Meurville / ムールヴィル

ムールヴィルは、コート・デ・バールの中でも珍しくキンメリジャンより新しいポルトランディアン土壌が混じる村。畑の約8割を占めるピノ・ノワールが、骨格のしっかりしたブラン・ド・ノワールを生み出します。小さな村が醸す、芯の強い一杯を試してみませんか。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Bar-sur-Aube
郵便番号 : 10200
面積 : 16.35 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Longpré-le-Sec, Magny-Fouchard, Bergères, Couvignon, Spoy, Bligny,

「Meurville」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Bar-sur-Aubois
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積164.8 ha
- Chardonnay27.4 ha (16.6%)
- Pinot Noir126 ha (76.5%)
- Pinot Meunier9.6 ha (5.8%)
- その他1.8 ha (1.1%)

特徴

ムールヴィルのシャンパンは、ピノ・ノワール約8割という構成を反映して、果実の凝縮感としっかりした酸を併せ持つブラン・ド・ノワール系が主役です。レミ・ルロワのようにシャルドネを樽で仕込んだキュヴェを手がける造り手もおり、ポルトランディアンとキンメリジャンが混じる土壌由来の複雑味を表現する試みも見られます。ヴィエイユ・ヴィーニュを用いた重層的な一本もあれば、3品種をバランスよく配合したアッサンブラージュもあり、骨格のある味わいは肉料理や熟成チーズと好相性。じっくり向き合いたい飲み手にこそ届けたいスタイルです。

テロワール

ムールヴィルの畑は、ランディオン川の両岸に複数のブロックとなって点在しています。コート・デ・バールの大半を覆うキンメリジャン土壌(シャブリと同じ地層でシャルドネ向き)に対し、ムールヴィルはそれより新しく化石を含まないポルトランディアン土壌が相当な割合を占めるのが特徴です。この土壌はピノ・ノワールとの相性がよいとされ、実際に畑の大部分が同品種で占められています。標高約200〜205mの丘陵地に広がる畑は、隣接するベルジェールやクヴィニヨンの畑とも地続きになっており、コミューン境界を越えてひとつのテロワールを形成しています。冬の冷え込みが厳しく秋冬は霧が出やすい大陸性寄りの気候も相まって、果実の酸とミネラル感がきっちりと残るブドウが育ち、骨太な味わいの土台となっています。

詳細

ムールヴィルはコート・デ・バールのバール・シュル・オウボワ・テロワールに属する小さな村で、コミューン面積は1,635 ha、標高約200〜205mの丘陵地にランディオン川が流れています。北にスポワ、北東にクヴィニヨン、南東にベルジェール、南にブリニー(オーブ)と、複数のシャンパーニュ村に囲まれた立地です。人口は151人(2023年)と小規模ながら、畑は村の南から南西にかけての丘を囲む最大ブロックを中心に、西〜北西、そしてベルジェール・クヴィニヨンの畑と地続きになる南東・北東のブロックへと分散しています。

テロワールの最大の特徴は土壌です。コート・デ・バール全体ではキンメリジャン土壌が約95%を占めますが、ムールヴィルはそれより地質学的に新しく化石を含まないポルトランディアン土壌が相当割合を占めています。キンメリジャンがシャルドネに適するのに対し、ポルトランディアンはピノ・ノワールとの相性がよいとされ、実際に畑の大部分(約78%)が同品種で占められています。気候はフランス気象局分類で「変容した海洋性気候」、ケッペン分類ではCfb(温暖夏型)にあたり、ロレーヌ・ラングル高原・モルヴァン気候区に属します。冬の平均気温は1.5℃と厳しく、秋冬は霧が出やすいのも特徴で、年平均気温10.4℃、年間降水量853mmという冷涼な環境が、酸の輪郭がはっきりしたブドウを育てます。

主要生産者

村を代表する造り手がレミ・ルロワです。8.5ha(ピノ・ノワール72%/シャルドネ20%/ピノ・ムニエ8%)を所有し、ピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワールに加え、シャルドネを全量樽で醸造するブラン・ド・ブランも手がけるなど、ムールヴィルの土壌差を意識した造りを実践しています。協同組合では1961年設立の「Coopérative Vinicole des Coteaux du Landion」が組合員80名・管理面積176haを擁し、村南東部の建屋から「ガストン・シェック」ブランドを送り出しています。このブランド名は、後述する1911年の蜂起を率いた人物に由来します。

大手メゾンではモエ・エ・シャンドンも村内に一部畑を所有しています。

歴史

ムールヴィルの教会内にはメロヴィング朝時代の石棺が保存されており、村の歴史の古さを物語ります。1789年時点ではシャロン総督管轄下、バール・シュル・オーブ選挙区、トロワ代官管轄に属していました。村の歴史を語るうえで欠かせないのが、1911年に起きたオーブ地区ヴィニュロン蜂起です。これはコート・デ・バールがシャンパーニュ産地の境界から排除されようとしたことへの抗議運動で、協同組合ブランド「ガストン・シェック」は、この蜂起を率いた人物(1866〜1937)の名にちなんで名付けられました。小さな村に刻まれたこの抵抗の記憶は、現在も地域のアイデンティティの一部となっています。

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「Meurville」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報