Trigny / トリニー

ランス北西15kmに広がるマッシフ・ド・サン・ティエリーの中核村。「オートル・クリュ」格付けながら、砂質土壌が生み出す独自のエレガンスと、189haを超える広大な畑でピノ・ムニエが主役を張る、個性派テロワール。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51140
面積 : 12.21 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Hermonville, Muizon, Châlons-sur-Vesle, Chenay, Pévy, Prouilly,

「Trigny」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Massif de Saint-Thierry
格付け blanc:87%,noir:85% Autre Cru [?]
栽培面積189.9 ha
- Chardonnay33 ha (17.4%)
- Pinot Noir67.1 ha (35.3%)
- Pinot Meunier89.8 ha (47.3%)
- その他0 ha (0%)

特徴

トリニーのシャンパンはピノ・ムニエを中心に据えたブレンドが多く、赤果実の甘やかな香りと軽やかな口当たりが第一印象となる。砂質土壌由来のミネラリティとフレッシュネスがアクセントとなり、重厚さよりも軽快さと即飲み適性を特徴とする。 グロワーのR. Blin & Filsが手がけるモノ・クリュや、トップキュヴェ「L'Onirique」(ピノ・ノワール90%+シャルドネ10%)のように、単一村ならではの土壌の素直な表現を追求する造り手も存在する。アペリティフはもちろん、貝類や軽めの魚介料理と合わせると砂質テロワールの塩気を帯びたミネラル感がひときわ際立つ。

テロワール

トリニーの畑は、ランスから北西約15kmに広がるマッシフ・ド・サン・ティエリーの中核に位置し、標高68〜215m(平均120m前後)のなだらかな丘陵地帯に展開する。地区全体に共通する緩傾斜の地形は耕作を容易にする一方、斜面の向きが多方向に分散するため、区画ごとに日照条件が異なる。 トリニー最大の個性は、マッシフ内でも際立つ砂質土壌にある。隣接するエルモンヴィルやプルイイがシルト混じりのロームを主体とするのに対し、トリニーは砂の比率が高く、水はけが良い反面、保水力は低い。この砂質がブドウを適度にストレス状態に置き、凝縮感よりもデリカシーとフレッシュネスを引き出す方向に作用する。 醸造家クレール・ブランが「サンディで多様、唯一無二のテロワール」と語るように、190haに及ぶ広い栽培面積の中に複数の土壌バリエーションが混在し、これがトリニーのシャンパンに複雑な表情を与えている。砂質が際立つほどピノ・ムニエの早熟性と親和性が高まり、同品種が総面積の約半分を占める構造的な理由ともなっている。

詳細

トリニーはシャンパーニュ地方北西部、マルヌ県に属するコミューンで、ランスの北西約15kmに位置する。行政区画としてはグラン・テスト地域圏(Grand Est)に属し、コミューン総面積は約1,221 ha。マッシフ・ド・サン・ティエリーとヴェスル川渓谷の間に広がり、北にペヴィー、北北東にエルモンヴィル、東にシュネイ、南東にシャロン=シュル=ヴェル、南にMuizon、西にプルイイを隣接する。マッシフ・ド・サン・ティエリーはモンターニュ・ド・ランスを構成する17テロワールのひとつで、15村すべてがオートル・クリュに格付けされている。シャンパーニュ観光ルート(Route touristique du Champagne)がトリニーを通過し、地区の玄関口的な役割も担う。

テロワール詳細

トリニーのブドウ畑は標高68〜215m(平均120m前後)のなだらかな傾斜地に広がり、特に村の西側と北北東方向に集中する。マッシフ・ド・サン・ティエリー全体に共通する緩傾斜の地形は耕作しやすく、ピノ・ムニエの栽培に適した環境を提供している。 トリニー最大の個性は砂質土壌にある。マッシフ内の他村がシルト混じりのロームを主体とするのに対し、トリニーでは砂の比率が高く、適度な水はけと低保水性が組み合わさることでブドウに心地よいストレスを与え、重厚な凝縮感よりもデリカシーとフレッシュネスを引き出す方向に作用する。190ha近い広い栽培面積の中に複数の土壌バリエーションが混在し、これがトリニーのシャンパンに複雑な表情を加えている。代表的なリュー・ディとして、村南西の南向き斜面に位置するLes Closが知られる。

主要生産者

トリニーで最も注目される生産者がマキシム・ブランである。RM区分で、トリニーにのみ畑を所有し、40区画・25のリュー・ディから11キュヴェを造る。品種構成はピノ・ノワール50%・ピノ・ムニエ35%・シャルドネ15%で、年間約9万本を生産。2021年にオーガニック認証を取得し、ヴィニュロン・アンデパンダン(Vignerons Indépendants)およびレ・マン・デュ・テロワール・ド・シャンパーニュ(Les Mains du Terroir de Champagne)に加盟。ラベル「R. Blin & Fils」名義でも一部商品を販売する。トップキュヴェ「L'Onirique」はピノ・ノワール90%+シャルドネ10%で構成される。

このほか、トリニーを拠点とする主な生産者は以下のとおり。

  • R. Blin et Fils(RM):マキシム・ブランと同一生産者が別ラベルで展開するキュヴェ群。
  • Guy Blin Laurent(RC):ヴィンテージ品はシャルドネ・ピノ・ノワール・ピノ・ムニエを各1/3でブレンド。
  • A. Forest et Fils(RC):同じく3品種を均等割りにしたヴィンテージを手がける。
  • Forest Marie(RM):トリニー拠点で、エキュイユ・サシー・ヴィルドマンジュ(プルミエ・クリュ)にも畑を所有する。
  • J. L. Goulard Gérard(RM):Jean-Luc Goulardとも称される小規模グロワー。
  • Bernard Demoget(RM):村内の伝統的な栽培農家系生産者。

また、村内にはトリニー=プルイイ醸造協同組合(Coopérative Vinicole de Trigny-Prouilly)があり、145人の組合員を擁する。R. Blin & Filsの創業者ロベール・ブランが設立した初代協同組合として知られ、施設は1950年代に建設された。

歴史

トリニーの歴史はサン=ティエリー修道院(Abbaye de Saint-Thierry)と深く結びついている。西フランク王シャルル2世(禿頭王)が修道院に現在のトリニーにあたる土地(Marzella)を寄進したことが村の起源とされ、963年にはロタール王の勅書によって「Trigny」という村名が正式に確認された。中世には修道僧が周辺の土地を開墾してブドウを植え、土地は修道院・村人・ルーシー伯の三者で分割所有された。9世紀にはノルマン人が約36年間村を占領し(922年まで)、12〜13世紀にはルーシー伯と村人・修道院との間で土地支配をめぐる争いが繰り返された。13世紀には修道院がランス・サン=ニケーズ大聖堂建設用の石材を採掘した採石場(la Maldenrée)を所有するなど、宗教的・経済的拠点として栄えた。フランス革命により修道院が廃止されると、修道院との長年にわたる確執に終止符が打たれた。 現代に目を向けると、第二次世界大戦後にロベール&ジュリエット・ブラン夫妻がトリニー初の協同組合を設立し、村のシャンパン生産の礎を築いた。2005年以降はマキシム・ブランがトリニーのテロワールに特化した醸造家として頭角を現し、マッシフ・ド・サン・ティエリーの名をシャンパン愛好家の間に広める役割を果たしている。地名の変遷としては、Triniacum(1100年)→ Trigniacum(1125年)→ Trigneium(1146年)と変化し、現代表記のTrignyに至っている。

詳細を閉じる

「Trigny」を拠点とするシャンパン銘柄

銘柄をもっと見る (全26件)

参考情報