Crézancy / クレザンシー

クレザンシーは、村内の農業・ワイン学校が自らシャンパンを醸造する珍しい生産体制を持つ村です。畑の主役はピノ・ムニエで、約65%を占める比率はヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエストらしい構成。学びの場から生まれる一本を、ぜひ味わってみてください。

基本情報

地域圏(Région)Hauts-de-France
県(Département)Aisne
区(Arrondissement)Château-Thierry
郵便番号 : 02650
面積 : 7.06 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Fossoy, Saint-Eugène, Mézy-Moulins, Connigis, Reuilly-Sauvigny,

「Crézancy」のぶどう畑

テロワールVallée de la Marne
- Vallée de la Marne Ouest
格付け83% Autre Cru [?]
栽培面積52.7 ha
- Chardonnay11.8 ha (22.4%)
- Pinot Noir8.1 ha (15.4%)
- Pinot Meunier32.8 ha (62.2%)
- その他0 ha (0%)

特徴

主要品種ピノ・ムニエがもたらす、丸みのある果実味とやわらかな口当たりが持ち味。シャルドネを少量ブレンドすることで、フレッシュな酸とほのかな複雑性が加わり、重すぎない飲み口に仕上がる。難しいことを考えず、気取らない食卓にすっと馴染む味わいだ。注目したいのは、村の農業・ワイン学校が自ら醸造する点。学びの過程で磨かれた丁寧な仕事ぶりが、素朴ながらも芯のある一本に表れている。シャンパンの「日常使い」を知りたい初級者にこそ、まず手に取ってほしい一本といえるだろう。

テロワール

クレザンシーの畑は、コミューン東部のパロワ集落上方の斜面に集中し、隣接するメジー=ムーランの畑と途切れることなく一体のブロックを形成している。斜面は主に西向きで、一部南向きの区画も持つ。標高は62〜233mと幅広く、フランス北部に典型的な退化海洋性気候の影響を受ける。水系はセーヌ=ノルマンディ流域に属し、スュルムラン川が畑の排水を担う点が、マルヌ川本流沿いの村々とは異なる地形的個性となっている。品種構成はピノ・ムニエが約65%と圧倒的優位を占め、シャルドネ約20%、ピノ・ノワール約15%が続く。エシェル・デ・クリュは白黒ともに83%のオートル・クリュ格付け。この西向き斜面とスュルムラン川流域という条件が、ムニエに丸みと穏やかな熟度を与える土台となっている。

詳細

クレザンシーはヴァレ・ド・ラ・マルヌ・ウエストに位置するコミューンで、マルヌ川左岸(南側)、スュルムラン川沿いの低地から丘陵地帯にかけて広がっている。コミューン面積は706haで、主村のほか南方の集落ラ・ボワシエールと、スュルムラン川を渡った東方のパロワ・サン=ブレーズのハムレットを含む。標高は62〜233m(平均約67m)で、パリとストラスブールを結ぶ旧国道3号沿い、シャトー=ティエリから東へ約9.5kmの場所に位置する。隣接コミューンは、北にメジー=ムーラン、北東にルイイ=ソヴィニー、南東にコニジ、西にフォソワ、南にサン=テュジェーヌがある。

テロワールの特徴

ブドウ畑の大部分はコミューン東部、パロワ集落上方の斜面に集中しており、隣接するメジー=ムーラン村の畑と連続した一体のブロックを形成している点が特徴的だ。主村西側には農業・ワイン学校所有の畑が一ブロック存在し、これがクレザンシーの生産構造を特徴づけている。斜面の向きは主に西向きで、一部に南向きの区画も見られる。気候はフランス北部に典型的な退化海洋性気候で、水系はセーヌ=ノルマンディ流域に属し、全長41kmのスュルムラン川が畑の排水を担う。品種構成はピノ・ムニエが圧倒的優位(約65%)を占め、シャルドネ約20%、ピノ・ノワール約15%が続く(CIVCデータ)。エシェル・デ・クリュは白黒ともに83%のオートル・クリュ格付けとなっている。

主要生産者

クレザンシーを語る上で欠かせないのが、リセ・ド・クレザンシー、すなわち地元の農業・ワイン学校である。同校はクレザンシー村内に約3haの畑を所有し(一部はバルジー=シュル=マルヌに所在)、自らシャンパンを醸造・販売している。醸造されたシャンパンはデロームの名で出荷され、レコルタン・マニピュラン(RM)に分類される。代表キュヴェ「ウフラジ(Euphrasie)」はシャルドネとピノ・ムニエをブレンドしたミレジム(2008年ヴィンテージなど)で、教育機関でありながら実践的な醸造技術を継承してきた歴史を物語る一本だ。学校が醸造主体となり、自校ブランドとして瓶詰めまで手がけるケースはシャンパーニュ地方全体を見渡しても珍しく、教育と生産が一体化したクレザンシーならではの体制を象徴する存在となっている。なお、村内の生産者数はDB上7名とされるが、大手メゾンとの契約栽培農家を含めると、実際にブドウを所有・栽培する者の数はさらに多いとみられる。

歴史・由来

村のランドマークは13世紀建造の教会、ノートル=ダム教会で、ロマネスク様式のポルタル(正面扉口)を備える。人口は1968年の837人から緩やかな増加傾向をたどり、2017年には1,230人とピークを迎えた後、2023年時点では1,166人となっている。農業・ワイン学校は長年にわたって地域の醸造教育の拠点として機能しており、座学にとどまらず実際の畑仕事と醸造を一貫して経験できる場として知られる。自校ブランドのシャンパン生産という形で、教育機関でありながら市場に流通する商品を生み出してきた点は、クレザンシーという村の個性を語るうえで欠かせない要素であり、教育と生産が結びついた独自の歴史を今に伝えている。

詳細を閉じる

「Crézancy」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報