Gaspard Brochet / ガスパール・ブロシェは、フランス北東部のシャンパーニュ地方で生産されるシャンパン(発泡性ワイン)の銘柄、Écueilを本拠とするRM / レコルタン・マニピュラン、いわゆる栽培醸造家の銘柄で、自社でブドウを育て、そのブドウでシャンパンを生産しています。
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目次

Gaspard Brochet / ガスパール・ブロシェ

Gaspard Brochet

ガスパール・ブロシェ

ガスパール・ブロシェは、プティット・モンターニュ・ド・ランスのエキュイユ村で1721年から続く栽培農家の13代目が、2017年に自らの名で立ち上げたレコルタン・マニピュランです。約3.3haの自社畑をビオディナミで耕し、区画ごとの個性を瓶に写す、繊細で透明感のあるシャンパーニュを生み出しています。

基本情報

地区Montagne de Reims / モンターニュ・ド・ランス
- Petite Montagne de Reims / プティット・モンターニュ・ド・ランス
村51500 Écueil / エキュイユ [Premier Cru]
所在地28 rue de Villers-aux-Noeuds, 51500 Écueil (Google Maps)
公式サイト-
SNS@gaspardbrochet
設立2017
製造業者種別RM
インポーターヴィヴィット
生産者表記EARL DOMAINE LES CROIX
関連銘柄familygroup

商品更新情報

特徴・スタイル

ガスパール・ブロシェが目指すのは、「繊細さと透明感」という言葉に集約されるシャンパーニュです。ほとんどのキュヴェが単一区画・単一ヴィンテージで仕込まれ、畑ごとの土壌の違いがそのままグラスの中の表情の違いになります。 新樽の比率が高い樽発酵・樽熟成から生まれるふくよかな酸化的ニュアンスと、マロラクティック発酵をほとんど経ない張りのある酸。この二つが同居することで、抜栓直後は静かでも、時間とともにゆっくりと開いていく設計です。型にはまった手順ではなく、その年その区画のぶどうと向き合いながら直感で判断を重ねる、実験精神に貫かれた造りです。

歴史・ブランドストーリー

ブロシェ家がエキュイユ村でぶどうを育て始めたのは1721年。以来この土地で畑を守り継ぎ、1943年には祖父の代で自家元詰めに踏み切って、収穫から瓶詰めまでを自らの手で行うレコルタン・マニピュランとなります。 1995年生まれのガスパール・ブロシェは、その13代目。高校卒業後に進んだのはワインではなくグラフィックデザインの道でしたが、20歳を過ぎた頃、実家を手伝ううちにワイン造りへの情熱が芽生えます。決定的だったのは、オーヴェルニュの自然派ワインの造り手のもとで働いた経験でした。土地の個性をそのまま映し出すワインに出会い、目指す方向が定まったのです。 2016年、父ヴァンサン・ブロシェからドメーヌを引き継ぎます。ただし父の名を頼りにしてきた顧客への配慮から、醸造方針をすぐに大きく変えることはできませんでした。そこで2017年ヴィンテージより、自らの名を冠したブランドを別に立ち上げ、実家の隣のガレージで醸造を始めます。2019年までに自社畑での元詰めを本格化させ、2023年の収穫からは整備の終わった父の醸造所で仕込んでいます。

詳細

ガスパール・ブロシェの畑は、ランス市の南西に広がるプティット・モンターニュ・ド・ランスに位置します。本拠地であるプルミエ・クリュ格付けのエキュイユ村を中心に、隣接するサシー村、ヴィレ=オー=ヌード村へと、合わせて14の区画が点在しています。総面積は約3.3haと小さく、そのすべてを当主自身の目が届く規模にとどめている点が、この造り手の方針をよく表しています。区画の一部には1950年代から1960年代に植えられた老木が残り、ヴィレ=オー=ヌード村では、この一帯で評価の高いリュー・ディ(畑の小区画名)「ル・モン・ブノワ(Le Mont Benoît)」にも畑を持ちます。

