Fontaine-sur-Aÿ / フォンテーヌ=シュル=アイ

フォンテーヌ=シュル=アイは、グランド・モンターニュ・ド・ランスの南東斜面に位置しながらオートル・クリュという意外な格付けを持つ村だ。隣接するプルミエ・クリュの村々と地続きの畑でありながら、1990年まで産地外に置かれていたという異色の経歴が、この村の個性を物語っている。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Épernay
郵便番号 : 51160
面積 : 7.72 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Ville-en-Selve, Avenay-Val-d'Or, Germaine, Aÿ-Champagne, Val de Livre,

「Fontaine-sur-Aÿ」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Grande Montagne de Reims
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積29.9 ha
- Chardonnay8.9 ha (29.8%)
- Pinot Noir20.7 ha (69.2%)
- Pinot Meunier0.3 ha (1%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培面積の約7割を占めるピノ・ノワールが村のスタイルを決定づけており、南向き斜面ならではのふくよかな果実感と、モンターニュ・ド・ランス特有のスパイシーなバックボーンが共存する。残りの約3割を占めるシャルドネは、ピノ主体のアッサンブラージュに繊細さと酸の輪郭を加える役割を担う。ピノ・ムニエはごく少量にとどまる。大規模ネゴシアンではなく個性派グロワーの畑として機能していることもあり、単一村ならではの地味(じあじ)を率直に表現したシャンパンを探す飲み手に向いた産地といえる。

テロワール

フォンテーヌ=シュル=アイのブドウ畑は主に南向きの斜面に広がり、87〜271メートルという比較的広い標高差をもつ地形が特徴的だ。斜面上にはエシェル・デ・クリュ80%のオートル・クリュ評価が付与されているが、東側に隣接するアヴネ=ヴァル=ドールや西に位置するプルミエ・クリュ村と斜面は連続しており、格付けの差異は地質やテロワールではなく後述する行政上の事情によるものとされる。 品種構成はピノ・ノワール約69%(20.7 ha)、シャルドネ約30%(8.9 ha)、ピノ・ムニエ約1%(0.3 ha)。村内をジェルメンヌ川とリーヴル川の2河川が流れ、村の中心付近で合流する。マルヌ川からは十分な距離があり、モンターニュ・ド・ランス地区に分類される所以となっている。南向き斜面への日射がピノ・ノワールの充実したフェノール成熟を助け、隣接プルミエ・クリュ村と遜色のないブドウを産すると評価される。

詳細

フォンテーヌ=シュル=アイはグランド・モンターニュ・ド・ランスの南東端に位置し、著名なアイ=シャンパーニュの北東にあたる小村だ。行政上の総面積は772 haに及ぶが、ブドウ畑は29.9 haと全体のごく一部を占めるにすぎない。北北西にはジェルメンヌが、南西側にはアヴネ=ヴァル=ドールが接し、それぞれプルミエ・クリュの格付けを持つ。村内を流れるジェルメンヌ川とリーヴル川は中心部付近で合流し、ヴァル=ド=リーヴルの名が示す通り川が地形を形作ってきた。集落の住民はFontenoisおよびFontoisesと呼ばれ、2013年時点の人口は343人ほどの静かな農村である。

テロワール

畑の多くは南向きの斜面に集中し、標高は87〜271メートルと比較的大きな幅をもつ。品種構成はピノ・ノワールが約69%(20.7 ha)で主力を占め、シャルドネが約30%(8.9 ha)、ピノ・ムニエが約1%(0.3 ha)と続く。エシェル・デ・クリュは白・黒ともに80%のオートル・クリュ評価だが、隣接するアヴネ=ヴァル=ドールやその東側のプルミエ・クリュ村と地続きの斜面上に畑があり、格付けの差異はテロワール上の劣位を示すものではないと広く認識されている。エシェル・デ・クリュ制度は現在廃止されており、格付けの昇格は制度上行われない状況だ。南向き斜面が受ける豊富な日射量は、ピノ・ノワールの果皮を着色させ充実したフェノール成熟をもたらしており、収穫物のポテンシャルは隣村に引けをとらないとされる。

主要生産者

David Billiardはネゴシアン・マニピュラン(NM)で、もとはレコルタン・マニピュラン(RM)として出発しネゴシアンへ転向した経緯をもつ。調達するブドウはアヴネ=ヴァル=ドールを中心としつつモンターニュ・ド・ランス産も組み合わせており、キュヴェ・プレスティージュはノン・ヴィンテージながら樽発酵を取り入れ、シャルドネ90%・ピノ・ノワール10%という白ブドウ主体の構成で仕上げる。フォンテーヌ=シュル=アイ拠点のネゴシアンとして、周辺プルミエ・クリュ産地の素材を活かした造りを実践している。

Gaiffe Brunはヴィニュロン・アンデパンダンに加盟するRMで、自社畑3.3 haを管理する。内訳はピノ・ノワール約2.5 ha、シャルドネ0.5 ha、ピノ・ムニエ0.25 haで、ビオディナミ農法を採用しデメテール認証を取得している。オートル・クリュ評価の畑でありながら有機・ビオディナミの厳格な認証体制を整えており、テロワール表現への真摯な姿勢が見て取れる。

歴史

この村が歩んだ経緯は、シャンパーニュ産地史のなかでも異例に属する。1908年から1927年にかけてアペラシオンの境界確定が進められた時期、当時の村長が加入申請をしなかったため、アイの目と鼻の先に位置しながらもフォンテーヌ=シュル=アイは長年シャンパーニュ産地外に置かれることになった。背景には19世紀末のフィロキセラ禍でブドウ栽培が壊滅し、境界確定期には現地に活動中の生産者が存在しなかったという事情があったとみられる。

村がシャンパーニュ生産区域に正式に編入されたのは1990年のこと。実際の植栽は1995年頃から本格化し、2002年時点では約10 haだった栽培面積は2013年には29.9 haへと約3倍に拡大した。1995年に承認された上限30 haにほぼ到達した現在、これ以上の拡大余地はほとんどない。格付けの低さが行政的経緯によるものであることを知れば、この村のポテンシャルを改めて評価し直す手がかりとなるだろう。なお、コミューン自体が約2 haのブドウ畑を所有し区画を賃貸しているという点も、他村にはない特異な側面として記録されている。

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「Fontaine-sur-Aÿ」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報