Bisseuil / ビスイユ

ビスイユは、グランド・ヴァレ・ド・ラ・マルヌのプルミエ・クリュでありながら、この地区でシャルドネがピノ・ノワールを上回る唯一の村という異色の存在。全体の約65%をシャルドネが占め、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのピノ系主体のイメージを静かに裏切る白ぶどうの村です。ボランジェも畑を持つこの地のシャンパンを、ぜひ手にとってみてください。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51150
面積 : 10.03 km2
Coomune内の主要な地区
Aÿ, Mareuil-sur-Aÿ,
隣接するクリュ(Coomune)
Plivot, Avenay-Val-d'Or, Fontaine-sur-Ay, Tours-sur-Marne, Aÿ-Champagne, Val de Livre,

「Bisseuil」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Grande Vallée de Marne
格付け95% Premier Cru [?]
栽培面積125.4 ha
- Chardonnay82.3 ha (65.6%)
- Pinot Noir35.9 ha (28.6%)
- Pinot Meunier6.9 ha (5.5%)
- その他0.3 ha (0.2%)

特徴

ビスイユのシャンパンは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌらしいふくよかさを持ちながら、シャルドネ主体ならではの引き締まった酸と柑橘系の清涼感が同居するスタイルです。コート・デ・ブランのシャルドネのようなミネラルの鋭さとは異なり、マルヌ川沿いの地形がもたらす穏やかな丸みがあり、飲みやすさと深みを両立しています。 ゴネ・メドヴィルはビスイユの区画を含む8村のぶどうからキュヴェ・テオフィルを醸造し、シャルドネとピノ・ノワールを組み合わせた複雑さを表現。ボーシェ・ペール・エ・フィスの100%シャルドネ「サン=ニケーズ」はこの村のシャルドネポテンシャルを純粋に映し出します。食中酒として幅広く対応できるこの柔軟なスタイルは、シャンパン選びに慣れてきた方が「次の一本」として探求する価値があります。

テロワール

ビスイユの畑はコミューン北部、モンターニュ・ド・ランスの南麓に広がります。斜面は主に南向きで、急峻ではなく緩やかな傾斜が続きます。この穏やかな地形が、隣接するマルイユ=シュル=アイやトゥール=シュル=マルヌとビスイユを分ける重要な要因のひとつです。 グランド・ヴァレ・ド・ラ・マルヌに属しながらシャルドネが主体(約65%)というのは、この地区では際立った特徴です。同じプルミエ・クリュのマルイユ=シュル=アイがピノ・ノワール主体であるのとは対照的で、斜面の向きや土壌組成の微妙な差異、そして地域の栽培慣行がシャルドネ優位の構成を支えてきたと考えられています。 バルモン、デシュルシェーヌ、ピルエットといった主要リュー・ディ(単一畑)はいずれもコミューン北西部から北北西部に集中し、南ないし南西向きの緩斜面に位置します。この斜面の向きが、温度上昇を適度に抑えながら十分な日照を確保し、シャルドネに鮮度のある酸と骨格をもたらしています。

詳細

ビスイユはアイ=シャンパーニュのサブコミューンとして知られるプルミエ・クリュです。マルヌ川と側方運河(canal latéral à la Marne)沿いに位置し、西にマルイユ=シュル=アイ、東にトゥール=シュル=マルヌというグランド・ヴァレを代表する村々に挟まれています。北西にはアヴネ=ヴァル=ドール、北にはフォンテーヌ=シュル=アイが隣接し、グランド・ヴァレとモンターニュ・ド・ランスの結節点にあたる地理的条件を持ちます。

2016年1月1日、ビスイユはアイおよびマルイユ=シュル=アイと統合し、アイ=シャンパーニュという新しいコミューン(commune nouvelle)を形成しました。合体後の面積は3,194 ha、人口は5,741人に上り、市役所はアイに置かれています。住民はかつてBissotiers/Bissotièresと呼ばれ、統合以前のコミューン面積は1,003 ha、人口は645人(2013年)でした。

ぶどう畑はコミューン北部の緩やかな南向き斜面に集中しています。グランド・ヴァレの諸村の中でシャルドネの比率がピノ・ノワールを上回る唯一の村であり、全栽培面積125 haのうち82 haをシャルドネが占めます。この構成は斜面の傾斜、土壌の微差、そして長年の栽培慣行の結果と考えられており、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ全体のピノ主体というイメージを塗り替える存在です。

ゴネ・メドヴィル(Gonet-Médeville)はビスイユを代表するグロワーのひとつです。ル・メニル=シュル=オジェ、アンボネイ、マルイユ=シュル=アイなど8村に計12 haを所有し、ビスイユではデシュルシェーヌとピルエットの区画を持ちます。ボルドーのサントネ産シャトー・ジレットも所有する同族グループが2000年にシャンパーニュへ進出した経緯を持ち、キュヴェ・テオフィル(ル・メニル産シャルドネ60%+アンボネイ産ピノ・ノワール40%)や、アンボネイ産ピノ・ノワール100%を樽発酵で仕上げたラ・グラン・リュエルが代表作です。

ボーシェ・ペール・エ・フィス(Bauchet Père & Fils)はビスイユとグローヴに約9 ha、コート・デ・バール5村にさらに25 haを持ち、合計34 haという Recoltant-Manipulant(グロワー)としては異例の規模を誇ります。クロ・バボ(Clos Babot)という社名でも知られ、ピノ・ノワール75%・シャルドネ25%のヴィンテージ「メモワール」と、100%シャルドネのブラン・ド・ブラン「サン=ニケーズ」の2本のヴィンテージ・シャンパンを核に据えています。

  • アルベール・ド・ミリー(Albert De Milly):ネゴシアン・マニピュラン(NM)。約15 haの畑を持ち、ピノ・ノワール50%・ピノ・ムニエ30%・シャルドネ20%というビスイユのシャルドネ優位とは異なるブレンド構成で独自スタイルを展開。
  • ボランジェ:グランド・ヴァレにおける一大勢力として知られる大メゾンで、ビスイユ内にも自社畑を持ちます。ビスイユのぶどうが世界的なメゾンのアッサンブラージュに組み込まれているという事実は、この村のテロワールの信頼性を物語っています。

ビスイユという地名の由来は定かではありませんが、住民呼称「ビソティエ(Bissotiers)」は中世から続く農村共同体の記憶を今に伝えています。グランド・ヴァレの中でも比較的知名度が低く、アイやマルイユ=シュル=アイの影に隠れがちな存在でしたが、2016年のアイ=シャンパーニュへの統合以降、その名は行政上の地図から消えながらも、ぶどう栽培の現場では独自のテロワールを持つ区画として重要性を保ち続けています。シャルドネ主体という特異な品種構成と、モンターニュとヴァレの境界に位置する地理的特殊性が、グロワーたちをこの地に引き付けてきた理由でしょう。

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「Bisseuil」を拠点とするシャンパン銘柄

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