Villers-aux-Nœuds / ヴィレ=オー=ヌード

ヴィレ=オー=ヌードは、プティット・モンターニュ・ド・ランスの丘陵に抱かれたプルミエ・クリュの村。わずか28ヘクタールの畑にピノ・ノワールが半数以上を占め、自然派グロワーの旗手として名を馳せるエマニュエル・ブロシェがこの地のテロワールを世界に伝える。小さな村から生まれる、滋味深くも鮮烈な一杯を。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51500
面積 : 6.44 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Reims, Bezannes, Champfleury, Écueil, Chamery, Villers-Allerand, Sermiers,

「Villers-aux-Nœuds」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Petite Montagne de Reims
格付け90% Premier Cru [?]
栽培面積28 ha
- Chardonnay5.1 ha (18.2%)
- Pinot Noir14.4 ha (51.4%)
- Pinot Meunier8.5 ha (30.4%)
- その他0 ha (0%)

特徴

ピノ・ノワールを主軸に据えたヴィレ=オー=ヌードのシャンパンは、赤系果実のコクと粘土質由来のふっくらした口当たりが個性だ。グランド・モンターニュの緊張感あるミネラル感とは異なり、どこかふくよかで包み込むような質感がある。 エマニュエル・ブロシェのキュヴェは、収量を抑えた栽培と丁寧な醸造によってこの村の特性を最大限に引き出しており、赤い果実の凝縮感に塩味のアクセントが重なる独特のスタイルが世界のシャンパン愛好家から支持を集めている。食事に合わせるなら、鴨やジビエ料理、熟成したコンテチーズとの相性が特に際立つ。

テロワール

ヴィレ=オー=ヌードの畑はコミューン南部に集中し、北向き斜面の低部に広がっている。モンターニュ・ド・ランスの東側に連なるプティット・モンターニュ・ド・ランスの末端部にあたり、隣接するエキュイユシャムリーと同様に起伏のなだらかな地形が特徴だ。 コミューン北部に位置するル・モン・ブノワ区画は、ブザンヌとの境界付近、高速道路A4出口近くに広がる南東向きの斜面で、粘土・シルト・石灰岩の混合土壌が底部まで続く。粘土とシルトが保水性を担いつつ、石灰岩の下層がミネラル分を補給する構造で、グランド・モンターニュ・ド・ランスの急斜面型テロワールとは異なり、温度変化が緩やかで果実に厚みが出やすい。 ピノ・ノワールが全体の約53%を占め、ピノ・ムニエが約30%、シャルドネが約18%と続く品種構成も、プティット・モンターニュ・ド・ランスらしいバランスを示している。この粘土質の保水力と石灰岩由来のミネラルが交差することで、果実味が豊かでありながら後味に締まりをもたらすシャンパンが生まれる素地となっている。

詳細

ヴィレ=オー=ヌードは、モンターニュ・ド・ランスのサブゾーンであるプティット・モンターニュ・ド・ランスに属するプルミエ・クリュの村だ。コミューン総面積は644ヘクタール、人口は172人という小さな集落で、ランス市街から南西へ約10キロメートルの距離に位置する。南にはブザンヌ、東にはエキュイユ、北西にはシャムリーヴィレ=アルランセルミエといったコミューンが隣接し、プティット・モンターニュ・ド・ランスの丘陵地帯を形成している。ぶどう畑はコミューン南部に集中し、総栽培面積は28ヘクタール。15の生産者がこの地で栽培と醸造を手がける。

テロワール詳細

村の代表的な区画はコミューン北部に位置するル・モン・ブノワ(Le Mont Benoit)だ。ブザンヌとの境界近く、高速道路A4・E17の出口付近に広がるこの斜面は南東向きで、粘土・シルト・石灰岩が複合した土壌構造を持つ。プティット・モンターニュ・ド・ランスはグランド・モンターニュのような急峻な斜面が少なく、斜面の低部に畑が広がる形状のため、日較差が比較的小さく果実がゆっくりと熟す環境にある。粘土とシルトの保水力が乾燥年でも果実に安定した成熟をもたらし、下層の石灰岩がミネラル分を供給することで、フレッシュさと凝縮感の双方を備えたぶどうが育つ。ピノ・ノワールが全体の53%強を占め、ピノ・ムニエが約30%、シャルドネが約18%という構成は、プティット・モンターニュ・ド・ランスの典型的な品種バランスでもある。

主要生産者

この村の名声を担う最重要生産者がエマニュエル・ブロシェ(Emmanuel Brochet)だ。1997年に独立し、RMレコルタン・マニピュラン)として自ら栽培から醸造までを手がける。ル・モン・ブノワ区画では1962年に植樹された樹齢60年超のピノ・ノワールとシャルドネを2.5ヘクタール管理しており、低収量と細心の醸造哲学によって生み出されるキュヴェはヴィニュロン・アンデパンダン(独立ブドウ栽培者)の旗手として国際的な評価を確立している。ノン・ヴィンテージとヴィンテージの両ラインを展開し、近隣のエキュイユを拠点とする生産者Savart(サヴァール)もこのル・モン・ブノワのピノ・ノワールとシャルドネを使用していることで知られる。

  • ソレム(Solemme、RC):6ヘクタールの畑を複数村にわたって管理。ヴィレ=オー=ヌードを含む複合テロワールのキュヴェを手がける。
  • ルロワ(Leroy、RC):4ヘクタールを管理し、シャルドネ70%・ピノ・ノワール30%のブレンドによるヴィンテージキュヴェのほか、フュ・ドゥ・シェーヌ(樽熟成)のブラン・ド・ブランを展開する。
  • ジェルマン・ブロシェ(Germain-Brochet、RC):エマニュエル・ブロシェと同姓を持つ家族系の生産者で、村の伝統的な栽培を継承している。

歴史・補足

ヴィレ=オー=ヌードは長らく広域ブレンド用のぶどう産地として大手メゾンへの供給を担ってきた村だった。プルミエ・クリュの格付け(エシェル・デ・クリュ90%)を持ちながらも、グランド・モンターニュの名高い村々と比べて注目度は低く、1990年代まで単独での存在感はほとんどなかった。転機となったのが1997年のエマニュエル・ブロシェの独立だ。先代から受け継いだル・モン・ブノワの古木区画に向き合い、ビオロジック的アプローチで栽培を刷新。ヴィニュロン・アンデパンダンの潮流が世界的に高まる2010年代以降、彼のキュヴェが批評家や輸入業者から高い評価を受けるようになったことで、この小さな村の名が世界地図に刻まれることになった。生産者数15という規模は決して大きくないが、ル・モン・ブノワという単一区画が複数の生産者によって共有・参照される希少なテロワールとして、今後もプティット・モンターニュ・ド・ランスの個性を語る上で欠かせない村であり続けるだろう。

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「Villers-aux-Nœuds」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報