Lhéry / レリー

レリーは、モンターニュ・ド・ランスのサブゾーン「ヴァレ・ド・ラルドル」に属する小村で、総栽培面積の約80%をピノ・ムニエが占めるオートル・クリュの産地。砂とテュフォー(白亜凝灰岩)が重なる複合土壌が、ピノ・ムニエならではの爽やかな苦みと果実味を引き出す。エコセール認証のビオロジック農法でこの土地に向き合うElemart Robionが、レリーの個性を世界に伝えている。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51170
面積 : 6.08 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Aougny, Lagery, Tramery, Faverolles-et-Coëmy, Serzy-et-Prin, Poilly, Romigny, Ville-en-Tardenois,

「Lhéry」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Vallée de l'Ardre
格付け86% Autre Cru [?]
栽培面積16.1 ha
- Chardonnay0.9 ha (5.6%)
- Pinot Noir2.1 ha (13%)
- Pinot Meunier12.8 ha (79.5%)
- その他0.3 ha (1.9%)

特徴

レリーで栽培面積の約80%を占めるピノ・ノワールよりはるかに多くの割合をピノ・ムニエが担い、砂とテュフォーの土壌がこの品種の個性を鮮明に引き出す。生まれるシャンパンは、軽快な苦みを伴うフレッシュな余韻が特徴的で、石灰岩由来の生き生きとしたミネラル感が骨格を支え、粘土由来の丸みが後味に奥行きを添える。Elemart Robionの単一区画キュヴェ「レ・モネ」は100%ピノ・ムニエの表現として際立ち、「VB03」ではピノ・ムニエ90%にピノ・ノワールを合わせたブリュット・ナチュールのスタイルを採る。アペリティフから前菜まで、軽やかさの中に確かな複雑味を求める飲み手に刺さる一杯だ。

テロワール

レリーの畑は、ルイソー・ド・ブルイエ(Ruisseau de Brouillet)沿いの南向き〜南西向きの緩斜面に広がる。標高は120〜229 mと変化に富み、最高地点はボワ・ピエルロ(229 m)周辺に達する。土壌構造は三層に分かれており、基盤のアルジロ・カルケール(粘土石灰岩)の上に砂とテュフォー(tuffeau)の層が覆い被さる複合構成が特徴だ。砂とテュフォーはブドウにフレッシュさと軽快な苦みを与え、粘土層は保水性と丸みをもたらし、石灰岩は柑橘系のミネラル感と生き生きとした酸を生み出す。区画「レ・モネ(Les Monets)」ではルテシアン中期の石灰岩地層が露出しており、海抜150 m超の南西向き斜面がブドウの完熟を後押しする。気候は海洋性から大陸性への移行帯にあり、常時やや強い西風が吹いて病害を抑制する。降雨が比較的規則的で通気性の高い土壌と組み合わさることで、ビオロジック農法に適した栽培環境が整っている。この複合土壌の重なりが、レリーのピノ・ムニエにフレッシュさと深みの両立をもたらす源泉となっている。

詳細

レリーは、マルヌ県北西部に位置する小村で、シャンパーニュの地理区分ではモンターニュ・ド・ランスのサブゾーン「ヴァレ・ド・ラルドル」に属する。コミューン面積は608 haで、オートル・クリュエシェル・デ・クリュ86%)に格付けられた栽培面積16.10 haの小規模産地だ。ランスまで約26 kmの距離にあり、北にラジュリー、北東にセルジー=エ=プラン、北北東にファヴロル=エ=コエミー、東にポワリー、南南東にヴィル=アン=タルドゥノワ、南にロミニーと隣接する。A4高速道路とLGVエスト・ヨーロペエンヌが村域を横断するため、交通インフラのランドマークとしても知られる。

テロワール

畑はルイソー・ド・ブルイエ沿いの南向き〜南西向きの緩斜面に集中し、傾斜が穏やかなため自然排水が機能しやすく、根への規則的な水分供給が可能だ。土壌は三層構造をなしており、基盤のアルジロ・カルケール(粘土石灰岩)の上に砂とテュフォー(tuffeau:白亜系凝灰石灰岩)が重なる。砂とテュフォーはブドウにフレッシュさと軽快な苦みを与え、粘土は保水性と丸みをもたらし、石灰岩は柑橘系のミネラル感と酸を生み出す。区画「レ・モネ(Les Monets)」はルテシアン中期の石灰岩地層が露出する海抜150 m超の南西斜面で、テロワールの個性が最も凝縮した場所とされる。気候は海洋性から大陸性への移行帯にあり、西風が常時やや強く吹いて病害を抑制する点も、ビオロジック農法の実践と親和性が高い。

主要生産者

レリーの筆頭生産者はElemart Robionだ。1992年にCatherine & Thierry Robion夫妻が立ち上げ、現在は子供たちEloi・Léopold・Martinの三人と共同運営する家族経営のレコルタン・マニピュランRM)。ドメーヌ名「Elemart」は三人の頭文字から付けられた。4.5 haの自社畑全体をエコセール認証のビオロジック農法で栽培し、年産約20,000本。農場建物の壁には1879年の年記が残り、この地における葡萄栽培の長い伝統を今に伝える。代表キュヴェ「VB03」はピノ・ムニエ90%+ピノ・ノワール10%のブリュット・ナチュール。単一区画「レ・モネ」は100%ピノ・ムニエのパルセレール・キュヴェで、区画固有の石灰岩土壌の個性を余すところなく表現する。さらに一部キュヴェには希少在来品種のプティ・メリエも使用しており、ヴァレ・ド・ラルドルの多様なテロワールへの真摯なアプローチがうかがえる。

  • Elemart Robion以外のレリー拠点生産者として、Thierry Robionがヴィンテージ・キュヴェ「Cuvée Prestige」(シャルドネ60%+ピノ・ノワール40%)や樽熟成ブラン・ド・ブランの「Lady Catherine」を手がけている。

歴史

レリーの地には中石器時代(Mésolithique)の集落跡が「ラ・プレスル(la Presle)」の地名で確認されており、LGV敷設工事の発掘調査で出土した。「フォンテーヌ・ド・ノエ(la Fontaine de Noé)」にはガロ・ローマ期の定住跡も認められ、この地が古くから人々の生活の場であったことを示す。行政区分としては1793年以来カントン・ド・ヴィル・アン・タルドノワに属し、2015年以降はカントン・ド・ドルマン・ペイザージュ・ド・シャンパーニュに移管されている。Elemart Robionの農場建物に刻まれた1879年の年記は、近代シャンパーニュ産業の黎明期からレリーでブドウが育まれてきた歴史の証左でもある。

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「Lhéry」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報