Montigny-sur-Vesle / モンティニー=シュル=ヴェル

モンティニー=シュル=ヴェルは、マッシフ・ド・サン・ティエリーの最西端に位置するヴェスル川沿いの村。オートル・クリュ格付けながら、砂質・シルト質土壌がピノ・ムニエのスパイシーな個性を際立たせる産地として、じわじわと注目を集めている。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Marne
区(Arrondissement)Reims
郵便番号 : 51140
面積 : 9.46 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Bouvancourt, Jonchery-sur-Vesle, Pévy, Vandeuil, Prouilly, Romain, Breuil-sur-Vesle, Ventelay,

「Montigny-sur-Vesle」のぶどう畑

テロワールMontagne de Reims
- Massif de Saint-Thierry
格付け84% Autre Cru [?]
栽培面積23.6 ha
- Chardonnay4.2 ha (17.8%)
- Pinot Noir9.5 ha (40.3%)
- Pinot Meunier9.9 ha (41.9%)
- その他0 ha (0%)

特徴

栽培面積の約42%をピノ・ノワール、約42%をピノ・ムニエが占め、シャルドネは15〜18%にとどまる黒ブドウ優勢の村だ。生まれるシャンパンはフルーティーで丸みのある口当たりが基調となり、砂質土壌がもたらすスパイスのニュアンスが後押しする。Suenenが造る単一区画「La Grande Vigne」は、接ぎ木なし樹齢50年のムニエからダーク・ミネラルとサワードウのような温かみを引き出し、このテロワールが持つポテンシャルを体現している。食中酒としての守備範囲が広く、軽めの肉料理から旨味のある魚介料理まで、日常の食卓に寄り添えるシャンパンを求める飲み手に響くスタイルだ。

テロワール

モンティニー=シュル=ヴェルは、モンターニュ・ド・ランス北西端のマッシフ・ド・サン・ティエリーに属し、ランスから北西へ下ったヴェスル川右岸に位置する。標高は64〜202 mと幅があり、ブドウ畑は村の東から東南東にかけて広がる。斜面は主に南西〜西向きで、日照を穏やかに受ける穏当な立地だ。 土壌の主体はタネシアン(古第三紀暁新世)時代に堆積した深い砂質・シルト質層で、近隣のプルイイ、ペヴィーとも類似した地質構成をもつ。この砂質土壌は保水性と通気性のバランスに優れ、ピノ・ムニエ固有のスパイシーさと細やかな果実味を引き出す素地となっている。栽培面積は1997年の20 haから2019年時点で23.5 haへと緩やかに拡大しており、産地としての認知が着実に積み上げられている。

詳細

モンティニー=シュル=ヴェルはランスの北西約20 kmに位置し、ヴェスル川沿いに広がるマッシフ・ド・サン・ティエリーエリアの西端を担うコミューンだ。現在のAOCシャンパーニュ認定村の中では、ランスから北西方向へ川を下ったときに最後に行き着くアペラシオンとなっている。面積は約9.46 km²、人口は537人ほどの小村だが、23.60 haのブドウ畑を有する。将来的な区域拡張の議論では、村の周辺に位置するブヴァンクール、ヴォントゥレ、ロマン、ブレイユ=シュル=ヴェスル、ジョンシェリー=シュル=ヴェル、ヴァンダイユなども候補地として挙げられており、このエリア全体のポテンシャルが改めて問い直されている。

ブドウ畑は村の東〜東南東の斜面に集中し、タネシアン時代の砂質・シルト質土壌が卓越している。この地層は水はけがよく、根が深く張りやすいことから、ピノ・ムニエが本来もつスパイシーさと繊細なフローラルノートが際立ちやすい。同じマッシフ・ド・サン・ティエリーに属するプルイイやペヴィーとも地質的な共通点があるが、モンティニー=シュル=ヴェル固有の砂質成分の卓越度が、よりキメ細かいテクスチャーと穏やかな酸を生み出すとされている。ピノ・ノワールとピノ・ムニエがほぼ同等の面積を占め(各9.5 haと9.9 ha)、シャルドネは4.2 haにとどまる。この品種構成が示すとおり、黒ブドウが主役の産地だ。

村を代表するフルーリー・ブロンディは、1937年から「Ferme du Goulot」を拠点とする家族経営のレコルタン・マニピュランだ。モンティニー=シュル=ヴェル、プルイイ、ペヴィーにまたがる2.5 haの自社畑を管理し、1992年に消費者への直売を開始した。ブリュット、ロゼ、レゼルヴ、ドゥミ・セックと幅広いキュヴェをラインアップし、ワイナリー訪問やエコツーリズムも受け入れることで地域との結びつきを大切にした経営スタイルを貫いている。現地を訪ねることで、マッシフ・ド・サン・ティエリーの等身大のシャンパーニュを体験できる数少ない機会を提供してくれる生産者だ。

もう一つ注目すべき存在が、グラン・クリュ クラマンを本拠とするSuenenだ。村内の「La Grande Vigne」(0.21 ha)に接ぎ木なしの樹齢50年超のピノ・ムニエを擁し、600リットルのドゥミ・ミュイ(半樽)で熟成する単一区画キュヴェを生産する。ダーク・ミネラルのエッジ、トーストしたサワードウの温かみ、甘いフローラルノートが重なる精緻な味わいで、このテロワールにおけるピノ・ムニエの可能性を具体的な形で示している。Suenenのアプローチは、このコミューンが本来もつポテンシャルに外部からの眼差しを向けたものとして、産地評価の観点でも意義深い。

歴史を遡ると、496年にクロービス王がこの地をサン・レミ司教に寄進したことが発展の起点となる。6世紀にはサン・レミの弟子ティエリーが「Mont d'Hor」と呼ばれた丘に修道院を建立し、以後13世紀にわたってブドウ栽培と村落の発展を促した。この修道院はフランス歴代国王のランスへの戴冠式とも深く結びついていたが、繰り返す戦乱による被害を受け、1777年頃に解体されてブルジョワの館へと建て替えられた。かつてこの地域では赤ワインが盛んに造られており、その名残が現在の黒ブドウ優勢の品種構成に受け継がれている。1994年時点でマッシフ・ド・サン・ティエリー全体では833 haのブドウ畑が広がっており、モンティニー=シュル=ヴェルはその一翼を担う存在として地区の歴史とともに歩んできた。

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「Montigny-sur-Vesle」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報