この97年ものは08年4月に市販される予定で、市価は約3万~4万円の見通し。発売前の来年3月までは、JALファーストクラス限定の“レアもの”となる。
 サロンは、質の良いブドウが収穫できた年に限って、1種類のヴィンテージ・シャンパンを生産する。原料や生産工程へのこだわりから、製造本数は5万~6万本にとどまり、97年ものも6万5000本程度しか市場に供給されないという。
JALは、11月に欧米路線のファーストクラスで、映画「007」シリーズのジェームズ・ボンドが愛飲するシャンパン「ボランジェ」の提供を始めるなど、利用客向けのアルコール類を充実させている。03年には、ワインジャーナリストの有坂芙美子氏をアドバイザーに迎え、一般には知られていない上質のワインを選定。今年からは、山梨県勝沼産の甲州ワインもそろえ、ソムリエ資格をもつ1600人の客室乗務員が、機内で「こだわりの一品」を紹介している。
 これらの取り組みは、上級顧客の取り込みを通じ収益力のアップを狙うプレミアム戦略の一環。これに沿って、7月に成田空港のラウンジをリニューアルしたほか、老舗京料理店とのコラボレーションによる機内食を、成田発の欧米路線に加え中国路線や関西空港発、中部国際空港発の路線にも拡大し、機内サービスの充実を図っている。東後直子・商品・サービス企画部キャビンスーパーバイザーは「これからもJALに乗りたくなるようなサービスを提供していきたい」と話す。


関連記事
http://press.jal.co.jp/ja/release/200710/000766.html
http://www.japancorp.net/japan/Article.Asp?Art_ID=40515
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200710310033a.nwc