Saint-Agnan / サン=タニャン

サン=タニャンは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ西部のテロワール・ド・コンデエリアに属するオートル・クリュの村。マルヌ川左岸の小谷に広がり、栽培面積68ヘクタールの約57%をピノ・ムニエが占める。南向き斜面の石灰岩とフリント土壌が、果実味豊かなシャンパンを育む。

基本情報

地域圏(Région)Hauts-de-France
県(Département)Aisne
区(Arrondissement)Château-Thierry
郵便番号 : 02330
面積 : 8.07 km2
Coomune内の主要な地区
La Chapelle-Monthodon, Baulne-en-Brie,
隣接するクリュ(Coomune)
Courthiézy, Monthurel, Celles-lès-Condé, Reuilly-Sauvigny, Vallées en Champagne,

「Saint-Agnan」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Terroir de Condé
格付け83% Autre Cru [?]
栽培面積68.2 ha
- Chardonnay14.1 ha (20.7%)
- Pinot Noir15.1 ha (22.1%)
- Pinot Meunier39 ha (57.2%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培の約57%を占めるピノ・ムニエが村のシャンパンに果実味の豊かさと柔軟な飲み口をもたらす。ピノ・ノワールシャルドネはそれぞれ約21%ずつとほぼ同比率で、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエスト全体がピノ・ムニエ中心に傾く中、本村ではこの二品種の存在感がやや強い。リュー・ディ「グラン・ピクー」のピノ・ノワールは石灰岩・フリント土壌と南斜面の日照が重なり、ダークチェリーやプラムの濃厚な果実にアースィーなニュアンスが加わった凝縮スタイルとなる。果実味を重視しながらも土壌由来のミネラルが感じられる構成は、普段使いから熟成を楽しむ飲み手まで幅広く応えるスタイルだ。

テロワール

サン=タニャンは、シュルムラン川の支流ルュ・デュ・ロセ川が刻む小さな谷に沿って位置し、ブドウ園は村の北西から北東にかけて広がる。斜面は南向きで傾斜が緩やか、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエストの東端に位置する。 地質はバルトニアン期(Eocene中期)の石灰岩とフリント(火打石)が主体で、丘の上部にはスパルナシアン起源の粘土質・石灰岩層が重なる。斜面の下部に向かうとチョーク層の影響が強くなるという垂直的な変化が特徴的だ。リュー・ディ「グラン・ピクー(Grand Picou)」は標高約180m、南向き斜面勾配12%で、石灰岩とフリントが純粋に表れる好区画として知られる。コミューン全体の標高は87〜242mと変化に富み、シュルムラン川の侵食が生み出した谷地形が多様な栽培条件をもたらしている。隣村ラ・シャペル=モントドンの畑と地続きで連続しており、テロワールの性格は東の隣村と共通点も多い。石灰岩が骨格となる土壌は水分をほどよく保ちながら余分な湿気を逃し、果実の凝縮度を高める環境をつくり出している。

詳細

サン=タニャンはフランス・エーヌ県に属し、マルヌ川の左岸(南岸)に位置する。村を流れるルュ・デュ・ロセ川はシュルムラン川の支流で、その流域に沿ってブドウ園と集落が広がる。コミューン全体の面積は約807ヘクタールで、人口は2023年時点で約96人の小村だ。エシェル・デ・クリュの格付けは白・黒ともに83%(オートル・クリュ)で、かつてテロワール・ド・コンデエリアに分類されていたが、2017年前後のUMC(メゾン・ド・シャンパーニュ組合)による境界見直しにより現在はヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエストに属する。隣村のボルヌ=アン=ブリおよびラ・シャペル=モントドンとは2016年1月に合併し、コミューヌ・ヌーヴェル「ヴァレー=アン=シャンパーニュ」の一部となった。旧役場機能はボルヌ=アン=ブリに移管されている。

ブドウ園は北西・北・北東の斜面に広がり、バルトニアン期の石灰岩とフリントを主体とする。丘の上部には粘土質・石灰岩層が積み重なり、下部ではチョーク層が顔を出す。この土層の垂直的な変化がリュー・ディごとの個性を生んでいる。南向きの緩斜面が安定した日照を確保する一方、谷地形がシュルムラン川の水分調節機能を担い、厳しい年でも果実の成熟を助ける。

村を代表する生産者として欠かせないのがシャンパーニュ・タルラン(Champagne Tarlant)だ。拠点はマルヌ川沿いのウイィだが、セル=レ=コンデブルソー、サン=タニャンを含む全57区画にブドウ園を分散所有するシャンパーニュ屈指のシングル・ヴィンヤード志向のRM(レコルタン・マニピュラン)だ。サン=タニャンでは「グラン・ピクー(Grand Picou)」リュー・ディのピノ・ノワールを有機農法で栽培し、コトー・シャンプノワ・ルージュとして単独ビン詰めする。この区画は1982年にブノワ・タルランの母方の祖母シュザンヌ・ボワゼルがマス・セレクションによって植樹した古木に由来する。2019年ヴィンテージは1,071本のみの生産で、ダークチェリーやプラム、アースィーな複雑さを持つ凝縮したスタイルが国際的な注目を集めている。

地元グロワーのダニエル・アントワーヌ(Daniel Antoine)はRC(Récoltant-Coopérateur=レコルタン・コーペラトゥール:協同組合を通じて醸造・販売を行う栽培農家)として村に拠点を置き、協同組合と連携しながら自身のブランドでシャンパンをリリースしている。

村名はパトロン聖人のサン・タニャンに由来し、かつてはシャトー=ティエリ郡区コンデ=アン=ブリ・カントンに属していた。第一次世界大戦では近隣のシャトー=ティエリ周辺がアメリカ軍の激戦地となり、この地域全体に歴史的な痕跡が刻まれている。現在の総栽培面積は68.20ヘクタール、登録生産者数は14軒で、マルヌ左岸の静かな谷に個性的なテロワールを守り続けている。

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「Saint-Agnan」を拠点とするシャンパン銘柄

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