ヴィルマール・クール・ド・キュヴェ [2000]750ml

Vilmart Coeur de Cuvée Millésime / ヴィルマール クール・ド・キュヴェ・ミレジメはフランス北東部のシャンパーニュ地方で生産される発泡性のワイン、シャンパンです。生産者はVilmart/ヴィルマール(RM:レコルタン・マニピュラン)です。

●当店社長試飲評価
　2009年8月5日 コスト・パフォーマンス ★★★★★ 味わい ★★★★★ 香り ★★★★★ 将来性 ★★★★★ 文句の付けようの無い極上品、ロデレールのクリスタル2002よりも 僕は断然こちらのほうが好きだ。 セパージュはシャルドネ80％＋ピノ・ノワール20％ クール・ド・キュヴェとは「キュヴェの心」という意味とのことで、 新樽にて醗酵され、同じく新樽での10ヶ月以上に及ぶ熟成を経てから 世に送りだされるシャンパーニュです。 ヴィルマールの珠玉のラインナップの中でも最高位に位置づけられる というクール・ド・キュヴェです！ リリー・ラ・モンターニュの最高の区画から選りすぐられた樹齢50年 以上のヴィエイユ・ヴィーニュのみを使用。新樽発酵、10ヶ月に及ぶ 新樽熟成によって醸された、ヴィルマールを代表する逸品。 ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%。バリック（225l）で10ヶ月熟成。 60〜96ヶ月の瓶熟後にリリースされる。ドサージュは8〜12g/l。MLFなし。 　以前飲んだ1993　マグナムはとても素晴らしい物だった。2000がどのよ うな物なのか確かめたくて飲んでみた。8℃前後で抜栓、明るく薄い黄色、 肌理細かい泡が力強く立ち上る、白い花、百合、ニセアカシア、ジャスミン、 山梔子、スイカズラ、グレープフルーツ、リンゴ、ライチ、フサスグリ、ビ ターオレンジ、パイナップル、桃、果物の砂糖煮、プラム、生クリーム、バ ター、蜂蜜、ナッツ、オレガノ、タイム、タラゴン、ローズマリー、フェン ネルシード、デイルシード、カモミール、リンデン、バニラビーンズ、白墨、 白檀、煙硝、石英系のミネラル、出来る限り泡を立てないようにグラスを寝 かして注いでいくと、花とフルーツが融け合ったような甘く芳しい香りが綺 麗に広がる。若い為、少しイースティーなところもあるが、素晴らしい香り に思わず満面の笑みが浮かぶ。フルーティー＋フラワリーだが、フレグラン スと言った方がピッタリくるほど魅力的な香りにスタートでノック・アウト されてしまった。肌理細かくクリーミーなのに弾けるように力強く勢いのあ る泡、色は薄く明るい黄色だが、ほんの少し灰色と薄いオレンジを感じられ た。15年経った1993ですら、引き締まったミネラルと酸の健全さと重厚なボ ディが圧倒的なパワーで迫ってきたが、2000は実に溌剌とし、力強く鮮烈だ が、重厚なコク・ボディが諄すぎず、重すぎず、それでいて、軽やかさとエ レガントさも兼ね備える。当然、1993より熟成感やそれに伴う果物の砂糖煮、 ハーブ、ミネラルの要素は少ないが、決して物足りなさや頼りなさは感じら れない。少し置くと、濃さと複雑さと甘さが増してきた。様々な花とフルー ツ達が次々に顕れては消えていく。2000のセパージュはシャルドネ80％＋ピ ノ・ノワール20％。1993でも思ったのだが、不思議と赤ワインで感じられる ニュアンスがフッと香り立つ。理由は分からないが、アフターにフッとピノ ・ノワールのニュアンスが感じられる。もしかしたら、最初80％のシャルド ネに抑えられていた20％のピノ・ノワールが時間と共に少しずつ顔を覗かせ、 存在感をアピールしているのかもしれない。最初の一杯は、我慢できず直ぐ に飲み干してしまった。最後、ボトルに残っていた物をグラスに注ぎ変化を 見た。やはり力強さと複雑さと甘さと軽やかさが絶妙なバランスで広がって いく。そして、ハーブ＋土・ミネラル系のニュアンスが鮮明に顕れ、複雑に 絡み合いながら、軽やかに、華やかに、スパイシーになり、昇華するかのよ うに伸び広がっていく。 　1993の素晴らしさが果たして2000に継承されているか不安だったが、私の 杞憂に終わった。実に見事で素晴らしいシャンパンだ。出来ることなら、もう 10年後に再チャレンジしてみたい。

．10．18

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Champagne Vilmart　/　ヴィルマールレコルタン・マニュピュランの中でも特に人気の高い「ヴィルマール」！2005年のデキャンター誌にて、「シャンパーニュ・トップ10」の第一位に輝いた作品と聞けば、いやでもその実力の程がうかがい知れるでしょう。リリー・ラ・モンターニュ村の中心にあるメゾンは、1890年からシャンパーニュ造りを始めていたそうですが、前当主のルネ・シャン氏によって大きなクオリティアップが図られたとのこと。樽職人かつステンドグラス作家であるルネ・シャン氏は、当時から有機栽培を推進し、それは現当主の息子・ローラン・シャン氏に引き継がれました。1989年からシャンパーニュ造りに携わっているというローラン氏は、巧みな樽使いによって自らのドメーヌを他から抜きん出たものにしています。すべてのシャンパーニュについて樽醗酵を行っているヴィルマールですが、特にヴィンテージシャンパーニュは、オークの小樽で醗酵・熟成させることによって酸が穏やかになり、クリーミーな丸みを帯びるようになるとのこと。マロラクティック発酵は行っておらず、この樽の利かせ方が絶妙であるとして、ヴィルマールは一部の間で「レコルタンのクリュッグ」と呼ばれているそうです。樽発酵や樽熟成を行うシャンパーニュ生産者といえば、ジャクソンやタルラン、そしてジャック・セロス、エグリ・ウーリエなどが思い浮かびますが、グラン・クリュではないリリー・ラ・モンターニュ村で樽にこだわりを見せている造り手としては、このヴィルマールと、ドメーヌ・ユベール・ポレが筆頭に上げられるようです。抜栓後、時間が経って泡も抜けてきた頃に再びグラスに注いでみると、あたかも上質な白ワインのようなその味わいに驚かされるというのが真の上質なるシャンパーニュと聞きますが、もちろんヴィルマールの作品群も、そんな感動を与えてくれるに違いありません！

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