アラン・ロベール『メニル・トラディション』1990

Alain Robert Le Menil Tradition Millésime / アラン・ロベール ル・メニル・トラディション・ミレジメはフランス北東部のシャンパーニュ地方で生産される発泡性のワイン、シャンパンです。生産者はAlain Robert/アラン・ロベール(RM:レコルタン・マニピュラン)です。

●1986に続いては・・・3年の間が空きました・・・1990年物です。試飲会での印象は・・・85や86に較べると、相対的にウエイトが乗っているのかな？と。じっくり一本開けて見たわけではないので細かなディティールは探れなかったのですが、幾分その傾向が強そうです。 　　1986年入荷当時のコメントです。 ●アラン・ロベール「メニル・トラディション」！1979年、1985年と来て、次のヴィンテージは『1986年』でした！それにしてもいつも熟成長い・・・・。注文を受けてからデゴルジュマン（澱抜き）をし、さらに一年近く熟成させてから出荷するという念の入れよう。この品質の高さは「時間が鍵を握っている」といえそうです。●頑なまでに伝統的な手法にこだわる彼のシャンパン造りの結晶が、こちらの「メニル・トラディション」です。葡萄の作柄が最高に良かった年だけに造られ（現在では79.85.86.90）、その中でも「メニル・トラディション」の作られる数はごく僅かです。 ●ブドウはメニル・シュル・オジェ村の平均樹齢50年近い物。このキュベに使われる果汁は4000kgの果汁から最初に圧搾してとれる僅か4〜6hlの物のみを使用しています。発酵・熟成共に205Lの小さな木樽で行われ、二次発酵時の「栓」は、昔ながらのコルクに鉄の枠をはめた物。通常の王冠だと「実は空気が入って、できあがったワインには明らかな違いがある」と頑なに伝統に従って造られて物です。ドーサージュの量も2〜6gと「メニルのワインでもっとも少ない」と言われ、果実のポテンシャルが感じられるワイン造りです。 ●とても透明感のあるクリームイエロー。深みを讃える中心部と、周辺部に残る若草色の色合いがこのシャンパーニュの素性を物語っている。泡立ちは微細でありゆっくりと長く続く。黄色いリンゴや桃から始まり、パッションフルーツ、マンゴーまで細かく連なる彩り豊かな果物の存在。瑞々しきハーブの香りはやがて乾燥し密度を増しながら鉱物的なミネラル感に。香りが密度を増すと共に花の蜜は蜂蜜のような重みを持ってくる。深く吸い込んでようやく登場するさらに熟した果実味やブリオッシュ、パウンドケーキ・・・一口目の味わいを確実に予感できる、明確な構成。 ●口に含んでも実に滑らか、と同時に旨味の拡散する速度が速い、そして高く伸び上がり、深いところで沈黙する。そして二口、味わいの第一波、第二波と波が続き次第に優しく滑らかになりつつも古き味わい、若き味わいを同時に楽しませてくれる、巧妙な仕掛けだ。デザートはピュアなサワークリームか杏仁豆腐？ぱらぱらと振りかけられたのはクミンかカルダモン・・・・この葡萄が作られたころ、自分は何をしていたんだろう？一瞬考えるが、すぐにまた目の前の美味しさに引き戻される・・・。白身魚、ムニエルかポワレか？クリームソースかバターソースか？帆立とかエビもイイよな・・・（2006.10.03　いのまた） 　　1985年ヴィンテージのコメントです。 ●結構有名なのに、なかなかテイスティングコメントに出会わないのが、この「アラン・ロベール　メニル・トラディション」それだけ世に出ることが少ないんでしょうかね？・・・・めずらしくも、ワイナート15号（2002.06発行）にコメントが出ていました。 「感動的に細かい泡を伴い、古典的で風雅な味わいが、しっかりと広がっていく。長い熟成感を感じつつも全く濁りが無く、傘の開いていない白いマッシュルーム、クリーミーなランプータン、ヘーゼルナッツ、多彩な黄色い果物や柑橘類の皮のコンフィ、蜂蜜、ミネラルの香り、強烈なグリップに深いこく。すべてが上品に整い、ひたすら余韻が長い。飲み頃今から2007年。95点」 ・・・・そして再び季刊ワイナート誌21号にも登場。やはり95点でした。マグナムなんでもう少し長めに楽しめるかな？　

• First
• Previous
• 1
• 2
• 3
• 4
• Next
• Last