Saint-Euphraise-et-Clairizet / サン=タフエーズ=エ=クレリゼ

サン=タフエーズ=エ=クレリゼは、モンターニュ・ド・ランスのヴァレ・ド・ラルドルに位置するオートル・クリュの小村。栽培面積37haのうち実に82%をピノ・ムニエが占め、ムニエの産地としての純度の高さが際立つ。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51390
面積 : 4.91 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Bligny, Méry-Prémecy, Pargny-lès-Reims, Coulommes-la-Montagne, Bouilly, Aubilly,

「Saint-Euphraise-et-Clairizet」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Vallée de l'Ardre
格付け86% Autre Cru [?]
栽培面積37.2 ha
- Chardonnay4.9 ha (13.2%)
- Pinot Noir1.9 ha (5.1%)
- Pinot Meunier30.4 ha (81.7%)
- その他0 ha (0%)

特徴

ピノ・ムニエが主役のこの村が生み出すシャンパンは、果実の丸みとやわらかな口当たりが持ち味だ。赤果実や白桃のニュアンスが前面に出て、タンニンの張りよりも滑らかさが際立つ。シャルドネ比率が低いため、コート・デ・ブランのような鋭利な酸よりもボリューム感が優先されるスタイルとなる。早くから楽しめる飲み口の良さから、ノン・ヴィンテージ・ブレンドの柔軟さを担う素材として大手メゾンに重宝される一方、少量ながらオーガニック転換を進めるグロワーも現れており、産地としての個性を丁寧に伝えるシャンパン造りも芽吹いている。

テロワール

サン=タフエーズ=エ=クレリゼの畑は村の北側に広がり、緩やかな南向き斜面が主体となっている。標高114〜235 mの起伏の中に、西集落のサン=タフエーズと東集落のクレリゼが位置し、両集落の間をノロン川とフロワド・フォンテーヌ小川が流れてアルドル川へと合流する。この小流域の谷間という地形が、周辺の尾根上の村とは異なる温和な微気候を生み出している。 土壌はモンターニュ・ド・ランス北部に典型的なチョーク質を基盤とするが、当村では粘土質の割合が比較的高く、ピノ・ムニエの適地となっている。事実、全畑の86%超をピノ・ムニエが占め、シャルドネは約4.9 ha(13%)、ピノ・ノワールは約1.9 ha(5%)にとどまる。隣接するクロム=ラ=モンターニュやパルニー=レ=ランスがプルミエ・クリュ格付けを得ているのに対し、当村はオートル・クリュ(エシェル86%)にとどまるが、この粘土質土壌こそがムニエの豊かな果実味を育む条件であり、格付けとは切り離して評価すべきテロワールといえる。

詳細

サン=タフエーズ=エ=クレリゼは、モンターニュ・ド・ランスの西側に広がるヴァレ・ド・ラルドルの一角、ノロン小流域の谷間に位置する。ランス市街から南西へ約14 kmの地に、西の「サン=タフエーズ」と東の「クレリゼ」という二つの集落が合わさってひとつのコミューンを形成している。コミューン総面積は491 haで、その中にブドウ畑37.20 haが広がる。北東側にクロム=ラ=モンターニュ、北北東にパルニー=レ=ランスというプルミエ・クリュの村々が隣接し、南にブイイ、南西にブリニー、西にオービイ、北西にメリ=プレムシーと、いずれも小さな農村が取り囲む静かな立地だ。

テロワールの最大の特徴はピノ・ムニエへの偏りである。畑の86%超をムニエが占め、これはヴァレ・ド・ラルドルのテロワール区分の中でも際立って高い数字だ。南向きの緩斜面に位置する畑には日照が安定して届き、ノロン川とフロワド・フォンテーヌ小川の流れが谷間の湿度を調整する。チョーク質を基盤としながらも粘土分の多い土壌がムニエの根に適度な保水力を与え、早熟で果実味豊かなブドウを育てる。オートル・クリュ(エシェル・デ・クリュ86%)という格付けは隣のプルミエ・クリュ村に一歩譲るが、ムニエ主体のブレンド素材としての評価は高く、大手メゾンのノン・ヴィンテージ向け買いブドウとしても安定した需要がある。

生産者数は32軒を数えるが、その多くは小規模の自家消費・販売農家であり、対外的に流通する生産者は限られる。

歴史的には、フランス革命期にこのコミューンは「アルドルクール(Ardrecours)」と呼ばれていた。現在の複合名は、守護聖人ウプレーズ(Euphraise)にちなむ西集落「サン=タフエーズ」と東集落「クレリゼ」の名を合わせたものだ。第一次世界大戦中の1917年には、村の北側(オービイとの境界付近)に野戦病院(HOE)が設置され、戦時医療・外科の研修センターとして機能した。この施設は近隣のブレーズ村の駅が輸送の拠点となったことから「ブレーズHOE」と称されたが、実際の所在地は当村の北縁であった。人口244人(2023年)の小さな村は、ムニエ産地としての静かな役割を今も担い続けている。

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「Saint-Euphraise-et-Clairizet」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報