エキュイユ村の斜面では、標高の違いがそのまま土壌の違いとして現れます。上部は粘土質、中腹は白亜を母岩とする粘土石灰質、そして下部は砂質へと移り変わります。植えられている品種はピノ・ノワールが8割を占め、シャルドネ、ピノ・ムニエが続きます。モンターニュ・ド・ランスらしい黒ぶどう主体の構成に、土壌の細かな移り変わりが重なることで、区画ごとに異なる表情が生まれます。

栽培では除草剤・殺虫剤・化学肥料を使わず、畝ごとの耕耘を生育期に複数回、収穫後に一度行って土を柔らかく保ちます。土壌の活動を促すために撒かれるのは、キノコ栽培由来のコンポストと、刈った草や粉砕した剪定枝です。剪定はピノ・ノワールとピノ・ムニエをコルドン式、シャルドネをシャブリ式と、品種によって使い分けます。2021年頃から有機栽培への転換を進め、2022年ヴィンテージ以降は全区画をビオディナミで栽培しています。環境に配慮した農法に与えられる認証HVE(Haute Valeur Environnementale)のレベル3も取得しています。

栽培・醸造データ
自社畑面積約3.3ha
区画数14区画
品種構成ピノ・ノワール80%/シャルドネ15%/ピノ・ムニエ5%
古木の植樹年1950年代〜1960年代(一部区画)
圧搾機4,000kgバスケットプレス
ステンレスタンク2基
瓶内二次発酵用リキュール19g
澱抜きまでの熟成期間約24か月
栽培認証HVEレベル3/ビオディナミ(2022年ヴィンテージ以降)

醸造方針

ぶどうは十分に熟してから収穫し、伝統的な4,000kgのバスケットプレスで圧搾します。圧搾のサイクルと時間はヴィンテージ、品種、畑ごとに変え、その年のぶどうの状態に合わせて細かく調整されます。得られた果汁はポンプを介さず重力でカスタムメイドのステンレスタンク2基へ落とし込み、亜硫酸を使うのは圧搾時のごく少量のみで、熟成中は一切加えません。

短期間ステンレスタンクで静置したのち、果汁は大きさも樽齢も異なる樽へ移されます。新樽の比率が高いのが特徴で、培養酵母を加えず、自然に発酵が始まるのを待ちます。セラーが低温に保たれているため、ほとんどの銘柄はマロラクティック発酵をほとんど経ないまま熟成へ入ります。澱を混ぜ込むバトナージュは頻繁に行われますが、その間隔は毎週から不定期までキュヴェごとに異なり、樽の様子を見ながら感覚的に判断されます。

瓶詰めは晩夏、月の満ち欠けを示す暦にしたがって行われます。瓶内二次発酵に用いるリキュールの量は19gに抑え、栓には王冠ではなくコルクとアグラフ(agrafe)と呼ばれる金具の留め具を使う、古典的な方法が選ばれています。澱抜き(ゴルジュマン)は瓶詰めから約24か月後、冬の終わりに一本ずつ手作業で行われます。

キュヴェの多くは単一区画・単一ヴィンテージで仕込まれ、複数の要素をブレンドして味わいを均一に整える発想とは逆の方向を向いています。例外がノン・ヴィンテージの「333」シリーズで、3品種、エキュイユ・サシー・ヴィレ=オー=ヌードの3つの村、3つのヴィンテージを組み合わせるという明快なコンセプトのもとに造られます。

ラベルに込めた物語

2024年からは、ラベルに一族に伝わる歴史的な屋号「ドメーヌ・レ・クロワ(Domaine Les Croix)」が併記されるようになりました。ラベルを飾る動物のイラストは、グラフィックデザインを学んだ当主自身がイラストレーターと共同で手がけたもので、それぞれに家族や畑にまつわる意味が込められています。デザインの世界で身につけた表現の技術が、300年続く家族の物語をボトルの上で語る手段になっているというわけです。

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