Courteron / クルトゥロン

クルトゥロンは、格付けのないオートル・クリュながら、栽培面積の9割近くをピノ・ノワールが占め、フルーリー・ペール・エ・フィスをはじめ3軒がビオディナミ栽培を実践する集積地。素朴で奥行きのある一杯に、出会ってみませんか。

基本情報

地域圏(Région)Grand Est
県(Département)Aube
区(Arrondissement)Troyes
郵便番号 : 10250
面積 : 10.33 km2
隣接するクリュ(Coomune)
Plaines-Saint-Lange, Gyé-sur-Seine, Essoyes,

「Courteron」のぶどう畑

テロワールCôte des Bar
- Barséquanais
格付け80% Autre Cru [?]
栽培面積87.5 ha
- Chardonnay8.8 ha (10.1%)
- Pinot Noir77.1 ha (88.1%)
- Pinot Meunier0.6 ha (0.7%)
- その他1 ha (1.1%)

特徴

クルトゥロンのシャンパンは、栽培面積の9割近くを占めるピノ・ノワールらしい、ジューシーで親しみやすい果実味が主役。なかでもフルーリー・ペール・エ・フィスは、低亜硫酸・オーク樽発酵によるナチュラルワイン的な造りで、ビオディナミ由来のピュアな味わいを表現します。気取らずグラスを傾けたい休日のランチや、チーズを合わせたカジュアルな食事に寄り添う一本として、自然派ワイン好きから熱い視線を集めています。

テロワール

クルトゥロンは、コート・デ・バールのバルセカネ地区に位置し、セーヌ川沿いの谷間に開けた小さな村です。土壌はシャブリと同じジュラ紀キメリジャン期の粘土質石灰岩(argilo-calcaire kimméridgien)で、コート・デ・ブランやモンターニュ・ド・ランスに広がる白亜質チョーク土壌とは異なり、粘土分を多く含むのが特徴。この粘土質土壌は果実味豊かでふくよかなピノ・ノワールを育みやすく、本村の栽培面積の約9割を占める品種にしっかりと個性を与えています。畑はコミューン北東部、ジェ=シュル=セーヌやエソイエとの境界一帯に集中し、ブルゴーニュにも近いことから、シャンパーニュの中でもやや大陸的な気候の影響を受けます。年間平均気温は11℃台、冬は厳しく秋冬には霧が多いという気候条件が、ゆっくりとした成熟を促し、シャンパンに親しみやすい果実の風味と柔らかな酸を与えています。

詳細

クルトゥロンは、コート・デ・バール地区バルセカネサブエリアの南端に位置するコミューンで、オーブ県南部、セーヌ川沿いの谷間に広がる。コミューン面積は10.33km²、人口はわずか99人(2023年)という小さな村だ。周辺のシャンパーニュ・コミューンには、北西にジェ=シュル=セーヌ、東にエソイエ、南にプレーヌ=サン=ランジュがあり、いずれも徒歩圏内の距離感で隣接している。丘陵とセーヌ川に挟まれた狭い谷筋には、石灰岩の切石を用いた個性的な家並みが続き、地理的にもブルゴーニュ地方との境界に近い立地である。

気候はケッペン分類でCfb(西岸海洋性気候・夏は温和)に区分されるが、Météo-Franceの分類では「海洋性変質(océanique altéré)」とされ、ロレーヌ・ラングル高原・モルヴァンに連なる気候域の影響を受ける。年間平均気温は11.4℃(1991〜2020年、近隣セル=シュル=ウルス観測所)、年間降水量は747mmで、冬は平均1.5℃まで下がる厳しさと、秋から冬にかけて発生する濃い霧が特徴的だ。畑はコミューン北東部に集中し、ジェ=シュル=セーヌやエソイエとの村境を跨ぐ一帯が主産地となっている。土壌のキメリジャン粘土質石灰岩は保水性が高く、こうした霧の多い冷涼な環境下でもブドウの水分ストレスを和らげ、ゆっくりとした成熟を後押しする。結果として、酸とのバランスが取れた、ふくよかな果実味を持つブドウが育つ。

クルトゥロンを代表する生産者は、ネゴシアン・マニピュラン(NM)のフルーリー・ペール・エ・フィスである。1895年にエミール・フルリーが創業し、1929年には当主ロベール・フルリーがバルセカネ地区でも早い時期に自社元詰めシャンパンを醸造した。1989年、当主一族はシャンパーニュで初めてビオディナミ農法への転換に着手し、1992年には自社畑15haすべてをビオディナミ栽培へ切り替えた。1999年には「ルネサンス・デ・アペラシオン」の創設メンバーにも加わっている。畑にはシャルドネやピノ・ノワールに加え、希少なピノ・ブランも残されており、一部キュヴェは低亜硫酸・オーク樽発酵によるナチュラルワイン的な造りで仕込まれる。代表キュヴェにはトリロジー、セパージュ・ブラン、ロベール・フルリー、ノート・ブランシュ、ソナタ・ナンバー9などがある。

フルーリーに続いてビオディナミ転換を果たしたのが、アラン・レオ(旧レオ=ノアロ)とエリック・シュレイベールだ。アラン・レオは1995年にデメテール認証を取得し、約11haのほとんどをクルトゥロン内に持ち、収穫の大半をフルーリーへ供給する。エリック・シュレイベールは1993年にデメテール認証を取得し、複数村にまたがる約6.5haのうち2.5ha分を自社名で年間約2万5000本リリースする一方、残りはフルーリーへ供給している。小さな村にビオディナミ生産者が集中する背景には、フルーリー一族が早くからこの農法に取り組み、近隣の生産者にもその知見を広げてきた歴史がある。

クルトゥロンは1789年当時、シャロン総督府のバール=シュル=オーブ選挙区に属していた。19世紀半ばには人口500人を超えていたが、その後大きく減少し、現在は99人ほどの小さな村となっている。1888年には、村の水車小屋の所有者がアメリカで得たアイデアを応用して自家発電を実現し、オーブ県内でも最初期の電化を遂げた集落のひとつとなった。この水車小屋は長く使われなくなっていたが、2016年にクラウドファンディングによって改修資金を調達し、欧州初の事例ともされる小水力発電所として再稼働している。村にはかつての石造り農作業小屋「カドール」が12棟保存され、これらを巡るハイキングコースも整備されている。コミューンの詳しい歴史は、レミ・ユート著『Courteron - Un village champenois dans l'Histoire』(2017年)にまとめられている。

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「Courteron」を拠点とするシャンパン銘柄

参考情報