Fossoy / フォソワ

フォソワは、マルヌ川左岸のヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエストに属するオートル・クリュの村。畑の約77%をピノ・ムニエが占め、ビオディナミ農法と樽発酵で醸す個性派グロワーが注目を集めている。フランス革命前から続く老舗家族農家が守り抜いてきた、この土地ならではの果実味あふれるシャンパンをぜひ体験してほしい。

基本情報

地域圏(Région)Hauts-de-France
県(Département)Aisne
区(Arrondissement)Château-Thierry
郵便番号 : 02650
面積 : 7.18 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Gland, Blesmes, Mont-Saint-Père, Saint-Eugène, Mézy-Moulins, Crézancy,

「Fossoy」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Vallée de la Marne Ouest
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積62.1 ha
- Chardonnay6.5 ha (10.5%)
- Pinot Noir8.2 ha (13.2%)
- Pinot Meunier47.4 ha (76.3%)
- その他0 ha (0%)

特徴

フォソワのシャンパンはピノ・ムニエ主体ならではの、ふっくらとした果実感が最大の魅力。赤い果実(サクランボ、フランボワーズ)の香りに、ほのかなスパイスのニュアンスが重なり、全体的に丸みのある口当たりが楽しめる。 特筆すべきは Benoît Déhu の「Cuvée La Rue des Noyers」。100%ピノ・ムニエをビオディナミ農法・樽発酵で仕上げ、果実味の奥に振動するようなミネラル感が宿る。シャルドネのキレやピノ・ノワールの渋みより、ムニエの甘みとボリューム感を求める飲み手にとって、まさに理想的な選択肢となる。肉料理や熟成チーズとの相性も抜群で、シャンパンを食中酒として楽しみたい人にこそ試してほしいスタイルだ。

テロワール

フォソワの畑は、マルヌ川南岸の緩やかな丘陵地帯に広がり、標高は61〜234 mにわたる。斜面の向きは多様だが、北向きの緩い傾斜が多くを占めるため、日照量は抑えめとなり、ぶどうはゆっくりと熟成する。 この村のテロワールを特徴づけるのは「ブリー産の石英岩(meulière de Brie)」を基盤とする土壌だ。パリ盆地の堆積地層に属し、上層にはローム質(シルト質)の土壌が堆積している。この構造が優れた保水性を生み出し、乾燥した年でもぶどうが安定して水分を確保できる。隣接するモン=サン=ペールやメジー=ムーランと比べ、よりシルト質の割合が高い土壌構成がピノ・ムニエの栽培に適している所以だ。 気候は「北東パリ盆地型」の海洋性変化気候(ケッペン分類Cfb)で、年間を通じて降水量が均一に分布し、冬は3℃前後まで冷え込む。村の南側に広がるフォソワの森が自然の風よけとなり、霜害や強風から畑を守る微気候を形成している。この森との関係は深く、村の代表的生産者 Benoît Déhu は醸造用の樽材をこの森から調達するほどだ。保水力のある土壌と安定した気候が相まって、ピノ・ムニエが持つ豊かな果実味を最大限に引き出す環境が整っている。

詳細

フォソワはマルヌ川左岸(南岸)に位置し、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエストに属するコミューンだ。コミューン全体の面積は718ヘクタール(7.18 km²)で、人口は535人(2023年)。マルヌ川を挟んで北北東にモン=サン=ペール、西にグランが位置し、対岸右岸側と常に向き合う地形となっている。左岸側では北東にメジー=ムーラン、東にクレザンシー、西南西にブレームが隣接する。コミューン内にはレ・ピロ(Les Pilots)というハムレットを含み、メイン村の南西側に点在する。また、近接する水面「イル・サン=ピエール(Île Saint-Pierre)」(15.9 ha)がマルヌ川水系の一部を形成している。

フォソワはシャトー=ティエリー圏域の縁辺部に位置し、約80のコミューンを束ねる「ペイ・ド・ロモワ(Pays de l'Omois)」の本部所在地でもある。行政的にはアイスヌ県(Aisne)に属する。

テロワール詳細

フォソワの62.10 haの畑のうち、47.40 ha(約76%)をピノ・ムニエが占め、ピノ・ノワールが8.20 ha、シャルドネが6.50 haという構成だ。畑は村の東側・南側に広がり、斜面の向きは多様だが、北向きの緩やかな傾斜が多くを占める。北向き斜面は日照量が抑えられるため、ぶどうの酸が保持されやすく、ピノ・ムニエの果実味と程よい緊張感が共存するスタイルを生む。土壌の基盤はブリー産の石英岩(meulière de Brie)で、上層にローム質・シルト質の堆積土が覆う構造。この保水力のある土壌がピノ・ムニエに適した環境を形成しており、隣接するモン=サン=ペールやメジー=ムーランに比べてシルト質の比率が高いのが特徴だ。村南側の森が風よけとなり、安定した微気候を形成している。

主要生産者

Benoît Déhu(RM)は、1787年創業の「Déhu Père & Fils」から分かれたサブレーベルで、8代目ベノワ・デュが手掛ける。ボランジェでの経験を持つベノワは2011年に自身のキュヴェの生産を開始。2.25 haをビオディナミ農法で栽培し、うち0.40 haは馬耕で管理する。代表キュヴェ「La Rue des Noyers」(1.7 ha、100%ピノ・ムニエ)は2014年に初リリースされ、ビオディナミ農法・樽発酵・熟成により、際立ったミネラリティと深みのある果実味が特徴。コトー・シャンプノワ(白・赤)も同一区画から生産している。醸造に使う樽材はフォソワの森から調達しており、土地との一体感を大切にした造りが貫かれている。

A. Robert(RM)は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌとコート・デ・ブランに畑を持つグロワーで、ヴィニュロン・アンデパンダン会員。トップキュヴェ「Cuvée Le Sablon」はノンヴィンテージで、シャルドネ60%・ピノ・ムニエ20%・ピノ・ノワール20%という異色のブレンド構成。コート・デ・ブランのシャルドネをベースに据えることで、ヴァレ・ド・ラ・マルヌらしい果実感にキレと緊張感を加えた独自スタイルを確立している。Bonnet Launoisと同系列の経営体に属する。

歴史・由来

フォソワはマルヌ川沿いの古い農村地帯に属し、伝統的な地方建築と多くの泉・洗い場が今も残る村だ。「ペイ・ド・ロモワ」の本部が置かれた農場「フェルム・デュ・リュ・シャイィ」は、フランスの農民画家レオン・レルミット(Léon Lhermitte)が好んで絵を描いた場所として知られ、その代表作「麦刈り人の報酬」はオルセー美術館に収蔵されている。

シャンパン生産においては、Déhu Père & Filsが1787年(フランス革命の2年前)に創業したという記録が残り、フォソワでの葡萄栽培・醸造の歴史の長さを示している。現在の8代目ベノワ・デュが2011年にビオディナミ農法への転換を開始し、2014年に有機農業認証を取得。同年、「La Rue des Noyers」の初リリースにより、フォソワは単なるムニエ産地を超えた個性派テロワールとして国際的な注目を集めるようになった。

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「Fossoy」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報