Treslon / トルスロン

トルスロンは、シャンパーニュでは珍しい「チュフォー」という柔らかな多孔質石灰岩の上に広がる村。栽培面積の6割超をピノ・ムニエが占め、豊かでうまみのある酒質を育みます。素朴さの奥に隠れた個性を、ひと口確かめてみたくなる村です。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51140
面積 : 3.97 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Germigny, Tramery, Bouleuse, Rosnay, Faverolles-et-Coëmy, Savigny-sur-Ardres, Poilly,

「Treslon」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Vallée de l'Ardre
格付け86% Autre Cru [?]
栽培面積27.6 ha
- Chardonnay4.4 ha (15.9%)
- Pinot Noir6 ha (21.7%)
- Pinot Meunier17.2 ha (62.3%)
- その他0 ha (0%)

特徴

トルスロンのシャンパンは栽培面積の約62%を占めるピノ・ムニエが主役。砂質を帯びた石灰岩土壌がムニエ本来の果実味とまろやかさを引き出し、熟成とともに深みを増す「ブロードでサヴォリ」な味わいに育ちます。近年はドメーヌ・ラジィルのように単一区画・単一品種にこだわる造り手も登場し、土地の個性をそのまま映したムニエ表現が静かな注目を集めています。じっくり向き合いたい食中酒を探す人にこそ、出会ってほしい一本です。

テロワール

トルスロンはモンターニュ・ド・ランス西部、標高の低いプティット・モンターニュの丘の頂上付近に位置します。土壌は石灰質粘土を主体としながら、地下にはロワール中流域でも見られる「チュフォー」と呼ばれる多孔質で砂分の多い石灰岩が広がり、シャンパーニュで一般的なチョーク質土壌よりも柔らかく砂質が強いのが特徴です。畑は村の北から北西側に帯状に連なり、隣村ファヴロル=エ=コエミーへ向かう道路の上方、緩やかな南向き斜面に広がります。グランド・モンターニュより標高が低いぶんわずかに温暖な気候も相まって、この砂質石灰岩がもたらす独自の通気性と水はけが、ピノ・ムニエに穏やかな熟度と柔らかな質感を与えています。

詳細

トルスロンはモンターニュ・ド・ランスの北西部、ヴァレ・ド・ラルドルに属する小村で、丘の頂上付近に位置しています。コミューン面積は397ha、標高は97〜197mで、村の西側をルソー・ド・トルスロンという小川が流れ、隣村トラムリーでアルドル川に合流します。この谷沿いに村が形成されており、農業地域区分ではタルドノワに属します。ランスまでは約18km、フィスムまでは約16kmの距離にあり、周辺はロネ、ジェルミニー、ブルーズ、ポワリー、ファヴロル=エ=コエミー、サヴィニー=シュル=アルドルといった村々に囲まれています。

土壌の中心は石灰質粘土ですが、地下には「チュフォー」と呼ばれる多孔質で砂分の多い石灰岩が広がっています。これはロワール中流域でも見られるタイプの岩盤で、シャンパーニュで一般的なチョーク質よりも柔らかく砂質が強いのが特徴です。この砂分の多さがピノ・ムニエの栽培に適した環境を生み出しており、村の栽培面積の約62%をムニエが占める理由のひとつとなっています。畑は村の北〜北西側に帯状に広がり、緩やかな南向き斜面で穏やかな日照を受けます。気候はケッペン分類でCfb(温暖湿潤・冷涼な夏)に区分され、1971〜2000年の年間平均気温は10.3℃。「変質海洋性気候」とも呼ばれ、冬は冷え込みが強く(平均3℃)、日照量は比較的控えめです。プティット・モンターニュという低めの丘陵に位置するため、グランド・モンターニュよりわずかに温暖な点も、この村のムニエ栽培を後押ししています。

トルスロンを代表する造り手が、17世紀からこの地で栽培を続ける家族経営のドメーヌ・ラジィル(レコルタン・マニピュラン)です。現当主ヴァンサン・ラジィルの代でビオディナミへの転換を進め、単一区画・単一品種にこだわるシャンパン造りへと舵を切りました。自社畑(約7.3ha)はムニエ55%、シャルドネ30%、ピノ・ノワール15%という構成で、最大10ヴィンテージ使用した古樽での熟成を採用。ムニエにコルドン・ド・ロワイヤ仕立てを用いる手法は、グラン・クリュ村並みの丁寧な栽培アプローチとして注目されています。

その他の生産者

トルスロンは2023年時点で人口252人という小さな村で、長らくムニエ主体の土壌環境から「地味な産地」と見なされてきました。しかし17世紀から続くラジィル家のような栽培の蓄積に加え、近年広がる単一品種・テロワール表現という潮流の中で、その個性が改めて評価されつつあります。

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「Treslon」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報